| ブガッティ・ボリードの開発が完了し、実際にサーキットを走行しラップタイムを刻むのが楽しみである |
ブガッティはドライのみではなくウェット状況においても最大限のパフォーマンスを発揮できるようにセッティングを進めている
さて、ブガッティはW16エンジンを搭載するサーキット走行専用ハイパーカー「ボリード」の開発を進めており、その様子については随時公開されているといった状況ですが、今回はイモラ・サーキットにてブレーキ、そしてウエット性能をのチェックを行ったというコンテンツをリリース。
このボリードに装着されるブレーキはブレンボによる「特製」だそうですが「カーボン - カーボンブレーキローター」としてはブレンボ史上最大の直径を持つ、とアナウンスされています。
ブガッティはボリードのブレーキシステムの開発に2年をかける
ブガッティとブレンボは(ボリードの)設計プロセスの初期段階から緊密に連絡を取り合っており、専用ブレーキシステムの製作に伴う課題への挑戦、そして2年間にわたる厳しいテストと開発の結果、LMh/LMDhやF1マシンに搭載されているテクノロジーと同等のカーボン - カーボン システムが誕生することに。
フロントにはアルミニウムブロックから削り出された8ピストンモノブロックキャリパーが組み込まれ、4つの高性能ブレーキパッド、そして巨大な390x37.5mmカーボンディスクを備え、リアにも6ピストンモノブロックキャリパーと390x34mmのカーボンディスク、そしてやはり4つの高性能パッドが装着されています。
ブレンボのパフォーマンス部門にて最高執行責任者を務めるマリオ・アルモンド氏によれば「ブガッティ・ボリード用のブレーキシステムの開発は、ブレンボのパフォーマンス部門にとってユニーク、そして非常にエキサイティングな挑戦でした。そして私たちはその成果を誇りに思っています。ボリードの信じられないほど厳しい要求に応えることはかつてないチャレンジであり、たとえば、フロントキャリパーは、私がこれまでレーシングカーに取り付けた中で最大のものであり、エンジニアリングの真の傑作であると私は考えています」。
なお、このブレーキシステムにおいて特筆すべきは「非常に軽い」ことで、このブレーキディスクの重量はわずか3,175gにとどまっているそうですが、これに加えて優れた熱伝導性を発揮することで激しいブレーキング下でも優れた熱放散を実現し、ブレーキのフェードを防ぐとともに、一貫したパフォーマンスを提供することが可能となったようですね。
ただし、ブガッティによれば「このブレーシステムの特徴は「キャリパー、パッド、ディスクだけにあるのではない」といい、このほかにボリードのブレーキシステムを特徴づけるのは「特注のマスターシリンダーと特別に配合されたフルード」。
さらにはブレンボはあらゆる状況で優れたパフォーマンスを提供するため、ボリードのブレーキエアダクト形状においてもブガッティと協力して開発を行うったそうですが、このように”あらゆる面において”両者が協力することで比類なきブレーキシステムが完成したといいます。※エアフローのうち85~90%がディスクとパッドを冷却し、残りがキャリパーの冷却を担当するもよう
さらに雨天時のブレーキングにおいても慎重にセッティングが進められ、ボリードには「トラクションコントロールが頻繁に介入する」「ウエットタイヤを装着する」状況を想定した”ウエットモード”が設定されるそうですが(このモードではリアのXランプがレインライトとして機能する)、ウェットモード下であっても最大限のパフォーマンスと安全性を発揮できるようにブレーキの制御が行われるようですね。
ブガッティのレーシングヘリテージを凝縮したサーキット専用ハイパースポーツカー、ボリードの開発に取り組みました。 ブレンボとの協力により、私たちはボリードの並外れた要求を満たすだけでなく、それを超えるブレーキ システムを開発し、私たちのパートナーシップは傑作を生み出しました。彼らの革新的なテクノロジーは私たちのビジョンとシームレスに連携し、ボリードのブレーキシステムがブガッティの名高い遺産のもう一つの頂点の重要な部分となることを保証します。」
ブガッティ リマック CTO エミリオ・セルボ
ブガッティがイモラ・サーキットにてテストを行う動画はこちら
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参照:Bugatti