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そんなに苦しいのかアストンマーティン!努力の結晶「ラピードE」の販売を打ち切り、中国・吉利汽車と買収の交渉に入ったと報道

2020/01/12

| それにしてもロータス、ボルボの親会社、吉利汽車(Geely)の財力は底知らず |

最近ちょっと苦しいアストンマーティン。

販売が落ち込み、その割にエレクトリック化やDBX含むニューモデルの開発費用がかさんでいるために利益は前年比半分にまで減少していると言われますが、そのために株価がかなり安い状況に(1年前の1/4くらい)。

そうなると出てくるのが「安くなった株を買い占めてアストンマーティンを買収する」という動きですが、実際に少し前、レーシングポイントのオーナーがアストンマーティン買収を検討中、との報道も。

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そしてアストンマーティンはこれについて否定するわけでもなく「投資家がいれば受け入れる準備もある」というコメントを出していて、買収を否定しなかったのが印象的ですね。

アストンマーティンが「買収」報道に対してコメント。「投資家を強く求めているわけではないが、受け入れないでもない」←いったいどっち?

アストンマーティンは出資者を求めている?

つまりは「お金を出してくれるところがあればありがたい」ということになりますが、そこで今回報じられているのが「アストンマーティンと、中国の吉利汽車とが出資について話をしている」という報道。

これはファイナンシャルタイムズが報じたもので、吉利汽車はアストンマーティンの出資にとどまらず会社の買収にも興味を示しているとし、すでにアストンマーティン、そして既存投資家とも連絡を取っている、と述べています。

なお、吉利汽車は現在ロータス、ボルボ、スマートを傘下に収め、そのほかにはロンドンタクシーも買収済み。

加えて吉利汽車のCEO、李書副氏はなんと「個人で」メルセデス・ベンツ(ダイムラー)の株式9.7%を買い進めて筆頭株主に躍り出た人物として知られます。

まさかのまさか。中国・吉利汽車のオーナー、李書福氏がダイムラー筆頭株主に。一体何者?

つまりは「いくらでもお金がある」ということになりそうですが、今回はアストンマーティンをも手中に収めようとしている、ということになりますね。

アストンマーティンが吉利汽車に買収されるとどうなる?

なお、吉利汽車は買収したボルボ、ロータスともに「無理に中国色に染めよう」とはせずに自主性をある程度残しており、その上で豊富な資金にモノを言わせてボルボだと「ポールスター」ブランドをローンチさせ、ロータスでは「エヴァイヤ」といったハイパーカーを開発中。

現在の状況を見る限り、ボルボ、ロータスともに「そのブランドのヘリテージを理解し、その上で未来に進む」ための運営を行っているように見えますが、ボルボだとXC40、ロータスだと現在開発中だとされる新型SUVについては吉利汽車の保有する「Lynk&Co.」ブランドと共通のプラットフォームを持っています。

ロータスのSUV試作車がはじめて目撃。親会社である吉利汽車の車体を流用してテスト中

これについては賛否両論あるかと思われるものの、「マスメリットを活かして安価にクルマを開発」するという、それぞれのブランド単体だとできないことを行っているということにもなり、ぼくとしては「うまくやっている」という印象も。

ただ、心配なのはそれぞれのブランドについて、そのトップを「吉利汽車がコントロールしやすい」人物に置き換えていっているということで、となるとアストンマーティンも吉利汽車に買収されてしまうと、アンディ・パーマーCEOはじめ現在の経営陣が入れ替わってしまうこと。

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そうなると「ハイパーカー」「ミドシップ」「ラゴンダ」という計画も見直しを強いられる可能性が出てくると思われ、アストンマーティンの将来は「今とは違う」ものになるかもしれません。

さらに、将来的に吉利汽車は、自身のグループすべての生産を中国で行う意向であるとも伝えられており、ロータスも例外ではないということを鑑みるに、もしアストンマーティンが吉利汽車に買収されることになると、生産地が中国に映る可能性も。

2年後にはロータスも中国生産に!親会社の吉利汽車が、中国・武漢に「ロータス含むグループ内高級ブランド」生産拠点を建設中

加えて、映画007シリーズとの関係性もまた見直される可能性があり、必ずしもいい面ばかりではないだろう、とも考えています。

アストンマーティンは「ラピードE」すらも販売終了に

なお、アストンマーティンはピュアエレクトリックモデル「ラピードE」を発売していますが、こちらは売れ行きが「かなり悪く」、限定台数の155台を消化できていない模様。

よってアストンマーティンは、ヴァルキリーやヴァルハラなどの人気ハイパーカーにつき、一部の顧客(一見さん?)に対して「ラピードEを購入すればこれらを優先的に割り当てる」という抱き合わせ販売を行っているほどですが、それでも売れず、よってアストンマーティンはついに「ラピードEプロジェクトを志半ばで終了させる」とも報道されています。

アストンマーティンが「ニュルを一周走るのが限界」なピュアEV、ラピードEを発表!限定155台なるも完売は遠く「受注受付中」

これによって「高級エレクトリックブランド」として生まれ変わるはずであったラゴンダ計画の見直しも必至となるわけですが、ロータス「エヴァイヤ」を開発中という状況を見てもわかるとおり、吉利汽車はエレクトリックにめっぽう強く、資金以外でも「アストンマーティンの救世主」たりうるかもしれませんね。

アストンマーティンがロンドンにて「ラピードE」「ラゴンダ」を展示。両方ともアストンマーティンの未来を示すクルマだが、先行きは不透明

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