| 米国では「テスラに対して訴訟を起こせば、お金で解決してくれる」という向きもあるようだ |
おそらくはこの訴訟も両者の話し合いにて解決されることになりそうだ
さて、なにかと訴訟の多いテスラですが、今回は大型訴訟2件が発生したと報じられています。
これらはいずれも独占禁止法違反関連だとされ、敗訴すれば数億円という負担がテスラに発生するのではと見られていますが、テスラは強力な弁護団を抱えており、「敗訴しない」ことで知られるほか、訴訟にて争うよりも「お金で解決」することも多いと言われるので、今回も無理に争わず、関係者間にて「落とし所」を探ることになるのかもしれません。
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今回のテスラに関する訴訟はこんな内容
そこで今回の訴訟の内容を見てみると、まず1件は「修理にかかる時間が長すぎる」というもの。
ただ「待ち時間が長い」だけであれば単なるクレームで終わりそうではあるものの、今回の訴訟の内容によれば、テスラが(結果として)意図的にこの状況を作り出していると主張しており、「テスラが自社の正規ネットワークにて修理を行わせようと様々な手段を講じているため、結果としてテスラオーナーが修理を受ける機会を制限され、サービスを受けるまでの待ち時間が長くなり、結果として不利益を被っている」。
テスラがどうやって「正規ネットワーク以外、つまりは一般的な修理工場で修理させない」ようにしているのかまでは報じられておらず、しかしこういった事例は他社でも見られ、たとえば「専用工具がなければパーツを外せない」ようにし、自社の正規ディーラーでしか修理できない構造を採用するといった例が一般的です(そういった専用工具は正規ディーラー以外に出回らないようにし、ディーラー以外の修理設備では手出しができないようにする)。
実際に、今回の訴訟では「テスラの車の設計、保証と修理方針の設定方法において」現在のような行動はやめるべきだという文言があるそうなので、物理的にテスラ以外では手出しできない構造を採用していたり、ほかで修理したりすると保証が適用されなくなってしまうのかもしれません。
テスラが「修理代金を不当に吊り上げている」
そしてもうひとつの訴訟については、1件目と同じように「テスラの方針のせいで修理まで長く待つ必要が生じた」ということに加え、「不当に修理代金が高い」という内容にて提訴されているもよう。
これによると、テスラは「修理マニュアルと診断ツールを」不当に高い価格で自社の契約整備工場以外に販売しているため、テスラの正規ネットワーク以外だと「どうしても修理コストが異常に高くなってしまう」という内容となっています。
つまり、両方とも「テスラが、テスラのサービス・修理市場の一角を狙う独立系ショップの競争を違法に排除し、オーナーを必要以上に待たせて修理代を高く支払わせている」という主張に基づいており、これが独占禁止法違反に触れると述べているわけですね。
ただ、これらについて主張の正当性はいまのところ判断できず、というのもGMがテスラ車の(相当数を)修理していると報じられたり、テスラ自身が修理にかかる時間の短縮を非常に重要視していると報じられているため。
一方で消費者からは「ブレーキパッドが1つもないまま納車されたにもかかわらず、修理に数週間を要した」等の報告もあり、実際はどうなっているのか「ちょっとわからない」といった感じですね(何事も、よくない側面ばかりが報道されがちである)。
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参照:Reuters