| ヒョンデは常に消費者の嗜好を見据えつつ的確な仕様へとアップデートを行っている |
そのためヒョンデは欧米だと高い支持を集めるブランドの一つへと成長
さて、ヒョンデがフェイスリフトバージョンの新型アイオニック5を発表。
アイオニック5そのものは3年前に発表されているものの、日本に入ってきたのはつい最近なので、「え?もうフェイスリフト?」という感じではありますが、たとえ発売から3年が経過していたとしてもまだまだ斬新に見えるため、そしてライバルらしいライバルも見当たらないからか、ヒョンデもその(見た目の)変更内容を最小限に抑えているといった印象です。
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新型ヒョンデ アイオニック5はこう変わった
そこでこの新型ヒョンデ アイオニックを見てみると、上述の通り変更内容は非常に”微妙”な範囲に留まっていて、外観であればフロントグリルとバンパーの形状変更、リアだとスポイラーの形状変更、そして新デザインのホイールが選べるようになったこと、リアワイパーが追加されたことなど(バンパーのデザイン変更によって全長が20ミリ長くなっている)。※画像を見ると、ドアミラーのかわりにカメラが装着されている
一方、バッテリーパックは77.4kWhから84kWhへと容量がアップしており、EVとしての性能が大幅に向上したようですね。
インテリアの変更もエクステリア同様に些少な範囲にとどまり、しかしツーソンでそうしたように「物理ボタン」が増加しており、これはアメリカ市場のトレンドを意識した改良だと思われます。
その他インフォテイメントシステムにはショートカットが追加されて操作性が向上し、シートのヒーター/ベンチレーション、ステアリングホイールヒーター、駐車支援機能などがこれらショートカットによって「一発呼び出し」ができるように。
そのほかワイヤレス充電パッドの位置変更(乗員に近くなった)、カップホルダーの位置変更(使い勝手の向上)がなされたうえ、ステアリングホイール上には4つのピクセルライト(現時点でこの役割は不明である)が追加され、無線アップデート対応、より高いレベルの安全技術、強化されたドアとBピラー、さらに高められたボディ剛性、刷新されたインフォテインメントシステムといった特徴も。
加えてステアリングホイールに感じる振動を減らすためにダンパーを変更し、ノイズを低減するために車体後部とフロアの補強材を二重にするなどの対策がなされ、かつリアモーターは従来よりも静粛性が高くなるといった改良が加えられており、これらはやはりアメリカ市場の嗜好を鑑みての変更なのだと思われます(アメリカ人はエアコンの効き、静粛性などを他地域よりも重視する傾向があると言われる)。※こういった市場の要望を反映させた「現実的な」変更を行うことにより、ヒョンデはその満足度を向上させ、ランキング上位に位置するようになったのだと考えていい
なお、今回のフェイスリフトにおけるトピックは「N Line」が登場したこと。
これは通常のアイオニックとアイオニック5 Nとの中間に位置するモデルで、「Nモデルほどのパフォーマンスはいらないものの、カッコいいスポーティーなクルマがほしい」という人に向けたもので、BMWにおける「MとMスポーツ」の関係になぞらえることができるかもしれません。
ちなみにですが、ヒョンデの「N」部門の元管理者はBMW「M」のリーダーを務めていた人物(アルバート・ビアーマン)であり、BMWからヒョンデに移った際には「BMWはどんなモデルにもMを設定し、かつMスポーツの導入によってMブランドを安売りしている」というBMW批判を行っていたものの、結果的にヒョンデもBMWと同じ手法を採用することになってしまったということに(これは会社の方針なので仕方がない)。
それはさておき、このアイオニック5 N Lineでは、Nモデルに近いバンパー、サイドスカート、20インチホイールなどが与えられ、インテリアだとスポーツ シート、ブラックのヘッドライナー、レッドステッチ、ツートンカラーアクセント、よりスポーティな外観を持つステアリング ホイールとダッシュボードなどが与えられる、とのこと。
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参照:Hyundai