| どうやら理論上ではなく、本当に実現できるようだ |
むしろエレクトリックハイパフォーマンスカーは「速くなりすぎない」ようにバランスを整えることが重要に
さて、少し前から「ゼロヨンはEV出ないと勝てない」というのが常識となっていますが、それはテスラ・モデルSやモデルXが作り出した新常識でもあり、実際のところ多くのガソリン車がこれに勝てない状態です。
現時点でガソリン車最速の0-100km/h加速を誇るのは(市販車で)ブガッティ・シロンの2.5秒かと思いますが(ダッジ・チャレンジャー・デーモンは2.1秒で走るが、公道走行可能といえど極端に使用環境が制限されたドラッグレース用タイヤを使用する)、テスラ・モデルSプレッドだとこれをアッサリと超える「2.1秒」。
さらにテスラ・ロードスター(新)は0-100km/h加速1.9秒を標榜し、納車が開始されたリマック・ネヴェーラだとなんと「1.85秒」というタイムです。
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リマックは「1秒以下」の加速も実現できると断言
ただ、今回リマックのエンジニア、マッチャ・レニック氏によれば「1.85秒でも、まだまだEVの加速において限界に達しているわけではありません」。
そこでカーメディアが「1秒以下での加速が可能かどうかをこのエンジニアに訪ねたところ、「ええ、可能ですよ。1秒以下も可能です。1秒は論理的にセシウム133原子の基底状態の2つの超微細準位間の遷移に対応する放射線の9,192,631,770周期の持続時間ですが、1秒以下で時速100キロに到達することが可能です」。
リマックのエンジニアが言うのであれば間違いないと思われますが、先般ベントレーも「0-100km/h加速を1.5秒にも(簡単に)できるが、そんな加速を実現しても気分が悪くなるだけなので、もう少し”ゆっくり”加速するように調整する」と語ったばかりですね。
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ただしクルマはバランスが重要
そしてこのリマックのエンジニアについても、ベントレーのコメントを保証するかのように「加速だけならいくらでも速くすることはできますが、我々のクルマは加速だけを考えて作られたものではありません。ドラッグレース専用ならいざしらず、我々のクルマは公道を走るクルマです。一芸のみに秀でたクルマではなく、ユーザーに視点に立って作られ、とても使いやすくフレンドリーなクルマでもあるのです。エンジニアリングの観点からすると非常に複雑ではありますが、未来の自動車が”何ができるか”を示すものでもあるのです」と語っており、これを裏返せば、「単に加速だけを追求するならば、簡単に0-100km/h加速1秒以下を実現できる」という自身の現れなのかもしれません。
ちなみにですが、加速とは別に「最高速」がスーパーカーやハイパーカーのひとつの指標として語られることも多く、しかしこれについても「時速300キロ出せる」ということと、「時速300キロで走り続けることができる」というのは全く意味が異なるもので、300キロでドライバーがそのクルマをコントロール下において走ることができるクルマづくりもまた「非常に複雑」であることは間違いなく、ハイパフォーマンスカーとひとくちに言えど、「パフォーマンスだけ」を考えて作ったクルマではない、ということなのでしょうね。
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参照:The Drive