>ポルシェ(Porsche)

ポルシェが「見る角度によって色味の変わる」カラーシフト塗装2色を使用した「前後グラデーション」仕上げのタイカンを発表。モチーフは翡翠、そして中国の伝説上の生物

ポルシェが「見る角度によって色味の変わる」カラーシフト塗装2色を使用した「前後グラデーション」仕上げのタイカンを発表。モチーフは翡翠、そして中国の伝説上の生物

Image:Porsche

| 日本ではあまり人気がないが、「グリーン」は中華圏にて高い人気を誇るカラーである |

この塗料の開発に12ヶ月、塗装には80時間を要している

さて、ポルシェは数年前に「ポルシェ エクスクルーシブ マヌファクトゥーア ソンダーバーシュ」を立ち上げており、ここでは通常のオプションの範囲を遥かに超えたカスタムが可能となるほか、内外装の素材やカラー変更のみではなく、機能や構造、ボディ形状の変更も可能となり、先日は同プログラムを活用してカスタムされた「993スピードスター」が公開されたばかりです。

ポルシェが個人オーナーのために「当時存在しなかった」993スピードスターをワンオフにて製作。993ターボ、993RSのほか最新要素も取り入れる
ポルシェが個人オーナーのために「当時存在しなかった」993スピードスターをワンオフにて製作。993ターボ、993RSのほか最新要素も取り入れる

Image:Porsche | この993スピードスター「LT」には細部に至るまでオーナー、そしてポルシェの愛情と情熱が込められている | 当時は一般的ではなかった「ブラックアクセント」、最新の「クワ ...

続きを見る

カラーシフト塗装に加えて「前後グラデーション」

そして今回、あらたなるソンダーバーシュ車両として公開されたのがこのタイカン・ターボS「セレスティアル ジェイド」で、これはカラーシフト塗装を採用したうえ、前後グラデーションにて仕上げるという前代未聞のフィニッシュを持つクルマ。

Porsche-Taycan (5)
Porsche

なお、ポルシェは不定期にて(見る角度によって色味が変わる)カラーシフト塗装”クロマフレア”の新色を発表しており、これは色味によって価格が変わるものの、そのオプション費用は「最低で」1000万円くらいだと言われています。

つまりカラーシフト塗装だけでも非常に高価なのに、ここへ「グラデーション」という特別な処理を施したことで、このタイカンにはとんでもないコストが掛かっているのは間違いなさそう。

Porsche-Taycan (3)
Porsche

そのオプション価格1000万円以上、見る角度によって色味の変わるカラーシフト塗装を採用したポルシェ911ターボSが公開。オーダーしたのはイタリア高級ブランドのオーナー
そのオプション価格1000万円以上、見る角度によって色味の変わるカラーシフト塗装を採用したポルシェ911ターボSが公開。オーダーしたのはイタリア高級ブランドのオーナー

| モチーフとなったのは過去に4台のみが作られた特別なポルシェ959 | 近年、クルマにかけるカスタム費用は「天井知らず」である さて、ポルシェには「通常オプションの範囲を超えてオーダーメイド仕様を作 ...

続きを見る

このタイカン・ターボS「セレスティアル ジェイド」はその名が示すとおりに宝石にインスピレーションを得ており、このジェイド=翡翠は温度や圧力によって色が変わることでも知られ、緑、黄色、金、白、時には青の色合いを呈することも。

そしてポルシェ エクスクルーシブ マニュファクトゥーアは、世界で最も高価な塗料の1つであるクロマフレアを、しかも車体前部と後部とで色味を変えることで2種類も使用し、色が変化するグラデーション仕上げを作り上げることに成功したわけですね。

Porsche-Taycan (2)
Porsche

ポルシェによると、これらクロマフレアは「アーバン バンブー」と「シフティング カーボン」の二色で、これらを混ぜた特別な塗料の開発には約12か月かかり、手作業で塗布するため、そのプロセスには約80時間を要します。

塗装に長い時間がかかる理由の1つは、クロマフレア顔料に非常に薄い1µm (マイクロメートル) のガラスで覆われたアルミニウムフレークが含まれていることで、そのため、クルマのどの部分でもメタリック効果が強すぎないように、塗料を完璧に、かつ均一に塗り広げる必要があるのだそう。

Porsche-Taycan (4)
Porsche

そのほか、色調が変化するため、各層を同様に正確に塗布し、そして硬化させてから研磨し、次の層の準備を行う必要があるとのことですが、すべての塗装が終わったのち、最後に車両全体をもう一度研磨して傷のない仕上げに磨き上げることに。

そしてこの塗装はホイールセンターキャップ、そしてキー側面のカバー、モデルネームとボディ側面の「Electric」文字にも施され、一層このクルマを特別なものに見せています。

Porsche-Taycan (7)
Porsche

ポルシェはこのタイカン・ターボS「セレスティアル ジェイド」のために専用のロゴを作成

さらにこのクルマを特別なものとしているのは専用ロゴの存在で、ポルシェはこのクルマのためにドラゴンの頭と馬の体を持つ神話上の生き物「竜馬(LongMa)」にインスピレーションを得たロゴ(マーク)を作成。

このモチーフは幸運をもたらし、偉大な力の象徴として機能することを意図しており、これは「馬」を中心に据えたエンブレムを持つポルシェにもマッチしているのかもしれません。

Porsche-Taycan (6)
Porsche

ポルシェ911はもしかするとアイアンマンやブラックパンサー、トランスフォーマーみたいなエンブレムを装着する可能性があったことが公式記録から明らかに
ポルシェ911はもしかするとアイアンマンやブラックパンサー、トランスフォーマーみたいなエンブレムを装着する可能性があったことが公式記録から明らかに

| 理由は定かではないが、なんとかポルシェのエンブレムは変更されず今日に至る | なお、エンブレム変更のきっかけは「北米ディーラー網からの嘆願書」 さて、ポルシェは先日「新しいエンブレム(クレスト)」 ...

続きを見る

このモチーフは、両列のパドルライト、すべてのヘッドレスト、ドアシルプレートに採用されており、オーナーとしては非常に高い満足感を得られるところだと思われます。

294232_1920x1013
Porsche

さらにこのクルマのハイライトはまだまだ続き、ポルシェはタイカン・ターボS「セレスティアル ジェイド」にてはじめて「カスタム牛革」レザー・トゥ・サンプルサービスを導入し、この車両のための専用色「セレスティアルジェイド」が染め上げられることに。

Porsche-Taycan (8)
Porsche

かくしてこのタイカン・ターボS「セレスティアル ジェイド」では翡翠の持つ「高貴さ、幸福、長寿」、そしてポルシェの開拓精神を示すカーボンブラックとが組み合わせられた一台となったわけですが、シンガポールにて公開された後にオークションへとかけられるといい、収益金は慈善団体へと寄付されることについてもアナウンスされています。

Porsche-Taycan (9)
Porsche

あわせて読みたい、ポルシェ関連投稿

ポルシェがターボモデル専用のエンブレム、そしてホイールや内外装に専用色「ターボナイト」を採用すると発表。今後ターボ系は「神格化」されるもよう
ポルシェがターボモデル専用のエンブレム、そしてホイールや内外装に専用色「ターボナイト」を採用すると発表。今後ターボ系は「神格化」されるもよう

| ポルシェは現在ラインアップが多様化しすぎており、サブブランド化によって差別化を図るものと思われる | そして「ターボ」はいつの時代もポルシェにとって特別な存在だった さて、ポルシェにとって「ターボ ...

続きを見る

ポルシェは1948年に1号車の生産を開始したのち3年間はエンブレムを持たなかった!現在のエンブレムの原型ができたのは1952年、これまでに5回の変更を受けている
ポルシェは1948年に1号車の生産を開始したのち3年間はエンブレムを持たなかった!現在のエンブレムの原型ができたのは1952年、これまでに5回の変更を受けている

| これまでのエンブレムの変更はいずれも「小変更」、つまりは911同様、当時からエンブレムも完成されていたと考えていい | おそらくポルシェのエンブレムはこれからも不変であり続けるだろう さて、ポルシ ...

続きを見る

ポルシェがこれまでの「エクスクルーシブ」を超えるカスタムを実現する「ソンダーバーシュ」をスタート
ポルシェがこれまでの「エクスクルーシブ」を超えるカスタムを実現する「ソンダーバーシュ」をスタート!今までにできなかったようなワンオフモデルの製作も可能に

| ポルシェはこれまでにも数々のカスタムモデルを作ってきた | ポルシェは通常オプションに加え、特別なオプションを車輌に反映させる「エクスクルーシブ・マヌファクトゥア」を持っていますが、今回はさらにエ ...

続きを見る

参照:Porsche

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->ポルシェ(Porsche)
-, , , , , , ,