| フランスのコンセプトカーは常識的なクルマとはかけはなれたデザインを持つものが多い |
家具や建築物とのコラボなど、異業種にインスパイアされたものも
さて、プジョーがラスベガスにて開催中の家電見本市、CESにて新しいコンセプトカー「インセプション(Inception)」を発表。
なお、近年はモーターショーではなくファッションイベントやテクノロジー関係のショーにてコンセプトカーや新型車を発表する例が増えていますが、つまりは「クルマがファッションアイテムやエレクトロニクス製品化している」ということなのだと思われます。
ちなみにプジョーは昨年春にエンブレムを変更し、その際に「上級マーケットへと移行する」と発表していますが、このインセプションはその後に登場するはじめてのコンセプトカーであり、新しい時代を示唆する様々なデザインや技術が盛り込まれています。
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プジョー・インセプション・コンセプトはこんなクルマ
そこでこのプジョー・インセプション・コンセプトを見てみると、プジョーの親会社であるステランティスが持つSTLAラージプラットフォームを採用するEVであり、全長約5メートル、全高1.34メートルという「長く低い」スタイルを持っています。
もちろんパワートレーンはピュアエレクトリックとなり、1回の満充電あたり走行可能距離は800kmを誇り、誘導充電システムにより、わずか5分で航続距離を150km延長することができるようですね。
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インセプション・コンセプトはデュアルモーターを搭載して4輪を駆動し、出力は680馬力、そして0-100km/h加速は3秒だとされ、かなり速いクルマということになりますが、その外観は非常に印象的で、とくにフロントフェンダーに内蔵されたミラーあたりはかなり斬新です。
さらに大きな特徴となっているのはキャビンを覆うガラスで、これは総面積7.25平方メートルもあるといい、これはNASAの宇宙飛行士のヘルメット・バイザー用に開発された金属酸化物処理を施したナリマ・ガラスだと紹介されており、室内の快適さを保つことに貢献するのだと思われます。
そしてフロントグリルは「全閉」となり新しいプジョーのエンブレムがガラスパネルに装着され・・・。
ヘッドライトとデイライトランニングランプはおなじみの「ライオンの爪痕」。
テールランプも同様の意匠を持っていますが、追突されたりするとかなり修理費用が嵩みそうな構造なんじゃないかと思います。
プジョー・インセプション・コンセプトのインテリアは先進的だった
こちらはプジョー・インセプション・コンセプトのインテリアですが、ほかのフランス車にも共通する「家具的な」内装を持っており、ステアリングホイールやメーターはほかのいかなるクルマとも異なるもの。
ちなみにステアリングホイールは「バイワイヤ」方式を採用しており、これを含むダッシュボード周りは「ハイパースクエアコントロールシステム」と呼ばれています。
なお、プジョーはこれを次世代i-Cockpitだと紹介しているので、このままではないにせよ、これに近いものが将来の(プジョーの)市販車に採用されることになるのかもしれません。
なお、インセプション・コンセプトはレベル4の自律走行機能(STLA Drive)を備えており、自立走行モード時にはステアリングホイールなどを格納し、ダッシュボードをコンパクトに纏めることで”快適性を重視した空間”へと変化させる、と紹介されています。
このインセプション・コンセプトに搭載される技術は見たところかなり突飛なものではありますが、プジョーは2025年までに、このコンセプトカーに採用される殆どの技術を市販車に転用するというので、その実現を楽しみに待ちたいところでもありますね。
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