| こうやって見ると、スピンドルグリルは時代にあわせて微妙に変化している |
そして新しいデザインになるにつれ、その存在感が希薄になっているようだ
さて、レクサスが「スピンドルグリルを採用して10年が経過した」とコメント。
ここでいうスピンドルとは「糸巻き」のことを指しているものと思われ、紡績業にルーツを持つトヨタの歴史を表現していると言われていますが、レクサスのデザイン部主幹によると、「糸巻きとは関係がない」。
じゃあ何なのといえば「効率よくエアを取り込むため」だそうで、2012年に登場したレクサスGSにてはじめて採用され、このときに「スピンドルグリル」なる名称が用いられています。
ここに至るまでは試行錯誤があったようだ
そしてレクサスによると、スピンドルグリルの成り立ちは2007年のレクサスIS Fを抜きに語ることはできず、423馬力を発生するパワフルなエンジンを冷却するためにフロントバンパーのロワー(下側)グリルの下辺を左右に広げて「台形」としたことが発端なのだそう(それまでは逆台形だった)。
なお、この時点でもフロントのアッパーグリルとロワーグリルとを繋ぐべくフロントバンパーにプレスラインが入っていることがわかりますが、この時からすでに上下グリルを連続させるという庵があったことがわかります。
さらにこの後のレクサスCTでは一層この傾向が強くなり、ついには上のレクサスGS(2012)にてはじめてスピンドルグリルが名実ともに登場することになるわけですね。
そして2015年のフェイスリフトにおいてはレクサスGSのスピンドルグリルが完全にドッキング。
さらに2017年のレクサスLSではグリル内が単調なメッシュではなくスピンドルグリルに沿った3次元的なメッシュへと切り替わっており、さらにはグリル周辺の形状もバンパーやヘッドライトと統合した”立体的な”デザインへ。
スピンドルグリルは車種に合わせた変化を遂げる
その後さらにスピンドルグリルは変化を続けており、レクサスLCだとこう。
レクサスUXではSUVということを考慮してかメッシュの存在感がやや強く。
そしてグリル含むフロント中央が外側に向けて「膨らんだ」ようなデザインへと変更されていますね。
NXでは「フレームレス」へと近づきます(同時に上の逆台形部分が小さくなっている)。
ISではさらに上が小さく。
LXでは完全にフレームレスとなり、新しくルーバーを用いたデザインが採用。
なお、LXではこのルーバーがボディパネル形状に沿った曲線を持っており、ボディと一体化しつつあることがわかります。
スピンドルグリルからスピンドルボディへ
そしてレクサスは2020年頃から「スピンドルグリル」ではなく「スピンドルボディ」という考え方を導入しますが、これはおそらく「電動化」によってグリルが不要となる時代を見据えた行動だと思われ、そういった時代でも表現できる「スピンドル」を考えたのかもしれません。
たとえばレクサスLF30エレクトリファイドだとこんな感じ。
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こちらはレクサス・エレクトリファイドSUV。
完全に「グリル」としてのスピンドルが消滅し、しかし立体的な糸巻きが再現されているように思います。
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レクサス・エレクトリファイド・スポーツだとこう。
こちらはまた異なる解釈のスピンドルということになりそうですね。
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スピンドルグリル番外編
そしてこちらはスピンドルグリルの番外編。
レクサスは映画にも協賛することが多く、これはメン・イン・ブラック:インターナショナル(2019)」に登場したエージェント専用の「QZ618 ギャラクティック・エンフォーサー」。
レクサスRCが変形するという設定ですが、しっかりスピンドルグリルが主張していますね。
こちらはヴァレリアン 千の惑星の救世主(2017)に登場のレクサス・スカイジェットSJ1800。
なかなかにヤバいルックスを持っていると思います。
そしてレクサスのショールームではデスク、カーペットの柄、壁の模様など様々なものが「スピンドルグリル」。
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