| スバルのデザインはチョコチョコなにかに似ている部分もあるが、全体的にはオリジナリティを感じさせ、排他性を持っていると思う |
だからこそスバルは実用品の範囲を超え、多くの人に愛されるのだと考えられる
さて、先日から予告されていたスバルの新型車「クロストレック」が発表に。
これまで日本国内では「XV」、北米地域はじめ海外では「クロストレック(CROSSTREK)」の名称にて販売されていたところを、全世界共通にて「クロストレック」へと統一しています。
この手法はトヨタやマツダに続くものですが、新型クロストレックではその「ツリ目」ヘッドライトがなんとなくマツダっぽいとぼくの中で話題に。
ちなみにこちらはマツダCX-30。
「似ている」とまでは断言できませんが、先代XVよりはマツダに近くなったのは間違いないと思います。
なお、現在マツダもスバルも「トヨタと関係性が強く」なっていて、それがこの類似性に結びついたのかはちょっとナゾ(似せる理由も必要性もないので、実際は偶然の一致であり無関係だとは思う)。
スバルは「大きなパーツ」がデザイン的特徴だったが
スペック的なものについては他サイトで仔細に解説されているのでここで述べても意味はなく、よってぼくは単純に新型クロストレックについて感じたことを徒然なるままに記載してみたいと思います。
ぼくとしては、スバルのデザイン的特徴としては「大きなパーツ」にあると認識していて、電動化時代を迎える自動車業界において、とくに中国を筆頭に「ヘッドライトやテールランプを小型化してゆく(隠す)」という大きな流行があるものの、スバルとしては「大きく立体的なランプ類を採用し、目立たせる」という方向性を採用(その意味でもヘッドライトが小さくなったのは意外)。
こういったスバルのデザイン言語(ランプ類だけではないけれど)は「DYNAMIC x SOLID」と表現されており、そのデザイン言語は現在「BOLDER」へと進化しています。
つまり、より大胆になってゆくということですが、大きくその要素を分けると「ダイナミックな躍動感を表現する、軸の通ったデザイン」「ヘキサゴングリルからはじまる、強い塊感のあるデザイン」「愉しさを大胆に表現する、特徴的なフェンダーデザイン」の3つ。
ちなみにこの「BOLDER」を最初に表現したクルマが2019年のジュネーブ・モーターショーにて公開された「スバル・ヴィジヴ・アドレナリン・コンセプト(SUBARU VIZIV ADRENALIE CONCEPT)」なのですが、今見るとたしかに新型クロストレックを予告しているようにも見えますね。※はじめてBOLDERデザインを採用したのは現行レヴォーグ
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スバルは「日常性」と「非日常性」とをデザインで表現
なお、スバルは「ADW」「積載性」、そして比較的求めやすい価格など高い日常性を持っており、それが大きく評価されていることはご存知のとおりですが、それだけだと「単なる日常の足で、移動するだけの面白くない乗り物」になってしまうので、スバルのデザイナーとしては「非日常」を考えてデザインしている、といいます。
そしてこの「非日常」はスバルにとって大きな価値観であり、この価値観を大胆に表現したのが「BOLDER」ということに。
それは見ただけで機能、ポテンシャルを感じさせ、このクルマでどこかに行きたくなるという期待感、そして人々の挑戦を支えるデザインだとされ、たしかに新型クロストレックでは「まだ見ぬその先へ」行きたくなるような躍動感を持つようにも感じられます。
そして非日常の方向性も「SPORT」「JOURNEY」「FIELD」の3つに分けられ、SPORTSだと前傾姿勢と絞り込まれたキャビン後方による躍動感(スバルのクルマは、ベルトラインが後ろに向かって上がって行き、ルーフもやや傾斜しているので、キャビンがコンパクトに見え、”バン”っぽい印象にならない)。
JOURNEYだと安定感を表しており、これはベルトラインとは対象的に、「水平(前後で高さが揃う)」を維持する前後フェンダーに現れているようですね。
FIELDとというところだと、たくましさや堅牢さを感じさせるデザインを指していて、これは「ブロックのように無骨な」アンダー周りのパーツを指しているのだと思われます。
新型SUBARU クロストレックのこんなところがイケている
そして今回、ぼくが新型クロストレックにて注目したいところを挙げてみると、まずはフロントグリル。
これまでの「ヘキサゴン」を採用するものの、フレームが無くなっており、これはアストンマーティンが以前から採用し、最近だとレクサスがRXにて取り入れたスタイル。
これによって機能が何かかわるわけではなく、実質的には洗車が面倒になるだけなのですが、高級感が増し、精密さ、そして芸術性を感じさせ、「ハンドビルト感」が出るため、そのクルマの格がぐっと上がるように思います。※下は新型レクサスRX
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そして次は「山」を意識させるグラフィックがあちこちにあること。
これも非日常性を意識させるひとつなのだと思われそして、アメリカ市場では非常に好まれるデザインのひとつで、(その手法は異なれど)ジープやフォード、フォルクスワーゲンも一部モデルにて取り入れています。
そして(レガシィ・アウトバックでも同じですが)ルーフレール形状にもこだわっていること。
ルーフレールというと日常的な装備の代名詞ですが、そこにデザイン的要素を持ち込み、ここでも非日常性を表現しているかのようですね。
とにかくスバルのデザインというのは見どころが満載で、ぼくはスバルのデザインを非常に高く評価しています(ただし、今までにスバル車を購入したことはない)。
新型スバル・クロストレックのインテリアはこうなっている
そしてこちらは新型スバル・クロストレックのインテリア。
エクステリアに比べるとやや「地味」で、日常性に寄せているという気がしないでもなく、スバルが好んで用いる「アクセントカラー」が使用されていないのはちょっと意外(外装にもアクセントカラーが使用されていない)。
ただ、今後のグレード展開やパッケージによってなんらかの変化が付けられてゆくのかもしれません。
ちなみにシート表皮にはランボルギーニの「Yアロー」もしくはメルセデス・ベンツの「スリーポインテッドスター」のようなマークがエンボス加工されています。
参考までに、こちらはランボルギーニ(ウラカン・ペルフォルマンテ)。
最近のメルセデス・ベンツはこの「スリーポインテッドスター」の中だけを用いたグラフィックを多用する傾向にあるようですね。
新型SUBARU CROSSTREKのワールドプレミアの様子はこちら
参照:SUBARU