| ホンダS2000 タイプRは実際に実現することはなかったが、このS2000Rは「現代のS2000 タイプR」と呼ぶにふさわしい |
ここまで「ホンダ」「タイプR」を理解したショップも珍しいかもしれない
南カリフォルニアを拠点とするパフォーマンスパーツ&チューニング会社、エヴァーシブ・モータースポーツ(Evasive Motorsports、スープラのワイドボディキットで知られる)がホンダS2000のレストモッド「Eversive S2000R」を発表。
これはホンダS2000をベースとし、現代の技術やデザインを用いて「同ショップの考えるS2000 タイプR」を作り上げたというものですが、ボディはもちろんエンジン、サスペンション、インテリアなどすべてに手が入った渾身の仕上がりとなっています。
なお、S2000タイプRは実際に(ホンダによって)実現することはなく、当時もS2000タイプR登場に関する噂があったものの、ホンダは「タイプRはモータースポーツに直結するべきものであって、モータースポーツに”市販オープンカー”が走るカテゴリがない以上、S2000のタイプRは存在しない」と語っていたように記憶しています。
ホンダS2000のレストモッド、エヴァーシブS2000Rはこんなクルマ
そこでこのエヴァーシブ2000Rを見てみると、まず搭載されるエンジンはシビック・タイプR(FK8)に積まれるK20C1 2リッターターボエンジン(エンジン制御はMoTeC M140 ECU)。
そのためレブリミットはS2000オリジナルのF20Cから引き下げられて「一般的」な範囲に(メーターはMoTeC製C127ディスプレイへと置き換えられている)。
その外観を見てみると、フロントバンパーはホンダ純正の「S2000 アニバーサリー」用が装着されており、これは2020年にホンダが「S2000のマイナーチェンジ」をイメージして発表したものですね。
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ただしフロントリップには自前のカーボンファイバーを装着するなどオリジナリティも発揮。
ドアミラーもオリジナルの「小型」へとチェンジされています。
そして特筆すべきはこのリアウイング。
上面はホワイトにペイントされています。
ボディカラーはおそらくチャンピオンシップホワイト、そしてタイプRの定石通りのレッドがあしらわれていますが、それぞれの使用方法やムダなエアロパーツがないところは「よくわかっている」と思わせる部分。
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というのも、ぼくはタイプRというのは「削ぎ落とされた」クルマであるべきだと考えていて、色々なものを付与するモデルではないと考えているわけですね。
実際のところ、世界には様々な「タイプR」をレンダリングや実車にて再現する人々やショップが存在し、しかし「ムダなものが付いていたり」「ボディカラーがチャンピオンシップホワイトではない」のはぼく的に納得ができないところです(FL5も日本へと開発拠点が移された後、シンプルな外観へと戻されている)。
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ホイールもチャンピオンシップホワイト、そしてブレーキシステムはブレンボ製。
サスペンションはKWクラブスポーツ・コイルオーバーとアイバッハ製スタビライザーバーによって強化され、ホイールは18インチのEVSチューニング52R(鍛造)、タイヤはヨコハマAD09だと紹介されています。
シート後方にはフェアリングも。
ピアノブラックにて美しく仕上げられているところが現代風です。
よく見るとウイングはけっこう複雑な形状を持っているもよう。
なお、トランクリッドとボンネットはドライカーボン製です。
ホンダS2000のレストモッド、エヴァーシブS2000Rのインテリアはこうなっている
そしてこちらはエヴァーシブ・モータースポーツによる「S2000 タイプR」、S2000Rのインテリア。
ブラックとレッドをベースに仕上げられ、カーボンファイバーやアルカンターラがふんだんに用いられています。
シートはカーボンファイバー製のシェルを持つレカロ製(ポディウム)。
シフトノブがチタン製でないのはちょっと残念。
トランスミッションそのものはオリジナルのホンダ製6速をそのまま採用し、しかしEVSチューニングの大容量デフハウジングにOS技研製リミテッドスリップディファレンシャルを組み合わせたカスタム仕様だと紹介されています。
ドアインナーパネルはカーボンファイバー製、そしてポルシェ911GT3系のようなプルタブも。
ステアリングホイールのホーンボタンはチタンっぽい素材へと置き換えられ、メーターグラフィックも専用デザインへ。
エヴァーシブ・モータースポーツの代表を務めるマイク・チャン氏によれば「S2000は、これまでに生産された中で最高のドライバーズカーの1つです。ロードとレース用にこのプラットフォームをチューニングしてきた20年の経験から、我々はこのロードスターを近代化し、S2000 Type Rのあるべき姿を理想とするビジョンを持っていました。そして今、それがようやく実現するのです」。
そして驚くべきことにエヴァーシブ・モータースポーツはこのS2000Rを実際に販売するといい、コンプリートカーのほか、持ち込みによるカスタムも受け付けるのだそう。
全体的に見て「タイプRの本質をよく理解した」カスタムが反映されたクルマだと考えており、このコンセプトに共感した人々から多数の注文が集まるかもしれませんね。
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