メルセデス・ベンツが「7番目の」AMG専売モデルとなる電動SUVのテストを開始。新開発のプラットフォームに新型モーターを装備しランボルギーニ・ランザドールやポルシェK1に対抗

Image：Mercedes-Benz

｜　現時点では顧客としても「SUV」のほうがAMGブランドのピュアエレクトリックカーとして受け入れやすいであろう　｜

それでも顧客が「ついてくるか」はわからない

BMW XMに続き、メルセデス・ベンツも自社のハイパフォーマンスカー部門であるAMG「専売」の高性能SUVを発売するとアナウンスしていますが、BMW XMと異なるのは「ガソリンエンジンを積まないピュアエレクトリックカーである」こと。

先日はそのサイドビューが公開され、そして今回はスウェーデンでの寒冷地テストが始まり、徹底的なテストプログラムの第一歩を踏み出したという発表がなされています。

「AMG」が独自に発売したクルマは今までに5モデル

なお、これまでAMGはSLS、AMG GT、SLロードスターなどの「AMG専売」モデルを5つ発売していますが、6台目としては電動セダンが控えており、次いで7台目となるのがこのSUV。

ただし7台目といえど、AMG専売の「SUV」は初めてのことであり、これについてメルセデスAMGの会長、マイケル・シーベ氏は以下のように語ります。

「SUVは長年にわたり、私たちの最も人気のあるモデルの一つです。そのため、顧客の要求に応える形で、我々は新しいモデルを開発することに決めました。そしてAMGであることを最優先し、電気自動車であることは二の次です。」

つまり電気自動車であることが優先されたわけではなく、まずSUVである必要があり、さらに重要であるのは「AMGであるべき」ということに。

そしてこの「7番目のAMG」のテストプログラムにおける最初のステップは、サーキットでの高速走行やニュルブルクリンクでのタイムアタックではなく、メルセデスAMGによると、それはスウェーデンでの「寒冷地テスト」。

氷点下の気温の中で、AMG製SUVに搭載されるすべてのコンポーネントが厳しくテストされ、これには、特別に作られた氷上サーキットでの走行や、凍結した公道での走行も含まれます。

メルセデスAMG製の新型電動SUVに採用されるプラットフォームはAMG.EA電動アーキテクチャ

この新型電動SUVに採用されるのは「AMG.EA電動アーキテクチャ」で、最初にこれを使用するのが2024年春にテストを開始した4ドアクーペ風セダン、そして次がこの新型SUV。

新型電動SUVには、メルセデス・ベンツが（YASA社の買収後）新たに開発しAMGがカスタムするエレクトリックモーターが搭載され、これらのモーターは「Vision One-Eleven」コンセプトで初めて公開された「軸流型モーター」で、従来の電動モーターに比べて、より高い出力密度とトルク密度、さらに効率性を提供することが期待されています。

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今年の初めに報じられたところによると、AMGによってチューンされたエレクトリックモーターは前後それぞれ500馬力近くを発生させることができるとされ、つまりデュアルモーターSUVは、1,000馬力近くに達する可能性があり、これは今までのどのAMGモデルよりもはるかに高い出力で、さらには3モーターや4モーターのモデルも検討されており、一層高い出力が期待されています。

現在の予定だと、2025年末にはまず4ドアセダンが、2026年初頭にはこのSUVが発売される予定であり、これによりAMG製のSUVはランボルギーニ・ランザドールやポルシェK1といった”最も強力な競合車”に先駆けて市場に登場することになりますが、追って情報が（徐々に）明かされてゆくことになるものと思われます。

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