| スペシャルモデルだけではなく360、F430や458、599、612も対象に |
フェラーリが新しく「フェラーリ・プレミアム・プログラム(Ferrari Premium Certificate)」を開始。
これは中古車について、「定められたメンテンナンスや補修などを行った」車両に対して保証を付与するというもの。
対象となるのは360(全バリエーション)、612スカリエッティ(全バリエーション)、F430(全バリエーション)、456GT、456GTA、456M GT、456M GTA、550マラネロ、550バルケッタ、575マラネロ、575スーパーアメリカ、599GTB、SAアペルタ、599GTO、エンツォフェラーリ。
フェラーリは販売した車両に対して誇りと責任を持っている
この中でもっとも発売が古いのは456の1992年、ついで550の1996年ということになりますが、現在これらのクルマを保有している人、かつ中古で購入した人は「そのクルマのコンディションに不安」を抱えている可能性が大。
そういった場合、フェラーリ・クラシケ(フェラーリのクラシックモデル担当部門)に連絡を取り、車両のチェック及び適切なメンテナンスを受けることで、この「フェラーリ・プレミアム・プログラム」の対象となることができ、もしリコールやサービスキャンペーン等の対策が漏れていた場合でも対策を施してもらえる、とのこと。
なお、フェラーリは新車購入の場合でも手厚い保証プログラムを展開しており、「3年の新車保証」に加えて「4-5年に保証を延長できる」パワー・キューブ、「6年まで延長」のパワー・ノーマル、「10年まで」延長可能な「パワー・トレイン」を用意しています(フェラーリのオフィシャルサイト、”フェラーリ車両の保証プログラム”より)。
さらにフェラーリは新車購入からメンテナンスが7年間無料という手厚い体制を敷いていますが、今回の新しいプログラム含め、これらは「フェラーリの価値を永続させ、それによってブランド価値を向上させる」ことが狙いだと思われます。
ブランド価値はニューモデルだけではなく過去のモデルの市場相場によっても作られることになり、やはり「過去モデルの価格が高い」ブランドは新車販売も有利に進めることができ、限定モデルの値付けも「より高く」することが可能(購入しても価値が下がらないということがわかっているので、誰もが欲しがる)。
つまりフェラーリはある程度メンテナンスを自社で負担することによって長期的なブランド価値向上を狙っているのだとも思われ、「損して得を取る」戦略なのでしょうね。
さらにフェラーリは中古相場も強く意識していて、中古相場をコントロールしていることにも言及。
ずっと前の話ではありますが、フェラーリも安価なエントリーモデルを出さないのかという問いに対し、「中古のフェラーリがエントリーフェラーリである」というコメントを出しており、フェラーリの「中古車」に対する感覚は一般的な「中古車」とは異なり、一旦市場に送り出し、かつフェラーリと名がつくものはどこまで行ってもフェラーリである、という誇りと責任を持っているのでしょうね。
なお、「新車から7年のメンテナンス無料」についても相当な負担があると思われますが、この「無償メンテナンス」を受けることができる範囲を「無改造」に限定すれば”下品な改造”も防止することが出来ますし、市場に出回る中古車についても高い品質を保つことができるので、長い目で見ると「フェラーリのブランド価値を押し上げる」ことになるのだと思われます。
スーパーカー業界全体にではありますが、マクラーレン、ランボルギーニも販売済み車両のメンテナンスや中古車両の価値を維持するために動き始めており、これによって一層新車を買いやすくなることも期待しています。