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メルセデス・ベンツが同社のレース活動130周年を記念しAMG GT3 エディション 130Y モータースポーツを発表。開発には2年を要し、何から何までが特別な仕様に

メルセデス・ベンツが同社のレース活動130周年を記念しAMG GT3 エディション 130Y モータースポーツを発表。開発には2年を要し、何から何までが特別な仕様に
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| リバリーは1950年代の300SLから、そしてインテリアは同年代のSLR300をモチーフにしたレトロ仕様 |

さらにはFIAが認可していないカーボンブレーキやアクティブエアロも装備

さて、メルセデス・ベンツが同社の「モータースポーツ活動130周年」を祝うAMG GT3「エディション 130Y モータースポーツ」を発表。

メルセデス・ベンツのモータースポーツ活動の起点は”1894年7月22日に開催されたパリからルーアンまでを走る最初(最古)の自動車レース”だといい、このレースで優勝したのが(当時の)ダイムラーのライセンスを受けたエンジンを搭載していたレーシングカー。

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メルセデスAMG GT3 エディション 130Y モータースポーツはこんな仕様を持っている

そして今回発表された「メルセデスAMG GT3 エディション 130Y モータースポーツ」を見てみると、このカラーリングの着想のもととなったのは1952年製のメルセデスベンツ300SL W194レーシングカー(メルセデス・ベンツ初のクローズドトップレーシングカー)。

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1952年にハンス・クレンクとカール・クリングがカレラ・パナメリカーナで、ヘルマン・ラングとフリッツ・リース(いずれもドイツ)がル・マン24時間レースで優勝したクルマがこのカラーリングを採用していたといい、今回のメルセデスAMG GT3 エディション 130Y モータースポーツはこの往年のリバリーを再現したというわけですね。

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そしてインテリアもまた「メルセデス・ベンツ伝統のレーシングカー」の要素が再現され、そのインスピレーション元はファン・マヌエル・ファンジオ がドライブし有名になった1955年製のメルセデス・ベンツ SLR300。※ブルーのチェック柄生地のシート張り地、ヘッドレストの張り地、茶色の革製ドアループなどにそれら要素が再現されている

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そしてインテリアにおけるもう1つのハイライトは、アノダイズド(陽極酸化)処理されたボタンとクルミ材のハンドルを備える”特別に開発されたステアリング ホイール”。

さらに、この特別モデルのセンターコンソールには専用のバッジが付与され、デジタルメーター(ボッシュ製 DDU 10 コックピットディスプレイ)のグラフィックも専用デザインとなっています。

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メルセデスAMG GT3 エディション 130Y モータースポーツはレギュレーションの制約を受けない

このメルセデスAMG GT3 エディション 130Y モータースポーツは公道走行が不可能なサーキット走行専用車ですが、そのベースとなるAMG GT3とは異なって実際にモータースポーツに参戦することを想定しておらず、よってホモロゲーションの制限を受けないため、AMG製6.3リッターV8自然吸気エンジンはさらに過激さを増しており、エアリストリクターが排除された特別な排気システムにより680馬力のピーク出力を発揮します。※自然吸気エンジンを積む最後のAMG GT3でもある

さらには空力コンポーネントも大幅に開発され、フロントスプリッターとフロントウィングのエアアウトレット (ルーバー)が再設計されることでAMG GT3と比較してダウンフォースが15%増加しており、さらにはサイドスカート、アンダーフロア、リアディフューザーの変更によってもダウンフォースが増加しています。

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加えてリアウイングは「より幅広に」なり、さらにフォーミュラ1とDTMマシンからヒントを得たドラッグ リダクション システム (DRS)が装備され、ステアリング ホイールのボタンに触れると、フロントフロアのアクティブエレメントと同時に展開し、高いダウンフォースを維持しつつも最高速度315 km/h以上を実現することに。

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そのほか、専用の高性能ブレーキ システムもフォーミュラ 1からヒントを得てたもので、GT3規制で義務付けられているスチール ディスクとは異なり、この特別モデルに装着されるブレーキディスクにはカーボン製が用いられ、これによってGT3公認バージョンよりも大幅にバネ下重量が軽量化されています。

こうやって見るとベースとなるAMG GT3とは大幅に内容が変わっていることがわかりますが、実際にオーストラリアのマウントパノラマサーキットで行われたテストではAMG GT3のタイムを上回り、かつGTカーの持つコースレコードを2.074秒上回る1分56秒605を記録したのだそう。

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このメルセデスAMG GT3 エディション 130Y モータースポーツは13台のみが製造され、それぞれに「特別に開発された車両カバー」「ドライバー用の完全なレーシング装備」も含まれ、このレースキットはメルセデスAMGの公式パートナーであるPUMAとの共同設計によるもので、車両の外装のスタイル特徴に基づいたデザインを持っており、パーソナライズされたレーシングスーツ、手袋、レーシングアンダーウェア、シューズが含まれます。

このほかBELL製のカスタマイズされたヘルメット、パーソナライズされたバッグも提供され、このバッグの中に上述の装備がすべて収まるようですね。

加えて”デリバリーパッケージ”には、メルセデスAMG GT3 エディション 130Yモータースポーツの1/8スケールモデルカー、固有の真正証明書が付属するというので、メルセデスAMGのファン、とくに自然吸気V8エンジンのファンにとってはこの上ないコレクターズアイテムだとも考えられます。

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参照:Mercedes-Benz

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