| アルピナは様々なビジネスチャンスを狙っており、機会さえあればメルセデス・ベンツにも手を出していただろう |
それにしても、こういった「もしも」は考えるだけでも面白い
さて、いつも「ありそうだが、実際には無いだろうな」という楽しげなレンダリング作品を制作するアビメレック・デザイン。
今回はアルピナがメルセデス・ベンツ(560SEC)をチューンしていたらこうなっていただろう、というCGを作成し自身のFacebookページへと公開しています。
なお、前回は「AMGがBMW 5シリーズをチューンしたら」というレンダリングをリリースしていますが、この作品の起案になったのは「もしもAMGの顧客が、”このBMWもチューンして”とその顧客が持つ自身のBMWをAMGに持ち込んだらどうなるか」というもので、アビメレック・デザインは今回その逆を考えてみたということになりそうですね。
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「アルピナB650ターボ」はこんなクルマ
そこでアビメレックデザインは「アルピナがチューンした(もしくはコンプリートカーとして製作した)メルセデス・ベンツ560SEC」についてアルピナB650ターボと命名しており、画像を見るに「いかにもソレっぽい」出来栄えに。
ボディカラーは「例の」アルピナのブルーよりはちょっと薄いものの、ちゃんとアルピナストライプが入り・・・。
ホイールはアルピナならではの20スポーク。
なお、アビメレック・デザインは「もしこのクルマが発売されていたら「13万ドル」、つまりフェラーリ・テスタロッサを購入できる金額になっていただろう」ともコメントしています。
実際にアルピナがメルセデス・ベンツのコンプリートカーを作る可能性はあったのか?
そこで当時「アルピナがメルセデス・ベンツのコンプリートカーを作る可能性があったのか」ということについては「おそらくなかっただろうが、100%無いとはいえない」とぼくは考えています。
アルピナはもともと事務機器メーカーとしてスタートしており、二代目のブルクハルト・ボヴェンシーペンがモータースポーツに参加するために自身のBMWをチューンし、そのクオリティがBMWに認められて「BMW公認チューナー」としての地位を獲得したことから(現在のアルピナの)歴史が始まります。
その後1965年に設立されたアルピナ・ブルクハルト・ボヴェンシーペン合資会社が現在のアルピナの原型となり、その後1983年には正式にドイツ自動車登録局から「自動車メーカー」としての免許を付与され、ここからBMWからパーツ供給を受けつつも自社名義でのクルマの製造を本格的に開始するわけですね。
つまり、現在はBMW傘下に収まるものの、当初はBMWとの資本関係はなかったということになります。
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そしてアルピナは独立した営利企業であり、「BMWベースのコンプリートカーを作ること」がその活動の目的ではなく、最も大きな目的は「利益をあげること」。
そしてBMWをベースとした理由は「BMWにアルピナ創業者が精通していたから(つまりビジネス上、成功する確率がもっとも高かったから)」だと考えてよく、そのため、もしチャンスがあったなら、アルピナは別の車種のコンプリートカーも製造していたんじゃないか、とぼくは考えているわけですね。
参考までに、過去にアルピナはいくつか「新しい取り組みを」行おうとしたことがあり、ひとつはBMWが生産を終了させたM1プロジェクトを引き取り、アルピナ専用車種として生産を行おうとしたこと(これは規模的にアルピナの求めるものに達しないだろうという想定からボツになっている)。
2つ目はミニの超豪華版を発売する計画を考えていたことで、こちらは「アルピナの品質を満たして生産するとそうとうな高価格となり、その価格では誰も買わないだろう」ということでこれもボツ。
直近だと「GRスープラのアルピナ版に興味がある」と述べていたこともありますが、これもBMWに吸収されたことで(たとえ実現に向けて動いてたとしても)実現できなくなったものと思われます。
こういった感じで、いずれも実現はできなかったものの、アルピナはさまざまなチャンスを狙っていたということがわかり、よってメルセデス・ベンツをベースとした「自社車両」の製造についても、なんらかのきっかけがあれば実現したんじゃないか、とも考えているわえけですね。
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