| EV専用として設計されただけあって、メルセデス・ベンツEQSは様々な部分でガソリン車とは異なるようだ |
メルセデス・ベンツが待望の「EQS」を発表。
これは同社のエレクトリックブランド「EQ」のトップレンジを担うモデルであり、同社の持つあらゆる先端技術を詰め込んだフラッグシップモデル。
いわばメルセデス・ベンツの未来を占うともいうべきモデルですね。
そして新型メルセデス・ベンツEQSについて、ゼロベースから「EV専用として」製造されており、よってガソリン車とは根本的に異なるスタイルを持つことが外観上の特徴です。
メルセデス・ベンツEQSは根本からして「ガソリン車とは異なる」
ざっとそのスタイルを見てみると、フロントにエンジンを積まないためにボンネットが極端に短く、いわゆるキャブフォワードスタイルのプロポーションを持っています(フロントタイヤの位置も、ガソリン車ではおそらく成し得ないほど前に出ている)。
ちなみに新型メルセデス・ベンツEQSは「ヴィジョンEQS」の市販モデルではあるものの、正直言うと「(市販化に際し)かなりトーンダウンしたな・・・」という印象も。
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それはさておき、フロントフェンダー横にはなにやら四角いパネルのようなものがあり、これは何なのか?と思っていたのですが、「ウォッシャー液を入れるスペース」なのだそう。
EQSは上述の通り、もとからEVとして設計されていますが、そのため「エンジンルーム」を持たず、よってボンネットの開閉機構がそもそもない、とアナウンスされています。
画像を見ると、たしかにフロントフェンダーとボンネットとの境界線はなく、フロントフードが一枚モノで構成されていることがわかりますが、ユーザーはもちろん、一般的な整備であればメルセデス・ベンツのメカニックですらフロントフードを開けることがないといい、よってウォッシャー液を補充するためのリッドをここに設ける以外に方法を思いつかなかった、とアナウンスされています。
改めてそのデザインを見てみても、やはりその下部フォワードスタイルは新鮮で、弧を描くルーフもなかなかに斬新。
メルセデス・ベンツはフロントのホイールアーチからテールにかけてのラインを「One-Bow」と表現しているようですね。
なお、テールランプ内部の発光エレメントは「螺旋状」。
これはアンテーク電球のコイルを意識したデザインだそうです。
現在販売される電気自動車の中ではもっとも長い航続距離を誇る
それはさておき、EQSはテスラ・モデルSから遅れること9年、メルセデス・ベンツがようやく投入したラグジュアリークラスのEVということになりますが、待った甲斐だけあって航続距離は(WLTP推定で)770kmという、現在発売されているEVの中では「最長」。
これを実現した理由の一つは「Cd値0.20」という、市販車では最も低い空気抵抗係数にあるようですね。
たしかに新型メルセデス・ベンツEQSは流れるようなフォルムを持っており、いかにも空気抵抗が低そうです(メルセデス・ベンツがここ数年採用してきた、エッジや段差を極力減らすというデザイン言語=官能的純粋の集大成と言えそう)。
その一方ではメルセデス・ベンツらさしも残しており、この流れをもって、メルセデス・ベンツはうまくEVへのシフトを完了させるのかも。
このEQSを一見したときこそ「あまり従来モデルとディティールが変わってない」と落胆したものの、現在はまだ過渡期ということで、意図的に”行き過ぎない”ように配慮したのでしょうね。
なお、ホイールをスパッツでカバーしたり、ドアミラーをカメラ化するなどの「特殊な」仕様は見られず、こういった手法を用いずにCd値0.20を達成したことは驚くべき事実なのかもしれません。
メルセデス・ベンツEQSに当初用意されるグレードは2つ
今回の新型メルセデス・ベンツEQS発表にあたって用意されたグレードは2つ(バッテリーサイズは両方とも108.7kWh)。
ひとつはEQS450+で、リアにシングルモーターを搭載し、出力は329PS。
もうひとつはEQS580 4MATICなるグレードで、フロントにモーターが追加されることで4WD化され、トータルでの出力は516PS。
こちらのほうは0-60マイル(96キロ)加速4.1秒という俊足ぶりを発揮します。
充電については、110kWh充電器の使用にて、35分で10%から80%までの充電が可能だとされ、240Vの家庭用コンセントだと満充電までは11時間(日本の家庭だと200V充電器使用ということになりそうだが、そうなると20%ほど充電時間が伸びそう)。
新型メルセデス・ベンツEQSのインテリアはこうなっている
そしてこちらが新型メルセデス・ベンツEQSのインテリア。
すでに先行公開されているので驚きはないものの、それでも56インチ幅のカーブガラス、そしてその中に収められる3つのディスプレイ、”ハイパースクリーン”のインパクトは極大。
メインのメーターは12.3インチ、センターのタッチ式ディスプレイは17.7インチ、そして樹種席にも12.3インチのタッチ式ディスプレイが配置されています。
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これら内装の機能については、おそらく今後公開されるであろう公式動画にて視覚的に内接がなされるものと思われ、それらを待ちたいと思います(価格についても今回は発表されておらず、続報を待つしかない)。
新型メルセデス・ベンツEQSのレビュー動画も公開済み
なお、新型メルセデス・ベンツEQSについては公式のほか、各カーメディアによってレビュー動画が公開済み。
ここでその一部を紹介したいと思います。