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スバルがAWD車の累計販売2,000万台を記録したと発表!AWDの由来、その戦略、なぜボクがスバルを愛してやまないのかを考えてみた

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スバル・レヴォーグ

| ただしボクはスバル車を購入したことはない |

スバルの経営戦略は世界一だとも考えている

さて、スバルが2021年6月末にAWD車の推計生産が2,000万台を突破した、と発表。

なお、スバルが4輪駆動を「4WD」と呼ばずに「AWD」と呼ぶのは、「4WD」と称するとオフロードイメージがつきまとうからだと以前に報じられています。

今回の発表によると、この記念すべき「2,000万台」は、1972年9月に発売した国産初の乗用タイプ全輪駆動車「スバル レオーネ 4WD エステートバン」にAWDシステムを搭載して以来、49年目での達成とのこと。

AWDというとアウディが有名ですが、2017年の時点でスバルはアウディを抜いて「もっとも売れたAWDメーカー」になったとも報道されており、このまま世界ナンバーワンの道を突き進むことになりそうですね。

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スバルは独自の「シンメトリカルAWD」を採用

加えてスバルは「世界販売台数に占めるAWD車の比率は98%になった」「その全てが水平対向エンジンとの組み合わせによる、SUBARU独自のシンメトリカルAWD」という事実についても言及しています。

このシンメトリカルAWDは「左右対称」が大きな特徴で、しかし「左右対称」を実現するというのは現実的に容易ではなく(ランボルギーニ・ウラカンの場合は左右対称ではなく、プロペラシャフトの関係でエンジンがオフセットされている)、しかしスバルはこれを実現しているわけですね。

加えて水平対向エンジンについても、ポルシェともども(スバルは)これをウリにする数少ないメーカーとなっていて、しかし水平対向エンジンは「低重心」を実現できる反面、整備性などいくつかのデメリットも抱え、それでもスバルはこれの採用によって「他社にはない」メリットを創出しています。

つまりシンメトリーAWDは「スバル独自」の技術ではありますが、それは裏返すと「ほかメーカーでは実現が難しい」。

ただ、「実現が難しい」というのは、技術レベルというよりも様々な制約によるものだと考えるのが妥当で、しかしスバルはそういった制約を「二の次(もしくは犠牲)」とし、シンメトリーAWDを最優先に位置づけ、これを武器にしているのだと考えられます。

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スバルの「AWD」は東北電力の依頼によって誕生していた

なお、スバルのAWDはもともと東北電力の依頼によって誕生しており、きっかけとしては東北電力が地元ディーラーに対して「冬季、山奥に入って送電線のメンテナンスをする際のクルマがほしい」と持ちかけたことに端を発し、地元ディーラーがこれに対応した後、スバル本社がプロジェクトを引き取ったと言われています。

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そしてスバルは(オフローダーではない)乗用車にはじめて4WDシステムを搭載する自動車メーカーとなったわけですが、ここで(実際にはこのちょっと後に)「クロカン四区との差別化」のためにAWDという呼称を用いることとなったわけですね。

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スバルの「シンメトリカルAWD」は苦肉の策?

なお、スバルはその会社の財政や性質上、「新しいエンジンを開発できない」会社であったものの、これを変えたのが1985年に就任した田島社長だったといい、この体制下でスバルの核となる「シンメトリカルAWD」が誕生することに。

そもそもスバルにはメインストリームにて競争できる体力がなく、よって他社と同じことをしても確実に体力を削られるだけだと考え、つまり芸人のいう「キャラがかぶらない」路線で生き残る方法を模索し、その結果が「「シンメトリカルAWD」だったのでしょうね。

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スバルとしては、少ない資金や様々な制約のもと、「最小のコストで最大限の効果」を発揮する必要があり、他社に無い構造(シンメトリカルAWD)の採用、そして他社が参入していないニッチ市場(4WDを求める環境にある人々)に活路を求めたということになりますが、かつて(2016年くらい)スバルの吉永社長は「シェア1%でも獲得できれば十分利益が出て生き残れる」と述べており、これはおそらく田島社長時代から受け継がれたもので、「弱者の戦略」が徹底されているひとつの事例かもしれません。

余談ではありますが、生物が生き残るには「食べ物がある場所を求めて移動する(イナゴの群れや遊牧民)」「農耕をして食べ物を作る(なにもない土地でも生き残る方法を確立する)」「限られた場所のみで生き残れるように進化する(他の生物が食べることができないものを食べて生き残るとか)」の3つしかないと言われていて、その内容をビジネスに置き換えると、「食べ物がある場所を求めて移動する=流行をホイホイ追いかける(中国の新興メーカーなど)」、「農耕をして食べ物を作る=種を撒いてマーケットとユーザーを育てる(アップルがこれに近い)」、「限られた場所のみで生き残れる(大手が手を出さないような市場、たとえばAVやアダルトに特化し、その中で限られた人々を対象にビジネスを行う)」といったイメージ。

もちろんスバルは「限られた場所のみ」で生き残ることを考えたわけですが、結果的には潜在的なAWDの需要を掘り起こすことになり、「農耕」を行うかのように生息域を広げていったとも考えられます。

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さらにスバルはその強みに特化するため、軽自動車、ミニバン、コンパクトカーという「他社にとっての売れ筋」をバッサリ切り捨てており、このあたりの経営判断も相当なもの。

これによってプラットフォームをSGPへと「ほぼ(BRZが異なるので)」集中させ、パワートレーンについてもある程度統一することでコストを最適化しているわけですが、こういったスバルの戦略は世界中の自動車メーカーの中でも特筆に値するもので、「世界で最も優れる経営戦略を持つ会社」のひとつだとも考えています。

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ざっとまとめると、「他社と競合しない、自社だけの強みを考えた」「特定ターゲットのみを対象とし、それらの人々だけに売れればいいという考えを貫いた」「他社と競合するところは容赦なく切り捨てて経営を最適化した」ということに。

そして「特定の人(オタク)」にアピールするための手段が「シンメトリーAWD」、かつての「レガシィの速度記録」「WRC参戦とWRブルー」「ビルシュタイン」「マッキントッシュ」だったりしたわけですが、こういった「一般受けしなくてもいい」という考え方はなかなかできるものではなく、しかしそれを実践しているスバルについては高く評価しています(ただしぼくはスバル車を購入したことはない。それでもスバルについてなら一日中語れるくらいスバルが好きだ)。

スバルのキー

なお、マツダはスバルのビジネスモデルを参照し、スバルのように利益が出る体質を目指しているとも報じられるものの、マツダが目指すのはメインストリームで、さらにはコストの掛かる先端技術に手を出しているあたり、「既存技術に集中して先端技術にはさほど投資を行わず、必要になれば他から買ってくる」方針のスバルとは根本が異なるということがわかると思います。

かつ、マツダが武器にする「プレミアム」は目に見えたり手に取ることができない「感覚的」なもので、これは人によって感じ方が異なります。

一報、スバルが武器にする「シンメトリーAWD」は確固たる形を持っており、(かつては)ラリー競技にて「絶対的な」優位性を示しており、ここも両者の相違だとも考えています(ただ、ぼくはマツダもそれなりに好きだ)。

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参照:SUBARU(1), SUBARU(2)

 

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