| 2022年は様々な事情が重なり、テスラにとってかなりタフな1年だった |
そしてこの状況はまだまだ解消しそうにない
さて、テスラの株価は上場以来最大の下げ幅(70%)を記録し、最悪の状態で2022年を終えることに。
今年はテスラにとって様々な悪条件が重なり、もっとも大きかったものは中国・上海工場のロックダウンとそれによる生産停止、そしてツイッター買収による様々な混乱の2つかと思います。
数字的なものだと直近1カ月で41%、直近3カ月で60%、直近6カ月で55%、今年に入ってからは上述の通り70%下落していますが、今年だけで7000億ドル以上の評価額を失ったことになりますね。
ただしその価値を失ったのはテスラだけではない
ただし株価が下がったメーカーはテスラのみではなく、中国での様々な製品や部品の(コロナウイルスに関連した)生産停止、ロシアのウクライナ侵攻による物資の供給停滞と先行き不透明感が各企業の業績を大きく圧迫しており、S&P500全体では19%下落し、フォードの株価は46%、ゼネラルモーターズ(GM)の株価は43%下落しています。※そのため、多くの企業が脱中国生産を検討している
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なお、テスラ株の下落によってイーロン・マスクCEOの純資産は今年だけで1410億ドル減少し、「人類で最も裕福な人物」の座から転落することとなっていますが、やはりイーロン・マスクCEOだけではなく、ほかの多くの経営者の資産が減少したのも広く報じられているところです。
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まだまだテスラにとっては苦難が続く?
なお、テスラの株価下落の理由についてもうひとつ指摘されているのが「米国と中国の需要減少」。
これはかねてより指摘されるとおり、中国と米国での「受注残」が減少していることから、当該地域での注文が減っているのではないかと言われていて、ただしこちらについては受注と生産とのバランスについてまだ公表されていないためになんとも判断できない状況です。
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なお、テスラは上海工場での生産を(先週)1週間停止しており、こちらは「生産調整」のためだと言われるので、やはり需要が減少していることには間違いが無いのかも(これによって株価は11%下落)。※EV自体の需要が減ったわけではなく、ライバルが増加したことで相対的に需要が減ったのだと考えられ、これについてテスラは様々な対策を行なっている
さらには旧正月の間(1月20日から1月31日)に再び上海工場の生産が停止することになり、さらには現在中国でコロナウイルスが大きく拡大する兆しも見えており、まだまだしばらくはテスラにとって苦しい状況が続くことになりそうです。
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