ブガッティ「トゥールビヨン」はGoogleの検索アルゴリズムに混乱を？ジェイコブの高級機械式腕時計との区別がなされず検索結果が意図しないものに

｜　今回の事例は正直言って「どうしようもない」ものと思われる　｜

ただし時間の経過とともに「より正確な」検索結果が表示されるようになるだろう

さて、様々な方面で様々な話題を振りまいているブガッティの新型ハイパーカー「トゥールビヨン」。

その名称は機械式腕時計に用いられる代表的かつもっとも硬度な複雑機構に由来していますが、ブガッティはこの名称を採用した理由について「ブガッティ創業の地であるフランスと結びついていること（トゥールビヨンを考案したのはフランス人である）」「数百年にわたり機械四空で時計における最高の機能として君臨していること」「デジタル全盛の時代においても、このアナログな機構が輝きを失っていないこと」等を掲げています。

反面、ヴェイロンやシロンのように、ブガッティを駆って活躍したドライバーの名を付与するというブガッティ伝統の命名法則を採用しなかった理由については「20年続いたW16エンジンと決別し、V16エンジンとともに新しい時代へと向かうため」。

実際にブガッティ トゥールビヨンのメーターは機械式腕時計を模した構造を持っている

そしてこのブガッティ トゥールビヨンに採用されるメーターは機械式腕時計を模したものであり、実際にスイスの機械式腕時計職人によって組み立てられているといい、チタンやサファイア、ルビー含む600個以上のパーツで構成され、その製造誤差は最大で50ミクロン、最小5ミクロン、重量わずか700gだと説明されています。

ただしこの名称はネット上の検索において混乱を招く

よって、このトゥールビヨンというのは新型ハイパーカーを表すのに「これ以上ない」優れた名称ではあるものの、ネット上の検索で混乱を招いているといい、もちろんトゥールビヨン（Tourbillon）として検索して出てくるのは高級機械式腕時計ばかり。

実際に「ブガッティ トゥールビヨン（Bugatti Tourbillon）」と検索した場合であっても、このハイパーカーがほとんど表示されず、表示されるのは主に高級腕時計メーカー「ジェイコブ＆コー（Jacob & Co）」による腕時計ばかりとなっています。

この状況は極めて特殊であり、こうなったのは「ブガッティがジェイコブとのパートナーシップによってトゥールビヨン機構を持つ腕時計をリリースしているから」にほかならず、しかし今後（ハイパーカーの方の）ブガッティ トゥールビヨンに関するコンテンツが増え、かつ検索ボリュームが増加するにつれ、より適正な表示がなされるようになるのかもしれません。

なお、ここで思うのは「ジェイコブが思わぬ恩恵を受けたのではないか」ということ。

つまり「ブガッティ トゥールビヨン」で検索するとジェイコブの腕時計ばかりが出てくるので、ここではじめてジェイコブの腕時計を知るというケースが考えられ、予想外の形でジェイコブが知名度を上げることになったのかもしれません。

ただ、ジェイコブとブガッティとのコラボ腕時計は「数千万円〜数億円」なので、ネット上ではじめてそれを知った人がポンとそれを買うとは考えにくく（今の世の中は何でもありなので、ゼロではないと思う）、しかし真に恩恵を受けたのは「ブガッティ トゥールビヨン（Bugatti Tourbillon）」というワードにて検索した際に多数表示される、アリエクスプレス（AliExpress）にて販売される偽物の腕時計販売業者なのかもしれませんが、いずれにせよ、こういった現象が落ち着くには少しの時間を要することになりそうですね。※ただしこれを機会に通報が相次ぎ、これらフェイクウォッチが消滅するものと思われるので、むしろ彼らにとってブガッティ トゥールビヨンの登場はありがた迷惑だったのかもしれない

ほかにも同様の「混乱」が生じた異例も

参考までにですが、同様の混乱をもたらした例がもうひとつあり、それは「タグ・ホイヤーとポルシェとのパートナーシップ」。

もともとポルシェは「ポルシェデザイン」から腕時計を発売していて、よって「ポルシェ 腕時計」「ポルシェ クロノグラフ」と検索するとポルシェデザインの腕時計が検索結果へと（正しく）表示されていたわけですね。

しかしながら数年前にポルシェとタグ・ホイヤーとが提携を行うことになり、これによって生じたのが「ポルシェ 腕時計」「ポルシェ クロノグラフ」と検索した場合、「ポルシェデザインではなくタグ・ホイヤーの腕時計のほうが多く表示されるようになってしまった」という事象で、ポルシェとしては「しまった」というところなのかもしれません。

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