| 新CEOは凄まじい勢いにて改革を行っており、計画が状況に応じて変わってゆくのは致し方ない |
新型エレクトリックスポーツは6Cと呼ばれており、これが今まで報じられた新型ミドシップに替わるのかどうかもナゾのまま
さて、数ある自動車メーカーの中でも戦略がコロコロ変わるのがミニとマセラティとアルファロメオ。
これらは市場や親会社の意向、社会情勢などによってそのストラテジー変更を余儀なくされているのですが、今回は「アルファロメオがまた方向性を変更した」という話です。
ちなみにアルファロメオは2018年頃には「新型GTV、そして新型8Cを2020年に発売」と主張していたものの、2020年にはその計画がキャンセルされ、新車計画が大きく縮小されたという経緯も持っているわけですね。
昨年4月の方向性がすでに翻る
そこで今回の「路線変更」についてですが、アルファロメオは”スーパースポーツを発売する”という計画を持っており、昨年4月には16台のガソリンエンジン搭載新型車、さらに16台のEVを発売するという計画を示しており、しかし今回は「ガソリン車16台という計画も大幅に縮小される」という報道がなされています。
この路線変更は、アルファロメオCEO、ジャン=フィリップ・インパラート氏が「今後のハイパフォーマンスカーのあり方を考えると、旧来の概念が役に立たなくなる」と述べ、高性能ガソリン車として発売する予定だったモデルを高性能EVへとシフトさせ、350~800馬力を発生させるエレクトリックパワートレーンを搭載し、かつパフォーマンスブランドであるクアドリフォリオバージョンについては1,000馬力を発生させるというコメントを行ったことから明らかになったもの。
ちなみにこの新型スポーツカーは「昨年11月に情報公開がなされる」という(ジャン=フィリップ・インパラート氏の)話だったものの、実際に11月にはなにもなく、それはつまり「方向性の変更を行おうとしていたから」なのかもしれません。
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この新型スポーツカーのクアドリフォリオ版は「6C」を名乗ると言われており(通常版の名称は不明)、ジャン=フィリップ・インパラートCEOはこれらのクルマについて「(アルファロメオの親会社である)ステランティスが持つ共有エレクトリックプラットフォーム、マセラティのEVプラットフォームとの共通性はない」とコメントしています。
現在のアルファロメオに独自開発プラットフォームが許される?
ジャン=フィリップ・インパラートCEOの言葉を信じるならば、新型6C、そしてそのアルファロメオブランド版は独自のプラットフォームを持つということになり、ステランティスがいかに「ブランド再生のため、10年間の猶予と資金を与える」という方針を持っているといえど、販売台数が20年前に比較して1/18になってしまったアルファロメオにプラットフォームの新規開発を許すとは思えず、実際にアルファロメオの新型SUV「トナーレ」は同じグループ内のダッジ「ホーネット」と車体を共有しています。
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さらにアルファロメオは、この6Cを2023年に発表するとコメントしており、そうなると(つい最近、方向性をスイッチしたばかりなので)とてもプラットフォームを開発する時間が足りているとは思えず、もろもろ考え合わせると、やはりマセラティ・グラントゥーリズモの電動版「フォルゴーレ」と多くを共有すると考えるのが自然です。
ちなみに新型マセラティ・グラントゥーリズモ・フォルゴーレは800Vアーキテクチャを持ち、760馬力を発生させることが可能なので、これを核に「廉価版」「ハイパフォーマンス版」を展開することになるのかもしれません。
ただ、そうなると、以前に噂された「ミドシップスーパーカー」はどうなるんだという話になりますが(以前は6C、そして廉価版を投入するという話はなかったので)、これについては別のライン上にて生息し、ピュアエレクトリックスポーツとしてマセラティ20C「フォルゴーレ」の兄弟車となる可能性もありそうです。※ガソリンエンジンを捨てたことで、ミドシップという概念自体がなくなるため、前に計画されていたミドシップスーパーカーは、今回話の出てきた6Cに統合されるという考え方もできる
参考までに、アルファロメオはこれまで「フラッグシップを発表し、そこから通常モデルを発表(もしくは改良)する」という戦略を採用することが多く、2007年にはまず8Cを発売した後に159、Mito、ジュリエッタの改良を行い、2013年には4Cを発表したのちにジュリアとステルヴィオを発売しています。
しかしもちろん、これは前CEO時代の話であり、現在のジャン=フィリップ・インパラートCEOはまた別の戦略や考え方を持っているはずなので、その方向性が明確になるのを待ちたいところですね。
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参照:CARBUZZ