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トヨタ・ヤリスは失敗作?ホンダ・フィットに比較して販売は42%、ヴィッツの”最低”単月販売台数よりも売れていない謎に迫る

投稿日:2020/03/12 更新日:

| こんなハズではなかった |

さて、何かと話題の新型ホンダ・フィットと新型トヨタ・ヤリス。
元来、この二車は初代の時点から直接のライバル関係にあり、印象としてはフィットのほうがやや優勢。
そしてトヨタはヴィッツについて、モデルチェンジごとにフィットを狙ったと思われる機能や装備を採用してきており、一時は「人は美人に生まれるのではなく美人になる」といったコピーも使用。
これについては、深く読んでゆくと「生まれつき美人であるホンダ・フィットに対抗し、磨きをかけて美しくなるヴィッツ」ということを(トヨタが)主張したかったのだとも思われます。

ホンダ・フィットとトヨタ・ヴィッツとは驚くほど販売台数が近い

ここで両者の年表をざっとまとめると下記の通り。
ヴィッツのほうが発売が早く、5年~10年というタームでモデルチェンジを行っていて、フィットはヴィッツの2年後に発売され、6年ごとにモデルチェンジを行っています(新型フィットは、もともと2019年発売予定だった)。

ホンダ・フィットトヨタ・ヴィッツ(ヤリス)
2001年・・・初代フィット登場
2007年・・・2代目フィット発売
2013年・・・3代目フィット発売
2020年・・・4代目フィット発売
1999年・・・初代ヴィッツ登場
2005年・・・2代目ヴィッツ発売
2010年・・・3代目ヴィッツ発売
2020年・・・「ヤリス」に名称変更した4代目発売

そしてここ1年の両者の販売状況を見るとこんな感じ。
青がフィット、赤がヴィッツ(2020年2がつからはヤリス)。
これを見ると両者とも抜きつ抜かれつ、大きく差がつくこと無く攻防を繰り広げていることがわかります(むしろ、よくここまで拮抗するものだと思う)。

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ただ、そのバランスが崩れるのは2019年10月。
本来ここでホンダはフィットを新型に切り替える予定だったのですが、既存車種にて電動パーキングブレーキに関する問題が見つかり、これと同じパーツを使用するフィットも発売延期を余儀なくされることに。

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この「発売延期」はけっこう急だったので、ホンダは先代フィットの生産をすでに終了させていた、もしくはそれに近い状態だったためか、10月から翌2020年2月の新型フィット発売まで「売るためのフィットがない」状態であり、ここでヴィッツに大きく差をつけられているわけですね。※ただし、フィットの販売が縮んだ時期とシンクロしてヴィッツの販売も落ちているのが面白い

そこで2月に満を持して新型フィットの発売(2月13日)、そしてトヨタも予定通り新型ヤリスの発売(2月10日)を迎えるわけですが、この両者が同じ年に、しかも同じ年に発売されるのは「初」。

直接のライバル同氏のガチンコ対決ということでその勝負の行方に注目が集まっていたわけですが、その結果を見ると、2020年2月の販売台数はフィットが8,221台、ヤリスが3,491台。
つまりフィットのほうが「倍以上」の販売台数を記録している、ということになります。
加えてヤリスの方は、単月で見ると、ここ1年ヴィッツが販売してきた月ごとの販売台数のいずれよりも「下」。※これまでもっとも低かったのは2019年12月の4,283台。※トヨタは現在、ヴィッツも併売しているので、ヤリスは「完全なるヴィッツのモデルチェンジ版」と捉えることはできない

どうしてこうなった?

そこで疑問に思うのが、どうしてヤリスはフィットにボロ負けしたのか?ということ。
フィットは発売延期に間の「予約」が溜まりに溜まって2月に爆発したということは理解できるものの、新型ヤリスも事前に受注を集め、大々的にキャンペーンを行ってきたわけですね。

100歩譲ってフィットに負けるのはいいとして、「ヴィッツの販売台数にも届かない」のは非常事態としか捉えようがない、と考えています。

そこでぼくの考える理由としては「トヨタは戦略を誤った」。

トヨタはヤリスを「若い人々に乗って欲しい」と考えたのだと思われ、そのためにトヨタいわく”アクティブで躍動感のあるデザイン”を採用しています。
ボディカラーにも発色の良いものを揃え、かつプロモーションにおいても「若く、スタイリッシュで、活動的な」人々をターゲットにしたと思われるビジュアルを用いています。

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しかしながら、実際にこのクラスのクルマを購入するのは主に「単なる移動手段としてクルマを使用する人」「地方に住んでいて、生活必需品としてクルマを利用する人」「免許返納手前で、大きなクルマに不安を感じるようになった人」なんじゃないかと捉えていて、そういった人々に対してこのプロモーションが”刺さらなかった”んじゃないかということですね。

つまり、メインターゲットの人々にとっては「自分とは違う世界のクルマが登場した」と考え、購買をビタイチ考えなかった可能性が大(こんな派手なクルマには乗れん、と感じたのかも)。
さらに言うならば、ヤリスのデザインそのものも刺激が強すぎ、そもそもヤリスの企画の段階からトヨタは誤っていたのでは、と推測できます。

ただ、世界的に見て、そしてヤリスのメインマーケットである欧州では、トヨタの考えたとおり「若く、スタイリッシュで、活動的な」人々が主要顧客だと考えられるので、欧州において、新型ヤリスはこれまで以上のヒットを記録するのかもしれません(単に日本市場と、新型ヤリスのデザイン、およびプロモーションがマッチしていなかっただけ)。

ホンダ・フィットは「ユルさ」をアピール

それに対し、ホンダは新型フィットについて歴代モデルにないほどのナチュラルなデザインを採用していて(ボディカラー含む)、クルマの印象やプロモーション用ビジュアルはヤリスと対照的。

キャッチコピーは「人がココチいいなら、クルマは嬉しい。」というものであり、プロモーションを見ても「人が中心」。
見た感じでは「等身大」のクルマのようにも見え、ヤリスとは異なって「気負いがない」印象もあって、消費者は新型フィットを自分の乗るクルマとしてイメージしやすかったのかも。

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さらにホンダ・フィットの場合、ヤリスと同じく「若い人」を対象にしながらも、より現実的な使い方にフォーカスしたプロモーションを行っているようで、CMソングからも分かる通り「クルマは道具だけど、どうせ使うなら好きなもの、楽しいもののほうがいい」ということをさりげなくアピール。
現代において、クルマは嗜好品と実用品とに二極分化していますが、フィットは実用品に属するということをホンダ自身が一番理解していて、「それでも選んでもらえる」ようにしたかったという想いが(一連のプロモーションから)伝わってくるようですね。

つまりヤリスは高い提案性を持っていたものの「クルマのアクの強さ」が先行した感があり、フィットは「人ありき」、そしてそこから用途に合わせて様々な仕様を選べるようにしてきたということになると総括でき、ここが大きな”分かれ目”だったのかもしれません。

それでもトヨタは「ヤリスの受注は好調」

ただ、トヨタの発表によると、新型ヤリスの受注は好調。
月販目標台数7,800台に対して37,000台の受注があるといい、そのデザインも評判がいい、とコメントしています。
グレード別だと上位グレードの「Z」「G」がそれぞれ30%を占め、そしてハイブリッドの受注内訳が45%。

現在ヤリスのガソリン車については受注してから納車まで1ヶ月程度、ハイブリッド車は3ヶ月程度を要するといい、かつガソリン車の4WDは4月発売予定なので、「納車が進んでいない」「フルラインアップで戦えていない」という可能性も。

となるとフィットVSヤリスの勝負の行方はあと数ヶ月たたないとわからないということにもなりそうです。

VIA:Toyota, Honda

 

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