| たしかにポルシェ・タイカン・ターボGTは「とんでもない加速を誇る」と聞いてはいたが |
まさか最初に「2秒の壁」を破ったのがポルシェとは
さて、ポルシェ・タイカン・ターボGTが「カー・アンド・ドライバーのテストで、はじめて時速0-60マイル(0-96キロ)加速において2秒の壁を破ったクルマ」となったもよう。
タイカン・ターボGTはローンチコントロールを起動すると出力が1,033馬力に上昇し、さらには2秒間のみですが1,108馬力へのブーストも可能です。
そしてこにれよって最高速は289km/h、0-60mph加速2.2秒、オプションのヴァイザッハ パッケージを装着すると2.1秒にまで短縮できるとされますが、(0-100km/h加速では2.2秒)、今回はこれよりも短い時間で加速したということになりますね。
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ポルシェ・タイカン・ターボGTは驚愕の1.910秒で時速96キロまで加速
カー・アンド・ドライバー誌によると、今回実施したテストにおいて、ポルシェ・タイカン・ターボGTが停止状態から時速60マイルまでをわずか1.910秒で加速したといい、同じコースを「逆向き」に走るとなんと1.898秒で同じ速度まで加速したのだそう。
ただしこの数字には「ロールアウト」が用いられていることには注意を要しますが、一般的に「0-60マイル加速」計測時にはロールアウトを使用することが一般的なので問題はなく、これの有無で変わってくるのは「0.1秒くらい」。
このロールアウトを用いるのはアメリカならではで、計測方法にビームを使用しており、計測開始前ではフロントタイヤがビームを遮っていて、スタートを開始してタイヤが転がることでビームを遮らなくなり、設置してあるセンサーがビームを感知した瞬間にタイム計測が始まることに。
これによって一般に10数センチほど走行距離が短縮されることになるほか、計測開始が「完全停止」ではなく「動き出してから」になるという性質があり、初速に優れるEVは「ロールアウトあり」で計測したほうがかなり速いタイムが出ることが多々あります。
The Taycan Turbo GT has earned the title of fastest series-production electric car at the @WeatherTechRcwy Laguna Seca after a record-breaking 1:27.87 lap time by driver Lars Kern. pic.twitter.com/ETuwyfWhun
— Porsche (@Porsche) March 13, 2024
しかし今回の場合、ロールアウトを行わずとも(1.898秒に0.1秒を足して)2秒未満でタイカン・ターボGTが60マイルまで加速できるであろうとも判断できますが、今回のタイム算出の際にはいくつかの注意事項があって、まずこのテストに使用された路面は「通常のアスファルト」であり、ドラッグレース専用のドラッグストリップや、ラバーの乗ったサーキットではなく、タイムを出すには有利ではない状況にあったこと。
そしてもうひとつは「約75kg軽くなる(オプションの)ヴァイザッハパッケージ非装着」という事実で、こちらもやはり最高のスペックを持つタイカン・ターボGTではなかったということを意味します。
We’ve come a long way. Now we’re going further than ever. The new TaycanTurbo GT, coming this summer. Electrify your expectations and learn more here: https://t.co/lO7VLkaQx2 pic.twitter.com/g1ZHqIB9mq
— Porsche (@Porsche) March 12, 2024
これを考慮すると、よりドラッグレースに適した路面を使用し、かつヴァイザッハパッケージを装着したならば「もっとタイムが短縮される」のは間違いなく、まさに「ポルシェ恐るべし」といった感じでもありますね。
参考までに、カー・アンド・ドライバーではこのテストに(ともにEV最速クラスの加速を誇る)テスラ・モデルS プレッド(1,020馬力)、ルシード・エアー・サファイア(1,234馬力)を持ち込んでおり、「走行する距離が長くなればなるほど」タイカン・ターボGTはこれらに追い上げられ、0-60マイル加速よりも長い距離を走る1/4マイル(ゼロヨン)ではほぼ3車とも同等のタイム、しかしそこから先になるとタイカン・ターボGTが劣る場面がでてくることについても指摘されています。
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参照:Car And Driver