| さすがはアメリカ人、こういった「理屈抜きに楽しい」クルマを作らせたらピカイチだ |
機能に関係のないパーツに手間をここまでかけるのは他の国だとあまり見られない
さて、SEMAショーではいくつか非常に興味深いカスタムカーが展示されていますが、ここで紹介する「ENYO(エンヨ)」と名付けられたシボレー製スーパートラックもその一つ。
これは今までにも1960年代のマスタングやカマロをベースにレストモッドを行ったリングブラザースの最新作となり、ベースとなるのは1948年製のシボレー製のトラックです(ただ、元のパーツで残っているのはシャシーナンバーが打刻されたプレートくらいだと思う)。
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エンヨ・スーパートラックに費やされたのは合計1万時間
このエンヨ・スーパートラックにかけられた時間はのべ1万時間だとされ、ベースとなるのはアールマン・エンジニアリングとロードスター・ショップが設計した特注のシャシー。
この上に1948年のスチール製キャブを4インチ狭め、そしてストレッチし、トップチョップして載せている、と紹介されています。
ただし見てのとおりもともとのトラックを連想させる部分はなく、スタイルとしてはホットロッド、そしてアルミ製ビレットパーツやカーボンファイバー製パーツ、LEDが大量に投入された「極めて現代的」なクルマに仕上がっています。
フロントとリアにはカンチレバー式の独立懸架を採用し、オーリンズ製のTTXコイルオーバーとスイフト製のスプリングを装着。
カーボンファイバー製の冷却ダクを備えるブレーキはブレンボ製6ピストンキャリパー。
シボレー・エンヨー・トラックに搭載されるV8エンジンは「1,000馬力」を発生
このエンヨに搭載されるのはグッドウィン・コンペティション・レーシング・エンジンによってカスタムされた510キュービック・インチを持つシボレー製LS V8で、チタン製サイドパイプを備えたワンオフによるエキゾーストマニホールドが装着されています。
E110レース用燃料を使用することで1,000馬力を発揮するといいますが、組み合わせられるのはボウラー・パフォーマンス製4L80オートマチックトランスミッション。
ここまで見ただけでも、ひとつひとつのパーツが「芸術品」と言えるほどの仕様を持っていることがわかりますね。
装着されるホイールはフロント18×11、リアは19×13.5(HRE製)、タイヤだとフロントには315/30ミシュラン・パイロットスポーツ、リアには345/35ブリヂストン・ポテンザが装着されています。
エンヨのボディは、軽量なカーボンファイバー製で、ペイントされている部分とヴィジブルカーボンとに分かれ、フロントグリル脇にはLEDヘッドライトがビルトイン。
リアには膨大な熱量を放出するためのファン、そしてこのほかカスタムメイドによるステンレス製燃料タンク、やはりワンオフによるエアコンシステムを持つ、とのこと。
シボレー・エンヨ・スーパートラックのインテリアはこうなっている
そしてこちらはシボレー・エンヨのインテリア(アップソロフィー・アンリミテッドとテクノロジー・システムズによって製作されている)。
インテリアもエクステリアに負けず劣らずの出来栄えを持っており、ダッシュボードからフロア、そしてどんなに小さなパーツに至るまでもカスタムメイド。
ステアリングホイールはブレットとカーボンファイバー!
スイッチ類もビレット仕様!
ドアもまた完全なるカスタムメイド。
リングブラザーズの共同経営者であるジム・リング氏によれば「私たちは何年も前から、この車がどのような形になるかを想像しながら、静かに計画を進めてきました。その結果、本来なら出会うはずのなかった車両とテクノロジーが融合し、通常は最先端のレーシングカーにしか許されないパワーとパフォーマンスを兼ね備えた、まさにスーパートラックとなったのです。ENYOをようやく世に送り出すことができ、感激しています」。
こういったホットロッドやビレットパーツという文化はまさにアメリカならではといった感じですが、性能だけではなく「目で見て楽しむ」カスタムカーにはちょっと惹かれたりします(ただしとんでもなくコストが高そうだ)。
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