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【試乗:メルセデスAMG A35】とことんパワフル、とことん安定志向な”もっとも安価で手に入るAMG”!ダイレクトさは向上するも規制のため「サウンドはちょっと残念」に

2019/11/04

| おそらく、今後登場するハイパフォーマンスカーはどれもこのレベルにまでサウンドが絞られる |

さて、メルセデスAMG A35 4MATIC Edition1に試乗。
ぼくは先代AクラスのAMG版、つまり「A45」を購入しようと考えたことがあり、一時期はかなり真剣に中古車を探したことも(さすがに売却時の値下がりが怖く、メルセデスAMGを新車で購入する勇気はない)。

よって、今回のA35も「中古が出てきたら購入を検討しよう」と考えているクルマの一台であり、非常に高い期待をもっての試乗です。

メルセデスAMG A35 4MATIC Edition1はこんなクルマ

メルセデスAMG A35 4MATIC Edition1は「メルセデス・ベンツAクラスのAMG版」「AMGモデルでは一番求めやすい価格」「おそらくこれまでのAMGモデルでももっとも安価」「初めて設定された”35”という数字を持つエントリーAMG」であるA35の”初年度限定モデル”。

ただ、A35はエントリーモデルといえどもそのルックスは過激そのもので、とくに今回試乗した「エディション1」はエアロフリックはじめとする過激なエアロパーツが装着されているモデル。
そのアグレッシブさゆえに「これは派手すぎて乗れんわ・・・」という人も多そうですが、(ホンダ・シビック・タイプR同様に)たしかにこのクルマを目の当たりにすると気後れする部分もあり、実際にA35を購入するとしても、エアロパーツの装着されていない「ベースモデル」を選ぶことになりそうです。※「エディション1」と通常のA35との相違は、オプション扱いとなる「AMGアドバンスドパッケージ」「AMGライドコントロールサスペンション」が装着され、エアロパッケージがアップグレードされること、そしてグラフィックといったところ

なお、メルセデスAMG A35 4MATICのスペックは下記の通り。

エンジン2リッター4気筒ターボ
出力306PS
トランスミッション7速AMGスピードシフトDCT
駆動方式4WD
ボディサイズ全長4436/全幅1797/全高1405ミリ
価格743万円(ベースモデルだと628万円)

なお、内外装については別記事にて詳細を記しています。

メルセデスAMG A35限定モデル”エディション1”を見てきた!ロードカーなのにエアロフリック装備の過激エアロパッケージ

メルセデスAMG A35 4MATIC Edition1に乗ってみよう

そこで早速メルセデスAMG A35の試乗。
ベースは新型Aクラスとなりますが、ドアの開閉音がAクラスに比べて重く、そしてやや金属的。
ドアを閉める際も「ガチン」という金属っぽい音が混じっていて、この当たりは安心感を得る部分です。

なお、遮音性と制振についてはかなり気を使っているようで、エンジン始動時の振動やノイズはほぼ車内に伝わらず、このあたりは「クラスを超えた静粛性を持つ」という印象ですね。

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AMG A35のエンジンフィールは?

A35のエンジンはAMG伝統の「ワン・マン、ワン・エンジン」つまり一人の職人が責任を持って組み立てたAMG専用ではなく、Aクラスのチューンナップ版(A45に積まれるのはAMG専用のM139)。※A35のエンジンはA250のエンジンに装着されるタービン変更、それに伴うチューニング変更版であるM260

ただしそのパワフルさは特筆すべきで、低速からもアクセルを踏めばぐっと出る加速を見せます。
ターボは「ツインスクロール式」ですが、正直言うとちょっとターボラグがある印象。
ただし加給がかかった後は怒涛の加速を見せ、「これが2リッターなのか・・・」と驚かされ、そのパワフルさはアウディS3、フォルクスワーゲン・ゴルフRよりも「上」かもしれません(気持ちよく走るには、一段低めのギアを選択し、回転数高めで走る、もしくはダイナミックセレクトをSportに入れたほうが良さそう)。

ちなみにトランスミッションは非常に秀逸で(デュアルクラッチ)変速ショックが極めて少なく、しかしガッチリとクラッチが繋がっている、という印象を受けます。

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AMG A35のハンドリングは?

A35の前後サスペンションはAクラスをベースにしながらも専用チューンが施され、フロントには補強用のプレートやバーが取り付けられてキャンバー角も専用に。
これによって正確無比なハンドリングを実現していますが、体感的には4WDシステムが非常に高く貢献しているのでは、と考えています。
現在メルセデスAMGを選択する人の多くは4WDを支持しているといい、実際にAMG自身も「今後のAMGモデルはすべて4WD化」する可能性を示唆しているほど。

駆動力は前後100:0〜50:50の間での「可変」となりますが、やはりフロントの駆動力(引っ張られる)が強いようにも感じられ、試乗全般を通じて極端な安定志向といった感じです。

なお、4WDシステム自体はトヨタGRスープラ/BMW Z4を製造しているオーストリアのマグナ・シュタイヤー製だと聞いていますが、A35とA45だと4WDシステムに大きな相違があり、A45では「後輪へ100%」の駆動力を振り分けることが可能で、こちらは「ドリフトモード」を備えているので、A35とは異なる「じゃじゃ馬」なのかもしれませんね。

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AMG A35の乗り心地は?

メルセデスAMG A35の乗り心地は先代A45に比較するとかなり向上していますが、アウディA3やフォルクスワーゲン・ゴルフRに比較するとやや硬い印象。
それらは初期のアタリが柔らかく、ダンピングレートを強めているので「ねっとりと」路面に貼り付くような印象があるものの、メルセデスAMG A35の場合はスプリングレートがかなり高いようで、細かい段差からの衝撃を拾う傾向に。
とくにリアはその印象が強いものの、さほど気になるレベルではなく、むしろこれが機敏さを感じさせるのではないかと思います(上位クラスのAMGと性格を湧けたのかもしれない)。

ただ、後部座席に乗っていた人に話を聞くと、「かなりガツンと(ショックが)来た・・・」とのこと。

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AMG A35は期待通りのクルマだったか?

総合的に考えて、メルセデスAMG A35は「買い」なクルマ。
ただしエディション1だと「高すぎる(この価格帯だとBMW M2やポルシェ718ケイマンなどが買える)」ので、買うならやはりベースグレード。
それでもフォルクスワーゲン・ゴルフR(579万円)、アウディS3スポーツバック(633万円)よりはちょっと割高なのは間違いないところですが、この価格差を補うのは設計年度の新しさからくる「内装の機能・装備充実度」。
加えてメルセデス・ベンツはエントリークラスに対しても上位クラス同等の装備を与えていて、実際にクルマに乗り、目に入り、手に触れる部分の満足感はメルセデスAMG A35がライバルに対して大きくリードしている、とも考えています(このインテリアは、おそらく毎日乗っても飽きることない刺激を与えてくれると思う)。

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ただ、ちょっと残念だったのはエキゾーストサウンド。
「AMG」という印象からすると拍子抜けするほど大人しく、バルブが開いたとしてもそれは同じ(フェイクサウンドを備えているかどうかは聞き忘れたが、たぶん装備されているように思う)。
メルセデスAMGのクルマは、二世代ほど前だと「このサウンドはちょっとやりすぎじゃろ・・・」というくらいの凶暴なサウンドを放ったものですが、そこから世代を経るごとに「大人しく」。

これはもちろんメルセデスAMGとて本意ではないと思われ、つまりは「欧州の騒音規制」が影響しているものと思われます。
よって、今後登場するであろうゴルフ8世代の「ゴルフR」のサウンドも同様に「おとなしめ」だと思われ、これはもう時代の流れとして受け入れるしかなさそうですね。

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