| アップルコンピューターは自社での車両製造を考えていた? |
さて、ヒュンダイの思わぬ発言によって明るみに出た「アップルカー(AppleCar / iCar)」ですが、今回はさらなる関連情報が登場。
これは「アップルが2020年に、EVスタートアップのCanoo(カヌー)と提携、もしくは買収しようと考え、交渉を行っていた」というもので、つまりアップルはCanooの買収によって自社でクルマを生産しようと考えていたこともあった、と捉えることができます。
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Canooは今後の注目企業の一つ
なお、日本ではこのCanooの知名度が低いものの、拠点を置く米国(ロサンゼルス)では大きな話題を呼んでいる新興企業(2017年設立)でもあり、2020年8月には株式公開(IPO)も行っています。※特別目的買収会社=SPAC経由でのIPO
Canooは現在、ライフスタイルビークルとしてのミニバンっぽい「Canoo」、商用利用も視野に入れた「MPDV」を発表しており、そのほかにピックアップトラック、コンーパクトカーも発表予定。
ただし現時点ではいずれもデリバリーが開始されておらず、実際には(2021年の予定から遅れて)2022年からの納車開始だと報じられています。
Canoo最大の特徴は「スケートボード型シャシー」
Canooの最大の特徴は「スケートボード型シャシー」と「ステア・バイ・ワイヤ」にあり、アップルが興味を締めていたのもこれらの技術だと言われます。
そしてCanoo自身もこの技術に自身を持っているようで、他者への供給も積極的に行う意向を示しているようですね。
そしてこのスケートボード型シャシーのいいところは「上に乗せるボディによって」全く別のクルマを、短期間で、かつ低コストにて作ることが可能になるということ。
ちなみにヒュンダイ(ヒョンデ/現代)自動車はこの機構に大いなる興味を持っており、実際にCanooとの提携によって電気自動車用プラットフォームを開発する、とも発表しています(2020年2月)。
アップルがなぜCanooの買収を取りやめ、そしてヒュンダイとのパートナーシップ締結に向けて動いたのかは謎ですが、もしかするとリスクを最小化するためにアップルは自社生産を断念し、そのかわりにOEMを選んだ可能性もあって、「当初買収を考えていたCanooがヒュンダイと提携した」ことでCanoo買収から手を引いてヒュンダイへと開発や製造を委託することにしたのかもしれません。
参考までに、このCanooはファラデー・フューチャー出身のステファン・クラウス氏が中心メンバーとなって設立されており、EV関連業界は「人材が色々な会社をぐるぐる回っている」ということになりそうです。
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EV業界はすでに再編の兆し
そしてEV業界については様々な動きがあり、提携や買収が一気に加速化。
つい最近だと、iphoneはじめアップル製品の製造を行うフォックスコンが「他社に供給可能なEVプラットフォーム」を発表していますが、さっそくこれに興味を示したのが(ダイムラーの株式を個人で9.7%所有する李書福氏がCEOを務める)吉利汽車。
吉利汽車(浙江吉利ホールディングス)はボルボやロータスの親会社、そしてスマートを購入したことでも知られま、非常に強力なタッグが出来上がったということに。
なお、中国における検索最大手の「百度」もまた吉利汽車との合弁にてEV製造に乗り出すとしており、おそらく中国におけるEVは吉利汽車を中心に回ることになりそうです。
EVについては、これまでの「自動車」のノウハウがコアではないために新規参入が比較的容易であり、そのためこういったIT大手が続々と名乗りを挙げているわけですが、こういった状況を見るに、EVはまさに「走る家電」なんだな、と再認識させられます。
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