| ランボルギーニはウルスの速さを「公約通り」新しいやり方で証明する |
ランボルギーニはすでに「ウラカン」を使用したワンメイクレース”スーパートロフェオ”を開催していますが、その最終戦となるワールド・ファイナルにてウルス「ST-Xコンセプト」を公開。
これは「ウルスのレーシングバージョン」という位置付けで、ランボルギーニ曰く”ランボルギーニ初となるスーパーSUVのレーシングバージョン”。
このコンセプトカーのヴィジョンは「単一ブランドによる、サーキットとオフロードとの複合によるチャンピオンシップ」つまりウルスでサーキットとオフロードステージ両方を走るワンメイクレース、ということになります。
開催は2020年からを予定
今回発表されたウルスST-Xは”コンセプト”と名がつくものの、2020年から欧州と中東におけるFIA公認サーキットにてレースが開催され、ランボルギーニはレース開催中のサポートを行う、とも公表。
今回のURUS ST-Xコンセプトはランボルギーニのレース部門”スクアドラ・コルセ”からの発表によるもので、そしてスクアドラ・コルセはこの1日前にアヴェンタドールをベースとしたワンオフモデル(サーキット走行専用!)である”SC18”を発表したばかり。
ランボルギーニはもともと「フェラーリのクルマがあまりにロードカーとしては快適性と信頼性を失う」ということから立ち上げられたブランドで、フェラーリへの対抗からか、社是として「レース活動を行わない」というものがあります。
ただ、現在のランボルギーニCEOであるステファノ・ドメニカリ氏はフェラーリ出身で、しかもフェラーリのF1チーム、”スクーデリア・フェラーリ”の代表まで務めた人物(新卒でフェラーリに入り、そこまで上り詰めた)。
フェラーリから一旦フォルクスワーゲンへと入り、その数年後である2016年にランボルギーニのCEOへ着任していますが、「レースを行わない」と決めていたランボルギーニ設立者、フェルッチョ・ランボルギーニ生誕100周年の年にライバル企業のレース部門統括者がランボルギーニの長となったわけですね。
同氏はやはりスクーデリア・フェラーリ出身ということもあってか「レース活動」を重視しており、就任直後からウラカンGT3やウラカンGTEでのレース活動を強化し(ステファノ・ドメニカリ氏着任以前からその傾向はあった)、これまでは表立って行わなかったニュルブルクリンクへのタイムアタックも積極的に行い、そしてアヴェンタドールSV、ウラカン・ペルフォルマンテ、アヴェンタドールSVJにて「3度も」ニュルブルクリンク最速記録を塗り替えています。
そんな中で発売されたのが「ウルス」ですが、ほかの自動車メーカーがこういった車を発表するときに嫌う「SUV」という名称を積極的に使用(ロールスロイス、フェラーリなどはSUVという呼称を否定。ポルシェも開演発売時はそうだった)。
SUVという呼び方を多くのメーカーが嫌うのは、もちろんそのブランドイメージが希薄になることを恐れるためですね。
さらにランボルギーニはウルスについて「スーパーSUV=SSUV」と名乗るほどで、つまりSUVという呼び方については抵抗を示さなかったということになりますが、これについては「SUV界最速(加速や最高速、サーキット走行タイムにおいて)という自負があり、たとえボデイ形状が変わろうとも、最速であればそれはランボルギーニである、という考え方であったのかもしれません。
なお、ステファノ・ドメニカリ氏はランボルギーニ・ウルスの「最速」をほかメーカーとは違う形で示すと以前に語っていますが、それがつまり今回発表された「ワンメイクレースであった」ということになりますね。
ウルスST-Xは25%も軽量化
ウルスST-Xは上述の通りランボルギーニのレース部門、スクアドラ・コルセによって開発されたものですが、「FIA承認を得られるようにロールケージ、燃料タンク含む安全装備を追加」し、25%も軽量化されていることが特徴(2200kgなので550キロも軽くなっている)。
ボディカラーはヴェルデ・マンティス(スクアドラ・コルセのイメージカラーなのかもしれない)、そしてボンネットほかカーボンパーツを装備し、エアインテークは冷却性能アップのため大型化。
さらにダウンフォース強化のためリアウイング装着、レーシングエキゾーストシステムへの換装、21インチサイズのセンターロックホイールが与えられるなどその変更内容は盛りだくさん(エンジンは4リッターV8、650馬力のまま)。
まずはオンロードからのスタートにはなりますが、2020年からの活躍に期待したい、と思います。
VIA:Lamborghini