| フェラーリは新社長のもとでエレクトリック化を加速させる |
さらにフェラーリをSUVのラインアップを3モデルに拡大する可能性も
さて、フェラーリはブランド初となるEVの発売を2025年に前倒ししていますが、その製造に際してはどこかへ委託するのではなく、かつイタリア以外に工場を新設するのでもなく、現在の本社付近に追加で土地を購入し、そこへEV用となる「第3の生産ラインを設置する」ことになる、との報道。
すでに工場用地は取得済みで現在整地中であること、この工場と同じ敷地内にバッテリー関連の研究開発施設が作られるということもあわせて報じられ、フェラーリも本格的にエレクトリック化へと舵を切ることになりそうです。
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参考までに、今回の報道にあるとおり、フェラーリは生産ラインを「増設」することになり、ポルシェ、ベントレーやメルセデス・ベンツのように「既存工場をエレクトリックカー製造のために”改装”する」わけではないのは注目すべき点。
つまりフェラーリは既存ラインではしばらくガソリン車を作り続けることになり、それらをいずれはエレクトリック用に改装するにしても、生産ラインをいま増設しておくことにより、将来的かつ総合的な生産能力を引き上げるということを意味するのだと思われます。
フェラーリは6月16日に新しい戦略を公開
フェラーリは6月16日に新しい中期計画を公表する予定を持っており、今回の工場拡張についてはその場で言及されるようですが、もちろんあわせて将来の新型車についてもなんらかの計画が語られることになるはずで、やはりそこで気になるのは今後のエレクトリック化戦略そしてSUVについて。
SUVについてはすでにプロサングエの予告が開始されており、さらにフェラーリはこれに次ぐ2つのSUVを投入するというウワサもあり、プロサングエについては「購入資格を制限し」、しかしほかの2車については資格制限を設けない可能性も。
そうなると今回の「生産ライン拡張」という話も比較的すっきりと理解でき、今後の方向性についてもおおよそ見えてくるようにも思います。
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もちろんこの説明を行うのはフェラーリの新しい社長であるベネデット・ビーニャ氏ということになりますが、同氏はエレクトロニクス業界出身であり、さらに身辺を同業界出身者でまとめ、電動化への準備を整えたばかり。
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フェラーリは電動スーパースポーツについてもパテントを出願
ちなみにフェラーリはすでにエレクトリックスーパーカー(もしくはハイパーカー)向けの特許を出願しており、これを見ると角パイプとモナカ状の構造材を組み合わせて基本骨格を形成し、その下からバッテリーユニットを取り付けるというもので、バッテリーが組み込まれるパレットは車体剛性も担保することになりそうです。
フェラーリによると、このプラットフォームでは前後にモーターを搭載することができるほか、ガソリンエンジンを(リヤミッドに)搭載することもできるといい、今後のフェラーリ(のスポーツモデル)はハイブリッド、ピュアエレクトリックカー共にこのプラットフォームへとシフトする可能性があるのかも。
ただ、エレクトリックモーターやインバーター、バッテリーなどを搭載するという関係上、フレームは車輪側ギリギリまで出されていて、この構造だとサスアームの長さを思うように取ることができないものと思われ、そこをどう解決するのかについては興味があるところです。
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参照:Bloomberg