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| トヨタは「日本の伝統」を中心に据えた付加価値にてレクサスを成功させた経験がある |
そしてレクサスの基本思想を培ったのはセンチュリーブランドであるとも考えられる
さて、トヨタが「センチュリーをトヨタから分離させ、独立した超高級ブランドとしてワールドワイドに展開する」可能性があるもよう。
これは東京オートサロンにてトヨタの重役へとインタビューを行った(米経済誌)フォーブスの記者が報じたもので、この重役は匿名を条件に「トヨタは、センチュリーブランドをレクサスの上に置き、主に海外市場をターゲットとして展開すべく準備中である」と語ったとのこと。
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センチュリーブランドでは「SUV」が中心に
なお、トヨタは以前(1967年)からセダンボディのセンチュリーを展開しているものの、報道によるとトヨタは新しく発売されたセンチュリーSUVを「センチュリー」と呼び、これまでのセンチュリーを「センチュリー・セダン」と呼ぶという意向を示しているというので、センチュリーブランドの核となるのはSUVということになりそうです。
実際のところ、トヨタはセンチュリーSUVにつき、(スライドドアやオープン化など)ボディ形状の変更を含む「フルオーダー」での受注を予定していますが(公式サイトでは現在調整中だと記載されている)、これはベントレーやロールス・ロイスの展開するパーソナルオーダーに対抗するものだとも考えてよく、中東やアジアの富裕層をターゲットとして売り込む戦略を持っているのかもしれません。
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現在のところトヨタはこの「センチュリー」ブランドについて公には展開の意向を示しておらず、これはおそらく「トヨタの生産側がまだ需要に対応できない」からだとも考えられ、ある程度の生産実績が積み重なり、より多くの技術者を養成した後に満を持してプレスリリースを全世界に発信することになるのでは、とも見られています。
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トヨタ・センチュリーはこういったクルマ
初代トヨタ・センチュリーは(トヨタ自動車創業者である)豊田佐吉の生誕100周年記念である1967年に登場していて、その目的は「当時、運転手つきのショーファードリブンカーといえば輸入車しかなく、トヨタがそういった事情を自ら変えたかった」から。
そしてトヨタが輸入車に対抗するために選んだ武器は「日本の伝統」であり、これに基づく美しさ、圧倒的な静粛性、そして匠の技。※レクサスが世界を目指す際にも用いられた思想であり、トヨタの基本的な考え方なのかもしれない
これによってセンチュリーは皇室をはじめ政財界のVIPに愛される唯一無二の国産ショーファードリブンカーとなったわけですが、代を重ねるごとにその美点を継承しながらも当初のコンセプトを追求し続けることで孤高の存在となっているわけですね。
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そしてトヨタはセンチュリーSUVを発表した際にも「半世紀に渡って受け継がれたセンチュリーの精神が揺らぐことはない」と述べ、そのうえで時代の要望を盛り込んだ次世代のショーファードリブンカーたることを目指したという声明を発しています。
加えて、この”センチュリーネス”を継承したのが新型センチュリーSUVであり、後席に乗るVIPのために「人を中心とした」パッケージングを取り入れ、それによって「乗降所作の美しさ」までもを考慮しているといいますが、こういった思想をもってレクサスの成功に続くべく、しかしさらなるアッパーマーケットへと乗り出すということになりそうですね。
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参照:Forbes