| チーム・ペンスキーは「アメリカのモータースポーツ史上、もっとも成功したチーム」と言っていい |
さて、ポルシェは「ル・マン復帰」を公表していますが、今回そのパートナーを「チーム・ペンスキーに決定した」と発表。
欧州のFIA世界耐久選手権に2台、北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に2台を参戦させ、「もちろん総合優勝を目指す」と力強いコメントを出しています。
ル・マン復帰は2023年から
なお、ポルシェがル・マンに復帰するのは2023年に導入されるLMDhカテゴリーにあわせてとなりますが、同年からはカスタマーカーも提供する、とのこと。
シャシーはLMP2クラスをベースとし、車体重量は約1,000kg、システムトータルでは出力670馬力を発生するハイブリッドパワートレーンを搭載する予定です。
そしてポルシェは「レース参戦によって得た知見はカスタマーと共有し、全力でサポートする」とも語っており、これは各チームにとって非常に心強いバックアップ体制だと言え、「世界耐久選手権やIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権で勝つなら、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの車体を入手するしかない」ということになるのかもしれません。
チーム・ペンスキーとはなんぞや
チーム・ペンスキーは1958年に元F1ドライバーのロジャー・ペンスキーが設立したレーシングチームで、CART、インディカー・シリーズ、F1、NASCAR等様々なジャンルに参戦し、、インディアナポリス500では18回の優勝をマークしたほど。
ただしル・マンでの優勝経験は一度もなく、「ル・マンでもっとも多くの勝利を築いた」ポルシェとのタッグはチーム・ペンスキーにとっても悲願であり、これからの躍進のきっかけとなりそうです。
ちなみに「ペンスキー」とは「Penske」と綴りますが、米国においては「ke」は「キー」と発音されるのが一般的で、「信介(Shinsuke)」というぼくの知り合いも、現地では「シンスキー」と呼ばれていたことを思い出します。
ポルシェは北米にモータースポーツの拠点を持つことに
一方、ポルシェは今回の提携によって北米に拠点を獲得することになり、これまでに比較するとデイトナ、セブリング含め現地でのレースに参加しやすい状況が整います。
なお、ポルシェとチーム・ペンスキーとは2006年から2008年にも提携関係にあり、この際にはアメリカン・ル・マン・シリーズに参戦し、3年連続でLMP2クラスの全タイトルを獲得するという快挙を成し遂げています。
ポルシェ会長、オリバー・ブルーメ氏によると、「チーム・ペンスキーとパートナーシップを結ぶことができたことを嬉しく思う。ポルシェのモータースポーツの歴史上初めて、世界の2大耐久シリーズに参戦するグローバルチームを持つことが叶った」とのことで、モータースポーツ史上、これ以上ないほどに強力な関係ができあがったと考えて良さそうですね。
合わせて読みたい、関連投稿
-
フェラーリがル・マン24時間レース「ハイパーカークラス(LMH)」参戦を発表!これでがぜん盛り上がりそうだ
| できればランボルギーニ、フォードにもル・マン24時間レースに参戦して欲しいところだが | さて、フェラーリがル・マン24時間レースのハイパーカークラス(LMH)に参戦すると発表。現時点ではその詳細 ...
続きを見る
-
アウディがル・マン復帰に際し「新型レーシングカー(R18後継)」のイメージスケッチを公開。あわせてダカールラリー初参戦のための車両スケッチも
| ポルシェといいアウディといい、ここへきてなぜか急激に「モータースポーツ参戦」の機会が増加 | さて、すでにアウディはル・マン24時間レースへの復帰を公表していますが、今回はそのル・マン参戦のための ...
続きを見る
-
全然ハイパーカーじゃない!アルピーヌがル・マン24時間レース「ハイパーカークラス」に参戦するA480を公開。結局ハイパーカーの参戦がほとんどないハイパーカークラスになってしまったな・・・。
| ル・マンを走るレーシングカーはほかカテゴリに比べ、ずいぶん特異な形状を持つようだ | さて、アルピーヌがル・マン24時間レースのハイパーカークラスを走るレーシングカー、A480を公開。当初ル・マン ...
続きを見る