| 今回はフェラーリにしては「珍しい」内容のリコールである |
設計ではなく製造に起因、さらに製造記録にも不備
さて、フェラーリがローマ・スパイダー、ポルトフィーノM、F8スパイダーに対してリコールを届け出。
このリコールは現在北米においてなされていますが、NHTSA(アメリカの国土交通省に相当する機関)に届け出られた内容によれば「これらモデルにおいて、ドライブシャフトのボルトの締結力が十分ではなく、これが緩むとトラクションが低下し、事故のリスクが高まる可能性がある」とのこと。
今回のリコールの発端はこうなっている
今回北米にて出されたリコールの発端はヨーロッパでのトラブルにあるといい、それは今年7月にフェラーリが欧州にて確認した296GTSのの「ドライブシャフトの異音」。
フェラーリはこのトラブルを調査し、その結果としてドライブシャフトのボルトが十分に締められていないことが原因だと判断しています。
その後フェラーリは”不適切なボルトの締付を持つドライブシャフトを持つ車両”がないかどうか製造組立ラインにて内部調査を開始することとなりますが、北米向けの一部の車両については「ドライブシャフトのボルトの締め付けがフェラーリの生産ITシステムに記録されていなかったため」ボルトが正しく締められたかどうかわからないことが判明し、そして記録されていない車両が上述のローマ・スパイダー、ポルトフィーノM、F8スパイダーの3車種、そして台数としては合計4台なのだそう。
影響を受ける最初のモデルは2023年3月13日に製造された1台のポルトフィーノMで、2台目は2024年3月18日に組み立てられたローマ・スパイダー、それに加えて2023年製のF8スパイダー2台がリコールされることになり、これらは2023年3月29日から4月12日までに製造されたもの。
フェラーリによると(上述のように)ネジが適切に締められていない場合、ドライブシャフトから異音が聞こえることがあり、トラクションの低下や事故のリスクが高まるとしており、この対策としてフェラーリは12月27日までにディーラーと影響を受ける車両の所有者に通知を送り、ドライブシャフトを検査し、必要であればボルトを締め直すと発表しています。
ドライブシャフトは非常に重要なパーツであり、ここに問題が生じるというのはフェラーリらしくない失敗ではありますが、「作業記録が残っていなかった」というのもまたフェラーリらしくないミスかもしれません。
あわせて読みたい、フェラーリ関連投稿
-
なぜここに大阪城が?ナゾの多いザビールパーク、そして世界最大の”額縁”、ドバイフレームへと行ってきた【動画】
| ドバイフレームはその外観、そして内側ともに印象的な建造物であった | しかしもっとも印象に残ったのはナゾのiPhone使い(フォトグラファー)である さて、まだまだ続くドバイ編、今回は「ドバイフレ ...
続きを見る
-
フェラーリに困難が降りかかる。2005年までに遡ってリコールがなされたブレーキ問題に関し、顧客が「しっかり修理がなされず危険な目にあった」として訴訟を起こす
| フェラーリはこのブレーキ問題において多大な苦労を強いられる | 実際に世界中にて「数万台レベル」のリコールがなされ、原因の究明についても壁が立ちふさがる さて、フェラーリは「ブレーキに問題がある」 ...
続きを見る
-
フェラーリが日本国内にてSF90ストラダーレ / SF90スパイダーにリコール届け出。「オイルデリバリーパイプに問題があり、最悪の場合は火災に至る」
| 北米ではすでにリコール対策済み、実際に発生した問題や事故はゼロ | 問題のパイプ交換にて問題は解決、その後は安心して乗車可能 さて、珍しくフェラーリが日本国内においてリコールを届け出。対象となるの ...
続きを見る