| 3Dプリンタで製作するEVが発売に |
中国のスタートアップ企業、ポリメーカー(Polymaker)とXエレクトリカル・ビークル・リミテッド(X Electrical Vehicle Limited=XEV)が共同し、「3Dプリンターで作るEV」を発表。
なお、このEVは中国特有の「ロースピードEV=LSEV」に分類され、小型で安価しかし航続可能距離が限られているものの”人民の足”として親しまれているカテゴリ。
ポリメーカーは3Dプリントにてパーツなどを製造するメーカーで、しかし「ほかにも3Dプリント技術を持つメーカーは多々あれど、ウチに敵う技術を持つところはない」と豪語。
サイズはスマートよりもさらに小型
今回発売するLSEVは全長2489ミリ、全幅1295ミリ、全高1498ミリ、とかなり小型。
スマート・フォーツーよりも小さな車で、重量は450キロ、最高速度は時速69キロ、一回の充電あたり走行可能距離は149キロ(けっこう走る)。
パーツ点数はわずか57に抑えられ(ほかのEVは2000ものパーツがあるとされる)、しかもこのLSEVはシャシーやガラス類、シートまでもが「3Dプリンター製」。
使用する材質の多くは強化ナイロンやアクリル、TPUで、他メーカーの車に比べると車体強度について4-5倍はある、とのこと。
さらに特筆すべきは製造にかかるのはわずか三日で(一般的な自動車としては長いものの、3Dプリンタを使用していることを考えればかなり短い)、しかもその価格は約100万円。
なお、ポリメーカーとXエレクトリカル・ビークル・リミテッドはこのLSEVを2019年4月から欧州とアジアにて販売したいとしており、すでに7000件もの注文を集めている、とのこと。
そのほとんどは欧州からだとしていますが、計算上「1台作るのに三日」かかるとすると7000台を作るのに21000日(700ヶ月)もかかることになり、これを解消するには3Dプリンタを大量導入するしかなさそうです。
当然ながら1台の3Dプリンタで一台の車に使用するパーツ全てを作るわけではなく、パーツのサイズや素材によって3Dプリンタを使い分けているはずなので、1台作るのに必要な3Dプリンタを「100セット」揃えても7000台を作るのに7ヶ月もかかってしまい、現実的に利益が出るのか?とちょっと心配に。
なお両社とも来年末までには2万台を販売したいとしており、それには相当な投資が必要なのかもしれません(それでも通常の車に比べると設備投資にかかる費用は圧倒的に小さい)。
それでは動画を見てみよう
こちらがポリメーカーCEOが自信満々に語り、実際に製造する様子を紹介する動画、「Bringing LSEV to life - The 1st Mass Produced 3D Printed Car」。
https://www.youtube.com/watch?v=M-X-rN2yXfs
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