| 高い戦闘力に加えBMWならではのサポート / アップデート体制からこのM4 GT4を選ぶチームも多そうだ |
価格面でも競争力があり、M4 GT4はGT4クラスを席巻すると予想される
さて、BMWが2023年シーズンに向けて新型M4 GT4(GT4クラス用のレーシングカー)の生産を10月に開始するということ、そして価格が18万7000ユーロであることを発表(日本円で2650万円くらい)。
この発表に際し、BMW M社のCEO、フランシスカス・ヴァン・ミール氏は「お客様からのフィードバックを活かした私たちの経験豊かな開発チームの努力、そして高いポテンシャルを持つ第6世代のBMW M4をベースとしたことにより、新型M4 GT4は、大成功を収めた初代BMW M4 GT4のに比較しても、より速く、信頼性が高く、さらにエモーショナルなモデルとなっています」とコメントしており、新型M4 GT4に対して自信のほどを見せています。
その一部はM4 GT3とも共有
BMWはこのM4 GT4に対してなみなみならぬ注力を行っており、新技術を投入したことに加え、上位モデルであるM4 GT3のコンポーネントを一部導入したといい、さらにカスタマーチームへの配慮として「性能、信頼性、メンテナンス性、コスト効率に重点を置いた」とも。
レーシングカーにおいては「速さ」も重要ではあるものの、各チームにとって「メンテナンス性やコスト」も非常に重要視される要素であることは間違いなく、BMWは「選ばれる」カスタマーカーを目指したということになりそうです。
搭載されるエンジンは3リッター6気筒ツインターボ、出力は550馬力 / 650Nm、トランスミッションはZF製のレース用7速オートマチック(モータースポーツ用ソフトウェアで制御される)。
そのほか強化された冷却系、モータースポーツ用に最適化されたドライブシャフトとDREXLER製リミテッド・スリップ・ディファレンシャルも採用されることに。
外観だと大きなフロントスプリッターにエアロフリック、ボンネットにはエアアウトレット、トランクリッドにはスワンネック形状を持つリアウイング(M3 GT3と共通)、そしてボンネットとトランクフードはクイックリリース化されているようですね。
新型BMW M4 GT4のコクピットはこうなっている
そして新型M4 GT4のコクピットは軽量化のために内装が取り払われ、かわりにロールケージが装着されるなど完全なるレース仕様に(当然のことではありますが)。
ルーフはM4 GT3と同じカーボンファイバー製、シートバックには3Dメッシュが採用され、通気性とクッション性にも配慮されているもよう。
ステアリングホイールは鍛造カーボンファイバー製、そしてMトラック・コックピットには「ラップトップ・レス機能」が備わり、多くの車両設定や機能のチェックを車両から直接行うことができ、ノートパソコンを使用しなくてもよいため、チューニング時間を最小限に抑えることができる、とのこと。
そのほかだと10段階にて調整可能なトラクションコントロール、5段階調整式モータースポーツ用アンチロールバー(フロント / リア)、専用設計となるKW製2ウェイ調整式モータースポーツ・ショックアブソーバー、H&R製スプリング、調整式フロントキャンバー&トー、ダブルフロー式ブレーキエアークーリング、エアコン(これ重要)、さらにフロントガラスのヒーティング(曇りの防止に使用)も標準装備として紹介されています。
現在はF1はじめ各種モータースポーツの人気が高まっていますが、こういったカスタマーレーシングカーの販売も好調だといい、自動車メーカーにとってはけっこう重要な収入源となっているのかもしれません(車両販売に加え、消耗部品の販売による利益も期待できる)。
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参照:BMW