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「最初にオレンジを採用したマクラーレン」、1967年のM6Aをイメージしたエルバが公開。なぜ当時マクラーレンはオレンジを採用したのか?

2020/03/26

| 実はマクラーレンのコーポレートカラーは”パパイヤオレンジ” |

マクラーレンが最新ハイパーカー、エルヴァの別カラーリングバージョンを公開。
直近でもマクラーレン創業者であるブルース・マクラーレンがドライブした(当時の)マクラーレンM6Aエルヴァを再現したカラーリングを公開していますが、今回もまたブルース・マクラーレン自らが駆り1967年のカンナム・チャレンジシリーズ(Canadian-American Challenge Series)に出場した際のカラーを再現した仕様となっています。

マクラーレン創始者が最初に作り、自分でドライブしたクルマと同じカラーの”エルヴァ”。マクラーレンの歴史はここから始まった

エルヴァは珍しくルーツを振り返ったクルマ

なお、マクラーレンはもともと1963年に「ブルース・マクラーレン・モーターレーシング」として設立されたのがそのルーツ。
カンナムのほかF1にも参戦し続け、とくに「セナ」「マールボロカラー」は非常に有名ですね。

ただし、現在ロードカーを発売しているマクラーレン・オートモーティブについては、F1参戦で知られるマクラーレンとはまったくの別部門(親会社は同じくマクラーレングループ)。
市販車部門のマクラーレンにつき、そのルーツは1990年に設立された「マクラーレン・カーズ」にあり、こちらは1994年にあの「F1」を発売しています。

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そしてこのマクラーレン・カーズ、現在のマクラーレン・オートモーティブについて、F1グランプリにおける黄金時代(1980年代)や、ル・マンでの勝利に輝いた「F1」を商業的に利用することはあれど、それ以前のレーシングカーや、ブルース・マクラーレンその人を前面に押し出すことは非常に少なく、しかしエルヴァは珍しく「マクラーレンのルーツに焦点を当てた」クルマ。

なぜ今までそうしなかったのか、なぜ今になってそうしたのかは共に謎ですが、「なぜそうしなかったのか」ということについて、ブルース・マクラーレンが存命だったのは1970年までと短く、その間には大きな功績を残せなかったこと、そして多くの人の記憶に(セナのように)残っていないことが理由なのかも。

そして「なぜ今になって過去に焦点を当てたのか」について、これは「フェラーリやアストンマーティンが、過去の栄光を押し出したブランディングと製品展開を行い、それによってブランド価値を向上させている」からだと思われます。

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1967年のM6Aは「はじめて」オレンジを採用したマクラーレン

今回公開されたエルヴァのボディカラーは「アニバーサリーオレンジ」、ボディサイドには「ダヴ・グレー」のストライプ入り。
「4」は当時ブルース・マクラーレンが車体に付けていたナンバーです。

ちなみに「オレンジ」はマクラーレンのカンパニーカラーだと言われますが、そのロゴやウエブサイト、本社などでオレンジが押し出されることはなく、しかし新型車や限定車においては積極的にオレンジが用いられることも(F1マシンでは2017年にオレンジが復活)。

なお、この「オレンジ」を最初に用いたマクラーレンそのものが今回の「ネタ元」となった1967年のM6Aだそうですが、なぜ当時オレンジを用いたのかについては諸説あるようです。

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もっとも”それっぽい”説は、ブルース・マクラーレンの出身地であるニュージーランドを象徴するカラーがオレンジだった(ただしニュージーランドのナショナルカラーはブラック×シルバー)というものや、スポンサー獲得に苦しんだことから「一番安い塗料の中で、一番目立つ色であった」オレンジにペイントしてレースに出場し、スポンサーの注目を集めようとした、というあたり。

実際に1972年にヤードレイ化粧品がスポンサーについた後はあっさりオレンジを捨て去っているので、実際のところは(オレンジそのものに思い入れがあったわけではなく)やはり「スポンサー獲得のために目立つ必要があった」ということなのかもしれません。

参考までに、このオレンジについては、”オリジナル”と言われるパパイヤオレンジのほか、タロッコオレンジ、ヴェンチュラオレンジ、パパイヤスパーク、ヘリオスオレンジ、マクラーレンオレンジ、ボルケーノオレンジ、そして今回のアニバーサリーオレンジのように、様々なバリエーションを生んでいます。

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マクラーレンの企業カラーは実はオレンジ。もうオレンジがレースで復活することはない?

マクラーレン・エルヴァは「フロントスクリーンなしでも快適」

マクラーレン・エルヴァはフロントスクリーンの無い「スピードスター」ではあるものの、マクラーレンいわく、”フロントスクリーンがなくても快適に乗れる”。
これは、フロントフードから(上方に)吹き出す風によって、走行風が乗員を直撃しないようにその向きを変えられているからですが、今回マクラーレンは改めてその機能、「アクティブ・エア・マネージメント・システム(AAMS)」を解説する動画を公開しています。

マクラーレン・エルヴァに試乗したメディアが登場。フロントウインドウレスなので「時速112キロで息ができなくなる・・・」。しかし秘密デバイス”AMMS”をオンにすると?

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