| ベルリンとオースティンの新工場には新しい生産設備を導入 |
これによってロボットは70%減少、生産コストは大きく削減
さて、テスラは先日第2四半期の決算内容を公開し、「売上高と利益は前年比で増加」「しかし販売台数は第1四半期ベースで減少し、四半期ごとの連続成長記録が途絶えた」ことについて言及していますが、その場においてはいくつか興味深い発言が見られたといい、そのひとつは「生産効率の改善」。
テスラは以前から生産効率について他のどの自動車メーカーよりも注力しており、それは「受注した台数を確実に生産し、消費者に届ける」ことを第一義としているためです。
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テスラはなんだかんだで色々と考えている
実際のところ、テスラ社CEOであるイーロン・マスク氏によれば、「生産効率を高め、生産を最大化するためにできることはすべて行っている」。
テスラは現在4車種(モデルS、モデルX、モデルY、モデル3)しか持たず、ボディカラーや内装色、ホイールといった物理的なオプションも「最小限」です。
さらにいえば、その他の機能オプションについてもあらかじめ対応するハードやソフトを内蔵しておき、ユーザーがその機能を「有効にするための」お金を払えば機能をアクティベートするといった手法を採用していて、こういったところを見ても「効率重視」であることがわかります。
加えて生産工程においても(ギガファクトリー内の)ロボット化比率が非常に高いとされ、直近でも超大型プレス機である「ギガプレス」を導入したことが報じられています。
テスラは今後大型鋳物の生産が可能に
そして今回テスラはベルリンとオースチンの新工場に実施されている新たな製造技術について言及しており、それは「超大型の鋳造物の製造が可能になった」こと。
テスラによれば、これによってボディ溶接ロボットを70%削減できたといい、つまり今までは「小さいパーツを溶接して組みた立てていた」ボディ構造を、「一体型の鋳造物で整形できるようになった」ということなのだと思われます。
これによって車体はより軽く、よりコストが下がり、NVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)も小さく抑えることが可能となり、イーロン・マスクCEOいわく「あらゆるレベルで改善した」。
このほかにもテスラはたゆまぬ改良を続けており、バッテリーについても新型の「4680」が導入されつつあるところですが、こういった例を見ても、同じモデルであっても初期の車両と(もしかすると1年前の個体と比較しても)現在の車両とでは全く別のクルマといっていいほど進化を遂げているのかも。
多くの自動車メーカーでは「年度ごと」「フェイスリフト(マイナーチェンジ)」といった形で改良が行われてゆくものの、テスラの場合は「年度や期限の縛りはなく」頻繁に改良されるということになり、今後もこの傾向が続くことになりそうですね(よって、フェイスリフトはもちろん、フルモデルチェンジという概念はテスラにないのかも)。
サイバートラックの製造工程も大きく改善
加えてテスラはサイバートラックについても大きな製造上の改善があるといい、これについては「まだ話すことはできない」としながらも、既存製品含めて「全く新しいレベルのシンプルさと製造の改善がある」とのこと。
なお、サイバートラックの製造コストは同レベルのほか自動車メーカーの電動ピックアップトラックに比較して「数分の一」に収まると(当初から)言われていて、この納車が始まればテスラの利益が飛躍的に伸びるだろうとも考えています。
さらにイーロン・マスクCEOは「サイバートラックは「史上最高の製品になる」とも述べており、2023年に始まるという納車にはとにかく期待したいところですね。
ちなみに今回「新製品」についてもサイバートラック同様に生産コストの引き下げが行われると言及されていますが、こちらについては以前話題に上った「2万5000ドルの」エントリーEVを指しているのかもしれません。
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参照:InsideEVs