| シェルビーが1967年スペックの「新車」を発表 |
シェルビー・アメリカンが1697年モデルのフォード・シェルビーGT500スーパースネークを「10台だけ追加生産する」と発表。
当時(1967年)のシェルビーGT500スーパースネークは、グッドイヤーとの「高速走行におけるタイヤ性能」の共同試験のために製造されたもので、その結果は「非常に良好」。
1台のみが生産され、市販化も検討されていた
シェルビーGT500スーパースネークは高いパフォーマンスを持っており、シェルビー・アメリカンの従業員であったドン・マッケイン氏が(シェルビー・アメリカン創業者の)キャロル・シェルビー氏に「市販化してはどうか」と持ちかけるもキャロル・シェルビー氏はコスト高を理由に量産を見送り。
なお、キャロル・シェルビー氏は「ただ単にレースで勝てるクルマ」を作りたかったようで自動車の量産ビジネスには興味がなく、自身の思惑とは裏腹に「大きくなってしまった」業容に矛盾を感じていた、とも言われます。
フォードの支援と依頼を受けてモータースポーツ活動を行っていたことが有名ですが、その活躍の華々しさのために名声を獲得し、フォードがこれを市販車に活用しようと考えたために市販車の生産が増え、本当にやりたかったモータースポーツ活動に専念できなくなったことを理由にいったんファクトリーの操業を停止したことも。
そういった経緯もあり、”当時生産されていたかもしれないが、実際には生産されなかった”「シェルビーGT500スーパースネーク」を現代になって量産するという決定がなされたわけですが、スペックとしては排気量427キュービックインチのV8エンジン(550馬力を発生。アルミブロックか鋳鉄ブロックかを選べる)、4速マニュアル・トランスミッション、ボディ上の「トリプルストライプ」も当時のまま。※出力は1967年当時より30馬力高い
いずれの個体もシェルビー・アメリカンのVINを使用した登録がなされ、ダッシュボードには「キャロル・シェルビーとドン・マッカリンのネーム」が入ったプレート付き。
価格は249,995ドル、つまり邦貨換算で2700万円くらい。
シェルビーの「新車」ということで相当な人気を呼びそうなクルマですね。
現在「復刻」ビジネスは大人気
なお、こういった「復刻」は現在人気のあるビジネスとなっており、ことの発端はジャガー。
1954年に25台を生産するはずだったジャガーXKSSが火災のため19台しか生産できず、しかし2017年に「残る9台」を生産したのが直接のきっかけ。
その後第二弾として、同じく工場火災で製造できなかった25台のD-Typeを追加生産し、これらがとんでもない価格で取引されるように。
もちろん「転売」の利益はジャガーに入らないもののブランド価値を押し上げるには十分で(新車販売だけでも儲かっていると思う。1台1億円前後と言われているので)、その後ACカーズも「コブラ」でこの流れに乗ることに。
さらにはアストンマーティンもDB4 GTを「新車」として製造販売し、フェラーリも「250GTOを復刻か」と言われているのが現在の状況。
今回のシェルビー・アメリカンGT500スーパースネークも同様の流れですが、しばしこのブームは続くのかもしれません。
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