| この発想は日本にはない |
アメリカはマサチューセッツ州にて活動しているコーチビルダー、「ファクトリー・ファイブ・レーシング(Factory Five racing)」。
主にはホットロッドやカスタムトラック、シェルビー・コブラ、コブラ・デイトナのレプリカキットを製作し、販売を行う会社です。
その一方では「GTM」や「818」というライトウエイト・スーパースポーツ(ただしキットカー)も発売しているという側面を持ち、今回あらたに全容をリリースしたのが”F9R”と命名されたスーパースポーツ。
このファクトリー・ファイブ・レーシングF9Rは、なんと9.5リッターV12という「とんでもなく環境に悪そうなエンジン」を搭載して755馬力を発生。
なお、エンジンそのものはシボレーのLS3をベースにしたもので、これをオーストラリアのレースキャスト社がカスタムしたものだそう。
F9Rのボディサイズは全幅1970ミリ、全高116ミリ、車体重量は1088kg、ボディパネルはフルカーボンだと伝えられています。
なお、実際に販売開始されるのは2020年末~2021年第1四半期を予定しており、価格は今のところ未定とのこと。
ファクトリー・ファイブ・レーシングF9Rはなんと「組み立て式」
フロントにV12エンジンを搭載するということもあり、そのルックスはなんとなく(同じくフロントにV12を積む)アストンマーティン・ヴァルカン風。
フロントの開口部は大きく、ここから取り入れたエアをボンネット、そしてフロントフェンダー内へと流し、熱として圧力を抜く構造を持つようです。
リアにはルーバーそして巨大なリアウイングも。
なんとなくZENVO TSR-Sを連想しますが、細部は結構異なっていて、リアウインドウにはルーバー装着、そしてテールランプは大きなブロックで構成されているようですね。
リアアンダーには巨大なディフューザーを持ち、テールパイプは4本出し。
なお、このF9Rで特筆すべきは「キットカー」である、ということ。
キットカーとは、エンジンやシャシーを未組立の状態で販売し、それを消費者が購入して組み立てる、というものですね。
キットカーとして販売するメリットは「価格を安く設定できる」、そして(北米だと)自動車メーカーとしての認可を受けていなくても発売できる、数々の規制の対象から開放されるというもの。※PLリスクからも逃れられそう
参考までに、以前(SCG004などで有名な)スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスがハイパーカーを発売しようと計画したとき、その際はまだ自動車メーカーとしての認証がおりず、やむなくキットカーとして(ハイパーカーを・・・)発売する予定であったと報じられていますね。※現在は認証を受け、完成車メーカーとして堂々と販売ができる
このF9R、そしてほかのクルマも「キット」として発売しているところを見るに、おそらくファクトリー・ファイブ・レーシングは完成車メーカーとしてのライセンスが取得できていないのかもしれません。
ファクトリー・ファイブ・レーシングはほかにこんなクルマも販売している
ファクトリー・ファイブ・レーシングのメイン商材はこのホットロッド。
その価格はなんと19,990ドル(約220万円)という激安な設定です。
さらにはこんなトラックも(34,990ドル)。
そしてこちらはコブラ・デイトナのレプリカ、「Type65クーペ(コブラとは名乗ってない)」。
価格は16,990ドル~という設定です(ちょっと欲しくなる)。
シェルビー・コブラのレプリカキットは12,990ドルから。
シボレーのLS6エンジンを積み、0-100km/h加速3.2秒という驚異の性能を誇るスーパーカー、「GTM」は24,990ドルから購入可能。
軽量コンパクトなサーキットウェポン、818はなんと9,990ドル。
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VIA: Factory Five Racing