| FF特有のアンダーステアを解消する新技術を投入 |
BMWが第三世代となる新型1シリーズのティーザーを開始。
これは最近BMWが好んで用いる手法で、8シリーズやX3 M、X4 Mについても同様にティーザー公開→間もなく実車発表という流れをたどっています。※1シリーズの実車お披露目は秋のフランクフルト・モーターショーと言われるが、それまでにオンラインで公開されそう
なお今回の新型1シリーズについては「ゼロから」開発が始まり、その開発にかけられた時間はおよそ5年。
そしてもっとも大きな変化は「FRから(基本的に)FFになること」。
BMWファミリー顔なるも「1シリーズ特有のキャラクターを保持」
今回公開されたのは一連のティーザー画像のほかスペックの一部ですが、1シリーズはBMWの稼ぎ頭でもあり、ライバルたるメルセデス・ベンツAクラス、アウディA3に対向する意欲が感じられる内容、かつ走りにこだわるBMWらしいニューモデルとなっているようですね。
最初に登場するのは「M135i xDrive」で、これはX2 M35iに搭載される302馬力を発生する2リッター4気筒ターボエンジンをフロントに収めて4輪を駆動。
これは306馬力を発生するメルセデスAMG A35ハッチバックと十分に渡り合えるスペックでもあり、290馬力のアウディS3を超えるもの。
最近のBMWの傾向としては「M+数字2桁もしくは3桁」という、純粋なMモデルに準ずるハイパフォーマンスモデルを設定するというものがあり、これはアウディの「(RSではなくて)S」モデル、最近活発化してきたメルセデスAMGのエントリーモデルに対抗する意味があるのだと思われます。
なお「FFベース」と化したことで室内空間が有効活用されるようになり、前席だとレッグルームが33ミリ拡大し、ヘッドルームも19ミリの余裕を確保。
さらに荷室も従来モデルに比較して20リッターぶん拡大して380リッターへ。
BMWグループにてドライビング・ダイナミクスを管理するペーター・ランゲン氏によれば、「トラクションコントロールには、i3からフィードバックを受けたARBテクノロジーをはじめてガソリン車に採用した」とのことで、これによってFFにありがちなアンダーステアを大幅に改善したそうです(ちなみにi3はFFではなくRR)。
そのほか「BMW パフォーマンス・コントロール」なるブレーキコントロールシステム、ストラットの強化によって類まれなる安定性やコーナリング性能を実現しているとされ、「なんだFFベースか」という向きをも黙らせる出来を持っていそうですね。
プラットフォームは新設計だと思われるものの、現段階で詳細は不明。
BMWは現在FRベースとして「CLAR」を3~8シリーズにまで採用しており、FFモデルには別のプラットフォームを用いることになりますが、新型1シリーズに採用されるのは今までのX1、そしてX2、ミニに採用してきた「UKL」の改良版だとも報じられています(そしてUKLはけっこうコストの掛かるプラットフォームで、今後のミニにはより安価な新型プラットフォームが与えられるとも)。
今回公開されたティーザー画像では、その全容を知ることはできないものの、現行に比べるとぐっとシャープになり、スポーティーさも増しているように思えます。
フロントはBMWファミリーであることを強調する、新型3シリーズ同様の顔つきになると思われ(しかしヘッドライトが切れ長に)、リアも横長基調の3Dテールランプが採用されることになりそうですね。