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ブガッティ「シロン・ピュール・スポールがなぜ通常のシロンの2倍以上の価格なのか?その理由はこうだ」

2020/05/31

| たしかに見た目があまり変わらないのに「倍の値段」はおかしいと思ってた |

ブガッティはシロンの限定モデル、「ピュールスポール(ピュアスポーツ)」を発表していますが、現在は発売に向けて開発を進行中。

そして今回、ブガッティがその開発内容や、シロン・ピュール・スポールの詳細についてじきじきにコメントを発しています。

なお、このシロン・ピュール・スポールはブガッティいわく「我社が送り出したハイパーカーにおいて、もっともエクストリームなクルマ」。

限定台数は60台のみ、そして価格は通常のシロンの2倍を超える3億9000万円だと伝えられています。

ブガッティ・シロン・ピュール・スポールはこんなクルマ

シロン・ピュールスポールに積まれるのはシロンと共通の8リッターW16クワッドターボ、出力はシロンと同じ1500馬力。
ただしその最高出力を発生する回転数は”通常の”シロンよりも200回転高くなっています。

そのほかはギアレシオの短縮化を行ったほかフロント・サスペンションについてはスプリングレートを65%、リアだと33%固められ、アダプティブダンパーの設定も「パフォーマンス寄り」に。

前後バンパーやホイールも専用デザインへと変更され、巨大なリアウイングが装着されるなど見た目も(一応)変わっているものの、気になるのは「シロン2台分以上の価値があるのか」。

おそらくブガッティ自身もそう聞かれるであろうことを察しており、よって今回、いかにシロン・ピュール・スポールは通常のシロンと異なるのかを公表したのかも。

ブガッティ・シロン・ピュールスポール
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シロン・ピュール・スポールはここが特別

そしてブガッティによれば、シロン・ピュールスポールは、ベストなハンドリングを実現するため、基本的なところから、かつ複雑な改装を行っている、とのこと。

足回りは「固める」だけではなくキャンバー角が+2.5度付与され、これを実現するためにはサスペンションジョイントを新設計。

このジョイントはなんと17回も試作が繰り返され、当然採用されるのはただひとつ(つまり16セットはボツ)。

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スプリングレートも上述のとおり大幅に固められていますが、これはトラクション、ハンドリング、快適性とのバランスを実際の走行から導き出したものだそうで、やはり多くの試作品(とガソリン)を消費したのだと思われます。

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もちろん、このハードなスプリングを装着するからにはストラットも強化する必要があり、衝撃吸収のため車軸のベアリングも強化されているようですね(フロントで130%、リアで77%)。

これによってステアリング操作に対する応答性や正確性が著しく向上しており、ブガッティいわく「ステアリング操作が最小限で済み、ドライバーはクルマがどこへ向かおうとしているのかを把握できる」。

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ギア比が短縮されているのはすでに述べたとおりですが、これによって0-100km/h加速は2.4秒から2.3秒へ、0-200km/h加速は6.1秒から5.9秒へ、そして6速を選択した際の60km/h-120km/h加速は7.4秒から4.4秒へと大幅に短縮されている模様。

ドライビングモードも設定が変更され、スポーツ+モード時ではこれまでよりも大きな角度でドリフトができるようになり、ブガッティにてドライビングダイナミクスそしてスリップコントロールを担当するクリスチャン・ヴィルマン氏によると「短縮されたギア比と相まって「自由自在に車両をコントロールできるようになった」。

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なお、装着されるタイヤはシロン・ピュールスポール専用のミシュラン・スポーツカップ2Rですが、このタイヤはハンドリング重視のために柔らかく、かつネガキャン設定のために超高速時の安定性が多少犠牲に。

加えて巨大なウイング装着にてダウンフォースを重視しているために最高速が抑えられ、シロン・ピュールスポールのトップスピードは350km/hに制限されている、とのこと。

なお、ブガッティは「最高速とコーナリングとは一台のクルマに同居させることはできず、今後はハンドリングを(最高速よりも)重視する」と発表していますが、シロン・ピュールスポールは、その方向性を明確に表すクルマなのかもしれませんね。

ブガッティは今後最高速争いを行なわず、代わりに追求するのは”コーナリング”。「一台の車の中に最高速とコーナリングとは同居できない」

| すでにブガッティが世界最速であることは誰もが承知済み。今後は別分野で違いをアピールか | https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/498088316 ...

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