| たしかにBMWのル・マン復帰のウワサはデていたが、まさか本当に参戦するとは |
BMWは1999年にル・マン24時間レース、セブリング24時間レースで優勝したことがある
さて、BMWがル・マン24時間レース、そしてデイトナ24時間レースに参戦するとアナウンス。
BMWの「ル・マン復帰」はちょっと前に噂が出たところですが、間を置かずに公式に参戦が発表されたということになりますね。
なお、BMWが参戦を選んだのはLMDh(ル・マン・デイトナ・ハイブリッド)カテゴリーですが、アウディそしてポルシェも同カテゴリーへの参戦を表明済みです。
LMDhカテゴリはスポーツカーメーカーにとっても魅力的
このLMDhカテゴリはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の最高峰クラスで採用されているDPiの発展形規則で、参戦するチームは特定コンストラクターによるLMP2ベースのシャシー(マルチマチック、ダラーラ、リジェ、オレカ)を選択し、そこへボッシュ製の67HPを発生するエレクトリックモーター、そしてウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングが提供するハイブリッドシステム(リアアクスルに取り付け)を搭載する必要があります。
エンジンは自社で開発可能ではあるものの、車輌の開発コストについては制限があり、その他発表されている規定は下記の通り。
LMDhカテゴリーの車輌規定
- ダウンフォース:ドラッグの比率は4対1
- 全長5100ミリ、全幅2000ミリ以下
- ホイールベースは共通で3150ミリ
- フロアは変更不要
- ボディ形状は変更可能
- 車体重量は1,030kg
1台のマシンでル・マンとデイトナに参戦可能
このLMDhカテゴリについては開発コストが(まだ)安価に済むことが自動車メーカーにとっての大きな魅力ですが、ル・マン24時間レースのトップカテゴリであるハイパーカークラス(LMH)との乗り入れが行われており、そのままLMHへと参戦することが可能なのも見逃せないメリットです。
要はひとつのレーシングカーで「IMSAとル・マン」両方を戦うことができるため、「北米と欧州で」その存在感をアピールすることが可能となり、しかしこれまでは「両方のレースに参戦するにはマシンを作り分ける必要」があったために(予算に制限があると)片方のレースしか参戦できず、しかしそれだとプロモーション面において十分な効果を発揮できなかったという現実も。
しかしLMDhカテゴリの登場によって「より低いコストでマシンを開発でき、参戦コストを2大陸で割って考えることができる」ということで、これまで参戦を見送っていた自動車メーカーが相次ぎ参入を表明している、というのがここ最近の現状でもあります。
ただ、他社のシャシーを使用したくないという自動車メーカーも存在し、自社開発のレーシングカーで戦うトヨタ、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウス、プジョー、バイコス・レーシング、フェラーリ等に対し、LMDhカテゴリからはポルシェ、アウディ、そして今回のBMWがぶつかってゆくということになりますね。※ランボルギーニ、キャデラックも参戦を検討中だと言われる
BMWがどういったマシンで戦うのかは不明
なお、今回の発表はBMW M部門のボス、マーカス・フラッシュ氏のインスタグラム上にてなされており、しかし現時点ではパワーユニットや使用するシャシーについては全く不明。
ただしBMWは1999年に「BMW V12 LMR」にてル・マン24時間レースに参戦して(ヤニック・ダルマス、ピエルルイジ・マルティーニ、ヨアヒム・ヴィンケルホック組にて)優勝を獲得したことがあり、さらに同じ年にはアメリカン・ル・マン・シリーズにも参戦してセブリング12時間レースで優勝した経験も持っていて、2023年シーズンを盛り上げるチームがまたひとつ増えたということになりますね。
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