| さすがのノビテックも812コンペティツォーネの「完璧な」ボディに手を入れることはできなかったようだ |
それでも自然吸気エンジンの出力を36馬力も向上させることができたのは驚きである
さて、これまでにも希少なフェラーリの限定モデルに対して果敢にカスタムを行ってきたノビテック(NOVITEC)。
今回はV12エンジン最後のハードコアモデルになるかもしれないフェラーリ812コンペティツォーネのチューニングプログラムを公開しており、その外観の変更だけではなく、搭載されるエンジン出力を866馬力にまで大きく引き上げることに成功しています(ノーマル比で36馬力アップということになるが、自然吸気エンジンでここまで出力を向上させることは結構難しい)。
ノビテック製フェラーリ812コンペティツォーネでは「エアロパッケージには手が入らず」
なお、今回公開されたノビテックによる812コンペティツォーネでは(ノビテックにしては)珍しくエアロパッケージに手が入っておらず、これは「手の入れようがないほど、812コンペティツォーネのエアロパッケージが高度化している」ということなのかもしれません。
実際のところ、812コンペティツォーネは「不特定多数の人に向けた」クルマではなく、フェラーリが選んだ顧客のみに販売するクルマであり、よってフェラーリが目指す目的を達成するために”何を捨て、何を取り入れるのか”が非常に明確となっている一台です(その目的とは、言うまでもなく、もっとも速いロードカーたりうることである)。
よって、そういったクルマに対して手を入れることは「なんらかのバランスを崩す」可能性もはらんでおり、ノビテックとしては(顧客からそう指摘されることも含め)”それだけは避けたい”事態であったのかもしれません。
そして、顧客も「純正こそが最高の状態である」と理解しているからこそ社外パーツの装着を嫌うのがフェラーリを取り巻く環境の大きな特徴であり、ノビテックはそういった側面も考慮したのかもしれません。
逆に変更された部分といえばまず「車高とタイヤ/ホイール」。
まず車高についてはローダウンスプリングにて低められ(ローダウン幅は明言されていない)、リフティングシステムを装着することで車高を40ミリ上げることができるもよう。
ホイールはヴォッセンによって提供され、NF8、NF9、NF10という異なるデザイン(いずれも鍛造)が用意され、当然ながらカラーバリエーションも多種多様(オーダーも可能)。
なお、ノビテックの推奨サイズはフロント20、リア21インチとなっており、これらを装着することでいっそう812コンペティツォーネのウェッジシェイプが際立つことになりそうです(フェラーリは多くの場合、スター型ホイールを装着しているので、そうでないデザインのホイールに交換すると印象が大きく変わる)。
このほかホイール関係だと「スペーサー」「チタンボルト」もラインナップ。
そのほか、出力向上に寄与していると思われるのがエキゾーストシステムですが、こちらもいつもどおり「直感」「スポーツ触媒」が用意され、866馬力に達するのはおそらくこの直管仕様の場合なのだと思われます。
インテリアの画像につき、今回公開されているのは「ノーマル」のようですが、これもいつものように「内装については、いかなるオーダーにも応える用意がある」という文言にて締めくくられています。
ノビテック フェラーリ812コンペティツォーネを紹介する動画はこちら
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参照:NOVITEC