Image:Rimac
| リマックは一時、エレクトリックハイパーカーに対して興味を失ったかのようにも見えたが |
しかし現在、なんらかのブレイクスルーがあったと考えていいのかもしれない
さて、つい数日前には過激極まりない「ネヴェーラR」を発表したリマックですが、今回は同社CEO、メイト・リマック氏が「センターシートレイアウト、シングルシーターのサーキット走行専用モデルの生産を計画している」とコメント。
これは今までのリマックの展開からすると大きな路線変更のように見えますが、実際に同氏は「現在、私たちはロードカーの限界だけでなく、サーキットにおいても限界に挑戦することを決定しました。そのため、ほとんどのサーキットにおいて、レーシングカーよりも速いシングルシーターのサーキット専用モデルを製造します。これはF1よりも速く、ル・マン・ハイパーカーよりも速いクルマとなるでしょう」と語っています。
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いったいなぜリマックは心変わりを
そこで気になるのはリマックの突然の路線変更。
ちょっと前までリマックは「もはや富裕層はピュアエレクトリックカーに興味を示さない」「パフォーマンスを向上させるためには内燃機関の使用も辞さない」とコメントしており、しかし直近にて路線を変更してハードコアなピュアエレクトリックカーであるネヴェーラRを発表し、さらに今回は「もっとハードコアなサーキット走行専用モデルを投入する(流れからすると、このサーキット走行専用モデルもピュアエレクトリックカーだと思われる)」。
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この路線転換にはいくつかの理由があるものと思われますが、ひとつは「元祖」ピュアエレクトリックハイパーカー発売元であるリマックとしての矜持であると思われ、現在数々の新興エレクトリックハイパーカーが記録更新を主張する中、リマックとしては黙ってこの状況を見ていられないのだと思われます(これらを無視することもできるであろうが、放って置くとリマックのプレゼンスが弱くなってしまう)。
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そしてもう一つ考えられる可能性は「なんらかのブレイクスルーがあり、今後さらなるパフォーマンス向上の可能性が見えてきた」。
これによってメイト・リマックCEOが言うように「F1マシンや、ル・マン・ハイパーカーを超えるレベルの」パフォーマンスを実現できる可能性が生じたのだと思われ、当然ながらガソリンエンジンを積むハイパーカーを完全に視野の外に追いやり、再び富裕層の目をリマックに向けさせることが可能となるのかもしれません。
なお、現時点でこの「1人乗りの」サーキット走行専用車の詳細については明かされておらず、しかしクローズドキャノピースタイルのコックピットを備え、ネヴェーラをベースにするのではなく、独自の専用プラットフォームを採用することに言及されており、さらには「おそらく今年中にお見せし、来年には最初のサーキットイベントを開催する予定です」とも。
加えてメイト・リマックCEOはこのクルマによっていくつかの新記録を樹立する計画があること、公道走行は一切考慮されていないこと、いかなるモータースポーツにも参戦する予定はなく、よって(安全性は確保されているが)既存のレースのレギュレーションの制約をいっさい受けないことについてもコメントがなされています。
この発表はネヴェーラRの発表があったのちの数時間後になされていますが、ネヴェーラRは「0−60マイル加速1.74秒」「最高速412km/h」というスペックを持ち、しかし新しいサーキット走行専用ハイパーカーはネヴェーラRのように公道走行の枠にとらわれることはなく、よって「ここからどれだけ速く走れるか」は想像するしかないのかもしれません。
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