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「世界で一台」、MTへとスワップしたフェラーリ430スクーデリアが登場。パーツ代340万円と40時間があればマニュアルで430スクーデリアを操れる

2019/04/22

タイムではなく「楽しさ」を求める人々にとっては最適な選択になりそう

もはや絶滅状態の「マニュアル・トランスミッションを搭載したスーパーカー」ですが、そこで登場するのが「トランスミッションのスワップ」。
つまりATもしくはセミATを「MTへ」載せ替える、ということですね。

ぼくは元来クルマというものは「自分で走らせるべき」ものであり「乗せられる」ものではないと考えていて、つまり、最適なギアを自分で選んで走行することと、クルマが選ぶ最適なギアにて走行することというのは大きく意味が異なると考えています。

もはやマニュアル・トランスミッションは「自己満足」の達成手段に

たとえば、これから自分がどう走ろうかと考えているのかということはクルマに予測できず、クルマはあくまでも「現状得られた情報から判断を下している」ということに。
よって追い越しや追い抜きをかけようとシフトダウンすることができるのは自分しかいないワケで、そういった意味で「ギアを選ぶ」のは重要だと考えています。

ただし近年では「ギアを選ぶ」にも様々な方法があり、古来からのマニュアル・トランスミッションに加えてセミオートマやデュアルクラッチ、そしてトルコン式ATでも普通に”自分で”ギアを選ぶことが可能。

さらに、トルコン式ATでは「段飛び」変速という、デュアルクラッチに不可能な芸当をこなるトランスミッションまで登場しています。

そして近代のスポーツカーはその動力性能が著しく向上しており、クルマを速く走らせるにはもはや「マニュアル・トランスミッションの操作」、つまりクラッチを踏んでシフトチェンジを行い、またクラッチを繋ぐという行為そのものが「マイナス要素」となる可能性もあるわけですね。

しかしそれでも「クラッチを踏んで、シフトレバーを動かす」という行為にはいいしれぬ魅力があり、実際にホンダは「シビック・タイプR」にデュアルクラッチを用意しておらず、エンジニアいわく「(MTで)ガチャガチャやるのがいいんですよ」。

なお、シボレーも(新型コルベット用に?)実際には「AT」ながらも「MT」同様の操作を行うための特許を出願しています。

フェラーリ430スクーデリアにマニュアル・トランスミッションをスワップするショップが現れた

そして今回紹介するのが「フェラーリ430スクーデリアにMTをスワップ」した車両。

430スクーデリアは、F430(2004-2009)をベースとしたハードコアモデルですが、このトランスミッションは「セミAT(F1スーパーファスト)のみ」。
ベースモデルのF430比で+20馬力、-200kgという数字から予想できる通りの強烈な走りを実現するモデルですが、「MTが用意されずにセミATのみ」というところからも、フェラーリの「速く走るには、もはやMTは不要」という考え方がわかります。

ただ、それに納得できない向きがいるのもまた事実で、この430スクーデリアを公開したテキサスのショップ、「ヨーロピアンオートグループ」もそのひとつ。

今回のスワップにて使用したのは、360モデナ、F430(”スクーデリア”ではない通常のF430にはマニュアル・トランスミッションが存在する)に使用されるマニュアル・トランスミッションとそのショートパーツですが、さすがにセンターコンソールのシフトレバー周辺は「自作」されているようですね。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は ferrari-430-mt.jpg です

かかるコストはパーツ代として約340万円、そして要するのは40時間ほどだそうですが、使用するのはフェラーリのパーツでもあり、そしてF430にはもともとMTが存在するということを考えると、安心感は高いのかもしれない、と思います。

それでは動画を見てみよう

こちらが世界でただ一台のフェラーリ430スクーデリア”MT”を紹介する動画、「World's First Manual Transmission Ferrari 430 Scuderia! - One Take」。

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