いずれも事故はゼロ、スバルは「工場操業停止」の原因となった案件
スバル、マツダがそれぞれリコールを発表。
スバルは「インプレッサ」「XV」「フォレスター」にて、マツダは「ロードスター」にて国土交通省に届け出がなされており、それぞれ「ステアリング」と「変速機」という内容です。
ここで、それぞれがどういったものか見てみましょう。
スバル・インプレッサはパワステ機能に問題
スバル・インプレッサの届出内容は「 かじ取り装置(ステアリングギヤボックス) 」。
内容は下記の通りで、最悪の場合は「重ステ」になるというもの。
油圧式パワステ採用の場合はこういった例があまりなかったと記憶していますが、電動パワステの場合は「ときどき」耳にすることが。
それを考えると、ブレーキを「電気式」にしてしまうのはかなり怖い(重ステになるというレベルではなく、非常に危険)、とも思います(メルセデス・ベンツが過去にこれで失敗)。
電動パワーステアリングにおいて、コントロールユニットの端子部の製造条件が不適 切なため、回路が絶縁されずに導通するものがある。 そのため、警告灯が点灯する とともにパワーステアリングのアシスト機能が停止し、ステアリングの操作力が増大する おそれがある。
国土交通省
なお、同じく「重ステに」というものだと、ちょっと前にポルシェがリコールを出していますね。
今回の対処としては「 全車両、ステアリングギヤボックスの製造番号を確認し、該当するものはステアリング ギヤボックスを良品に交換する」としており、不具合件数は2件、そしてこれによる事故はゼロ。
発見の動機は「社内からの情報」であり、これは検品体制が整ってきたということなのかもしれません(スバルはこれまで外部から指摘されて問題が発覚することが多かった)。
なお、今回の「パワステ」問題については、スバルが工場(群馬製作所)での車両生産をストップすると報じられていた原因だと思われます。
スバルはここしばらく様々な問題が報じられているものの、上述のように社内からこういった問題が報告されたこと、それによって操業停止してまで問題の解決を図ろうとしたことは「以前には見られない」行動でもあり、高く評価できると考えて良いのかもしれません。
今回のリコール対称は「インプレッサ」「XV」「フォレスター」の3車種で、製造期間は平成30年12月28日~平成31年1月16日(車種によって違う)、対象台数は780台。
マツダ・ロードスターはATの制御プログラムに問題
マツダが今回発表したリコールは「ロードスター」のみに関係する問題で、その内容は下記の通り。
修正内容としては物理的な交換や修理の必要はなく、「対策プログラムへの書き換え」で終了する、とのこと。
自動変速機搭載車のトランスミッション制御コンピュータにおいて、クラッチ制御 プログラムが不適切なため、Dレンジ(マニュアルモード含む)で走行中にレンジ 信号ノイズを検出した場合に、意図しないクラッチ制御が作動することがある。そのため、減速感を伴うショックが発生し、最悪の場合、走行安定性を損なうおそれ がある。
国土交通省
発見の動機は「海外市場からの情報」で、実際に発生した不具合はゼロ、そして事故も幸いなことにゼロ。
対象となる生産期間は平成27年3月5日~平成30年12月19日、対象台数は合計で8607台、と報告されています。