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メルセデス・ベンツがEQEのAMG版、EQE43とEQE53を発表!EVなので抵抗となる派手なエアロパーツを付与できないせいか、見た目が(AMGの割に)ちょっと地味

メルセデス・ベンツがEQEのAMG版、EQE43とEQE53を発表!EVなので抵抗となる派手なエアロパーツを付与できないせいか、見た目が(AMGの割に)ちょっと地味

| ついにAMGもエレクトリックモデルを本格展開する段階に |

ただし、まだまだ「電動化時代のAMGのレシピ」が明確ではないようだ

さて、メルセデス・ベンツが予告通りEQEのハイパフォーマンス版、「メルセデスAMG EQE43 4MATIC」「メルセデスAMG EQE 534MATIC+」を発表。

まずベーシックグレードのメルセデスAMG EQE 43 4MATICについて、前後デュアルモーターによる全輪駆動システムを搭載し、最高出力476馬力(350kW)、最大トルク633lb-ft(858Nm)を発生します。

0-62 mph(0-100km/h)加速は4.2秒、最高速度は電子制御によって制限され130 mph(210km/h)に抑えられていますが、90.6kWhのリチウムイオンバッテリーパックを搭載し、WLTPモードでの満充電あたり航続距離は287〜331マイル(約462〜533km)を予定している、とのこと。※公式フォトでは、白い個体がEQE 534MATIC+、赤い個体がEQE 43 4MATIC

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充電に関してだと、標準装備の11kW充電器に加え、オプションにて22kW充電器にアップグレードすることができるといい、最にて大170kWの急速充電機能を備えることで、わずか15分で112マイル(約180km)の航続距離分を充電できると紹介されています。

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メルセデスAMG EQE53 4MATIC+は617馬力

そして上位モデルのメルセデスAMG EQE 53 4MATIC+については、アップグレードされたデュアルモーター全輪駆動システムを搭載して合計出力なんと626馬力(460kW)、トルク701lb-ft(950Nm)を発生。

これによって0-62mph(0-100km/h)タイムは3.5秒に短縮され、最高速度は137mph(220km/h)に向上し、しかしその代償としてWLTPモードでの航続距離は276-322マイル(444-518km)にまで落ち込んでいます(EVで出力を上げることは難しくないが、そのぶん電費が大きく落ち込む)。

なお、AMGダイナミック・プラス・パッケージを選択すると、出力を687馬力(505kW)、トルクを737lb-ft(1,000Nm)にまで高めることが可能で、この場合は時速62マイル(100km)までの加速は3.3秒に短縮され、最高速度は時速149マイル(240km)にまで跳ね上がるといいますが、そのぶん航続距離はまた短縮されることになりそうですね(この場合での航続距離は公表されていない)。

メルセデスAMG EQE43 4MATIC、メルセデスAMG EQE 534MATIC+に搭載されるのはAMG専用の仕様を持つエレクトリックモーターだといい、とくに(インバーター含め)冷却性能が強化されているもよう。

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搭載されるドライブモードは複数あって、SportモードとSport+モードではパフォーマンスを最適化しており、Comfortモードでは出力を15~20%下げることで車の航続距離を最適化。

そのほか最大限の加速を実現するRace Startモード、滑りやすい路面におけるスリッパリーモードでは出力が半分に制限されるようですね(Sportモードでは90%の出力を使用でき、Sport+モードとRace Startモードのみが100%の出力を使用できる)。

なお、EVの常ではありますが、逐次バッテリーマネジメントに関わるプログラムが改善されており、今後同システムのアップデート(当然ながら無線にて行われる)をインストールすることで航続距離が伸びる可能性がある、とのこと。

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加えて両モデルとも、「充電時のバッテリー負荷を軽減し、バッテリーの自然劣化を遅らせる」というエコ充電機能を搭載していて、メルセデスAMGのエンジニアはバッテリー寿命の延長に力を注いだといい、さらには(国や電力契約内容によって)電気料金が下がるオフピーク時に充電できる「充電中断」機能も。

さらにメルセデスAMGは、充電ポイントに到着するまでに急速充電に最適な温度に達するよう、走行中にバッテリーを予熱または冷却することができるとも述べており、バッテリーマネジメントには相当なコストを割いたということになりますね(メルセデス・ベンツは過去に、走行距離を伸ばすのにバッテリーを増やすことは誰にでもできるが、それ以外の方法で走行距離を伸ばし、バッテリー性能を維持するとコメントしている)。

そしてメルセデスAMG EQE43 4MATIC、メルセデスAMG EQE 534MATIC+には3段階のエネルギー回生があり、ステアリングホイールで回生ブレーキの「効き」を調整することも可能となっていて、これにより、ワンペダルドライブやドライブパイロット作動時の減速を最適化することができる、としています。

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AMGだけにパフォーマンスも重視

なお、エコなだけでは「AMG」の意味はなく、メルセデスAMG EQE43 4MATIC、メルセデスAMG EQE 534MATIC+両方にはAMG Ride Control+エアサスペンション(アダプティブ・ダンピング付)が組み込まれ、さらには「AMG専用ホイールキャリア、サスペンションリンク、高剛性アンチロールバー、専用設計のミシュラン・パイロットスポーツEVタイヤ」が装着されています。

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リアアクスル・ステアリングシステムは標準装備となりますが、これは時速60キロ以上にて後輪を最大3.6度(同位相に)動かして安定性とハンドリングを向上させ、低速域では逆位相に後輪を切ることで回頭性や駐車時の取り回しを向上させています。

そのほかAMGならではの装備として「AMG専用の疑似走行音」が挙げられ、"音は常にAMGの特徴であるドライビングエクスペリエンスの重要な要素である "という思想のもと音が「デザイン」されており、専用スピーカー、バスアクチュエーター、サウンドジェネレーターによって「独自のサウンド体験」を得ることができる、とのこと。

なお、メルセデスAMGは米ロックバンド、リンキン・パークとともにそのサウンドを作っていると報じられたことがあり、このサウンドには期待ができそうです。※ダイナミック・プラス・パッケージを装着するとさらに多種多様なサウンドが追加される

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もちろんストッピングパワーにも抜かりはなく、6ピストンフロントキャリパーと16.3インチ(415mm)フロントブレーキディスク、リアにはシングルピストンキャリパーと14.9インチブレーキディスクを装備し、第一級の減速性能そして耐フェード性を発揮する、とされています。

(実際にはそういった例はないと思われますが)サーキットにて走行させたいと考えた際には21インチホイールとのセットにてAMGセラミック・ブレーキ・システムを装着することもできるようです。

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標準モデルに比較すると大幅に性能が引き上げられているAMG版EQEですが、その見た目のアップデートは意外と「地味」で、AMGモデルだと判別できるのはAMGバッジに縦型クロームアクセントが施されたグリル、ハイグロスブラックとクロームの加飾が施された専用デザインのバンパー、そして控えめなリヤスポイラーとエアロ形状を持つ専用ホイールくらい(EVなので、ダウンフォースを大きく増加させるためのエアロパーツを装着すると航続可能距離が短くなる)。

メルセデスAMG EQE43 4MATIC、メルセデスAMG EQE 534MATIC+のインテリアはこうなっている

そして新型メルセデスAMG EQE43 4MATIC、メルセデスAMG EQE 534MATIC+のインテリアもベースモデルのEQEから大きくは変わらず、アルティコ人工皮革、マイクロファイバー、レッドコントラストステッチを採用したAMGスポーツシートが装備される程度。

なお、これらの素材は環境への負荷を最小限に抑えたものではありますが、そこを基にしない場合は「ナッパレザー」を選ぶことも可能です。

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そのほか細かいところだと、フラットボトムステアリングホイール、スポーツペダル、AMGフロアマット、随所に見られるAMGバッジが「専用装備」となり、オプションだとMBUXハイパースクリーンも。

現在のところ価格や発売時期については公表されていないものの、追ってなんらかの発表があるかと思われます。

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