| BMWは積極的にデザインを変革することで成功を重ね続けている |
新型BMW 5シリーズは細部に至るまでよく考えられたデザインを持つクルマだった
さて、新型BMW 5シリーズを見てきたので紹介したいと思います。
展示されているのはBMWハーバー神戸さん、そしてグレードは523i THE FIRST EDITION(934万円〜)。
ボディカラーはミネラル・ホワイト、インテリアカラーはアルカンタラ / ヴェガンザ・コンビネーション・シート(ブラック)という仕様です。
新型BMW 5シリーズのデザインは「新時代」へ
一見して思うのはBMWのデザインが新しい世代に突入したこと。
BMWは定期的にデザインを大きく変えていますが、その理由は「成功しているときこそ変革の必要があるから」。
特定デザインがヒットしたとして、それに固執しているようでは先に進めないという意図があるようですが、BMWはこれまでにもそうやって過去のデザインを自ら破壊し新しく再構築することで未来を築いているようにも思います。
そして今回の新型5シリーズを見て思ったのは「クリス・バングル時代のE60/E61世代の5シリーズ的」ということ。
ヘッドライトが”切れ長”となったこともその理由の一つかもしれませんが(ボンネットとヘッドライト、フロントフェンダーとの関係性もE60 / E61とよく似ている)、クリス・バングルのデザインに特有であった「面をつまみ上げる」という手法が随所に見られることも大きく関係しているのかもしれません。
パネルを「折り曲げる」というよりは「つまみ上げ」、その際ににできる面の”痩せ”がひとつの(新型5シリーズにおける)デザイン的特徴でもあり、これがまたE60/ E61を連想させるわけですね。
しかしこの新型5シリーズはけしてE60 / E61世代へのオマージュではなく、あちこちに新しい意匠が見られ、たとえばテールランプはこれまでのBMWらしくない「横長」・※ヘッドライトが従来型5シリーズの横長から大きな吊り目型になったのとは真逆の変更である
ヘッドライトレンズは内側から「吹いて膨らませたような」バブル型。
キドニーグリルは連結し・・・。
ボンネット上のプレスラインと連動したデザイン。
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ロワーグリル、サイドのエアインテークはほかのBMWとの共通性も見られますが、繊細かつシャープなデザインに改められたように感じます。
ドアミラーのデザインも一新され・・・。
ドアハンドルはフラッシュマウントに。
ホフマイスターキンクには「5」のエンボス。
ちなみにテールランプのレンズもやや膨らんだ「バブル状」。
ボディサイドには明確なラインが設けられたり、逆に微妙な3D曲面が用いられたりと様々な手法にて立体感が追求されていて、光が当たる角度によって様々な印象を見せてくれるようですね。
新型BMW 5シリーズのインテリアはこうなっている
そしてこちらは新型5シリーズのインテリア。
メーターはフルデジタル、そしてドアを開けるとアニメーション表示と美しいオープニングサウンドが出迎えてくれます。
メーターとインフォーメーションディスプレイとが連結するおなじみのデザインを持ち・・・。
その下にはインタラクションバー。
そしてこのインタラクションバーはドアインナーパネルにも。
センターコンソール上にはクリスタル仕上げのパーツが並びます(パネル表面もガラスフィニッシュっぽい素材感を持っている)。
BMWは以前こそ「金太郎飴的」なモデル構成を持つと言われたことがあり、それはエクステリアだけではなくインテリアも「モデル間でほぼ同じ」であったためですが、現在では金太郎飴を脱して久しく、とくにインテリアにおいては各シリーズ独自の機能やデザインを持つに至っているように思われ、新型5シリーズのインテリアは3シリーズとも、また7シリーズとも異なる独自の雰囲気そしてインターフェースを持つように思われます。
加えて新型5シリーズでは、エクステリアデザインにおける排他性が非常に強く、「大きな3シリーズ」でも「小さな7シリーズ」でもなく、ちゃんと5シリーズとしての固有のアイデンティティを持っているように思われ、積極的に5シリーズを選ぶ「理由」が存在するように思われます。
新型BMW 5シリーズを見てきた際の動画はこちら
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