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またまたポルシェ911のレストモッドにニューカマー。ポルシェオリジナルのレシピに忠実に、しかし軽量化にパワーアップ、繊細なカスタムが施された「ダッチマン」

2023/10/19

またまたポルシェ911のレストモッドにニューカマー。ポルシェオリジナルのレシピに忠実に、しかし軽量化にパワーアップ、繊細なカスタムが施された「ダッチマン」

| シンガー、ガンサーともに「お金と納期がかかりすぎる」と考える人にはリーズナブルな選択に |

見た目の華美さはないものの、しっかり押さえるところは押さえている

さて、現在はポルシェ911のレストモッドを行うショップや企業が多数登場している状況ですが、今回紹介するのは南アフリカのチューニング/レストアカンパニーである「ダッチマン」が手掛けたポルシェ911。

やはりポルシェ911のレストモッドというとシンガー・ヴィークル・デザイン、そしてガンサー・ワークスを思い浮かべるところですが、それらの価格はあまりに高額であり(もちろんその分の品質は備わっている)、かつ納期も非常に長いということで最近は”新たなる選択肢”に注目が集まっているわけですね。

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ダッチマン製ポルシェ911レストモッドはこんなクルマ

そこでいま話題となっているダッチマン製ポルシェ911レストモッドを見てみると、まずベースとなるのは1976年製の初代ポルシェ911(Gシリーズ)。※Gシリーズは比較的入手難易度が高くはなく、そのためにGシリーズをえらんでいるのだそう

シンガー・ヴィークル・デザインが手掛けた車両に比較するとノーマル色が強く残りますが(シンガーの場合、ベース車両は964であり、それを初代911っぽくカスタムしている)、それでもボディパネルにはカーボンファイバーを採用し、エンジン出力は33%向上し、おまけに軽量化も果たしているのだそう。

Porsche-911-Restmod (9)

ざっと見ると、ダッチマンによるレストモッドは「その信頼性と品質を高める」ことに主眼を置いているようで、美観や触覚に関わるアップデートは最小限に留められているように思います。

もちろんこれによって製造コストを大きく引き下げており、レストモッド費用は車両込みでおおよそ3000万円くらい(これでも安価とは言えないが、シンガーやガンサーのように「億」に到達するわけではない)。

そしてこのダッチマンはすでに37台のレストモッドを完成させ顧客の元へと送り届けており、つまり経験も十分だと考えられます。

Porsche-911-Restmod (7)

レストモッドについては完全に車体を分解するところからはじまり、エンジンに関してだとハイコンプピストンに専用のプロファイルを持つカムシャフトを組み合わせており、もともとの排気量である2.7リッターから2.8リッターへキャパシティアップ。

その結果、出力は158馬力から210馬力に向上し、低速トルクも大幅に増強されていると紹介されています。

ボディパネルは上述の通りカーボンファイバーへと置き換えられ、これによっておよそ130kgの減量に成功しているといい、一方で”5マイルバンパー”やGシリーズ初期モデルの特徴でもあるクローム製ウインドウトリムなどは「そのまま」残されており、こういった部分を見るとダッチマンのいう「ポルシェのレシピを守りつつ、細心の注意を払ってカスタムした」という言葉が重みを増すかのようですね。

Porsche-911-Restmod (8)

ホイールも「16インチのフックスホイール(7J)」を維持しており、素人目にはこの車両が「丁寧にレストモッドされ、軽量化とパワーアップが施されている」ようには見えないかもしれません。

ちなみにボディカラーは(チューンドカーにおなじみの)ナルドグレーのように見えますが、これは「ダッチマングレー」だと紹介されています(画像ではわかりにくいが、細かい金属粒子を含んでおり、見る角度によって色味が変わるようだ)。

ダッチマン製ポルシェ911レストモッドのインテリアはこうなっている

そちてこちらはダッチマンが手掛けたポルシェ911のインテリア。

やはりノーマル然とした仕様を維持しており、しかしダッシュボードやドアインナーパネル、シートなどのレザーの質感が大幅に向上しているようにも感じます。

Porsche-911-Restmod (5)

ちなみにダッシュボードには「タグ・ホイヤー製のストップウォッチ」。

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シートや内装の一部に用いられるのはタンレザーで、丁寧なステッチを確認することが可能です。

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シートはカーボンファイバー製のフルバケットですが、十分なクッションの厚みを持つように見えますね。

なお、フロアマット/カーペットはざっくりとした質感を持ち、エッジにはレザーによる縁取りも。

Porsche-911-Restmod (2)

インテリアも(エクステリア同様に)ノーマルを極力維持しており、「おっ」と思わせる部分はないものの、その質感が非常に高くなっていることが画面越しに伝わってくるようにも感じられます。※内装については様々なリクエストを受けることができ、ノーマルのパーツではなくダッチマンオリジナルのパネルなどに交換することもできるようだ

Porsche-911-Restmod (3)

シンガー・ヴィークル・デザインやガンサーワークスのような華やかさこそないものの、質の高いレストアが施され、かつ軽量化そしてパワーアップが施されていることを考慮すると「これで十分」なのかもしれませんね。

ダッチマンによってカスタムされたポルシェ911を紹介する動画はこちら

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参照:Dutchmann

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