| フォードGTの改良・仕様追加のペースはかなり早い |
フォードがそのスーパーカー「フォードGT」の2020年モデルに対し、いくつかのアップデートそして外観上の変更を加えると発表。
フォードGTは当初「年間250台、2年間で500台」にて限定生産の予定ではあったものの、購入希望者が殺到したために生産期間を2年延長して合計「1000台」を生産する計画に。
当初は生産上の問題で遅れがちであったものの、現在は順調に納車が進んでいる、と報じられています。
2020年モデルのフォードGTはこう変わる
そして2020年モデルのフォードGTですが、すでに発表済みのサーキット走行専用モデル”フォードGT Mk2”に採用された装備がいくつかロードバージョンにもフィードバック。
具体的にはエンジンキャリブレーション、ピストン、イグニッション・コイルの変更によってトルクバンドが広がり、出力は13HP向上(エンジンは3.5リッターV6ターボ”エコブースト”のままで、出力は660HPへ)。
さらにはインタークーラーの大型化によって冷却性能が向上し、リアエンドのダクト形状が変更されてエアフローが50%改善しています。
そのほかサスペンションもアップグレードされ、サーキット走行専用”トラック”モード時のハンドリング、ボディコントロールもよりハイレベルに。
加えて、これまでオプションとして1万ドルの追加費用が必要だったアクラポヴィッチ製エキゾーストシステムが標準装備にになった、とのこと(これによって重量はマイナス4kg)。
そのほか、ブルーとオレンジのピンストライプ(ガルフカラー)、オリジナルのフォードGT40(1968-1969)に採用されていたナンバーをイメージした6~9までの数字を車体に表示できる「ヘリテージ」オプションパッケージも利用できるようになったようですね。
「リキッドカーボンエディション」も新たに追加
そして今回シカゴ・オートショーにて発表されたのは「リキッドカーボンエディション」。
これは文字通りボディパネルが「フルカーボン」化されるもの。
なお、オプションにてホイールも「カーボンファイバー」へと変更可能(これは以前から用意されている。さらにはチタンボルトのオプション設定もアリ)。
現時点でボディカラーはこの「クリアカーボン」のみですが、オプションではストライプを入れることも可能で、ドアミラーのカラーも用意された範囲で選択可能、ブレーキキャリパーは5色から選ぶことができ、内装の選択肢も5パターンから。
なお、フォードGTは発売直後から様々なオプションを追加したり、ボディカラーやグラフィックを追加しています。
そこでちょっと疑問なのが「先に注文して納車された人はかなり選択肢が少なくて損なのでは?」ということ。
これはフォードGTに限らずスーパーカーにはよくある傾向で、「まずはミニマムでスタート」し、その後にどんどん選択肢が増えてゆく場合があるようです。
それを考えると「購入(注文)するのは少し待つか、購入権を得たのち、生産を先の方にしてもらうか」といった対応を行ったほうが、より豊富な選択肢から仕様を決めることができるようになるのかもしれません。
ちなみにフォードGTの場合、後に発表された「特別仕様」については、生産枠を増加させるわけではなく、予め決められた1,000台の中から振り分けを行うことになり、かつその特別仕様にふさわしい人物かどうかはフォードがすべて決定する、と報じられています。
そういった「希少性」のためか、フォードGTは近代のスーパーカーとしては極めて高値で取引される傾向にあり(納車後一定期間は転売が制限されているという事情も相まって)、今後もさらにその価値を上げることになりそうですね。