| ロールス・ロイスの向かう方向、そして顧客がロールス・ロイスに求めるものはほかの自動車メーカーと全く異なる
やはりロールス・ロイスは自動車メーカーというよりも「ラグジュアリー体験」の提供者である
さて、ロールス・ロイスは2022年に初の電気自動車「スペクター」を発表しており、すでに納車を進めているところですが、ロールス・ロイス・モーター・カーズのCEO、クリス・ブラウンリッジ氏によると「今年後半にもう一台の電気自動車が登場する予定です」。
これは(EV専業メーカーになると宣言していた)ロータスがガソリンエンジン搭載車を発売するとコメントしたり、ポルシェがEV専用モデルにも内燃機関を積む計画を公表したり、ランボルギーニが「顧客の準備ができていない」からとEVの発売を1年遅らせると発表したのとはまったく異なる方向性であり、つまりロールス・ロイスは「EV街道まっしぐら」というわけですね。
現時点で「ロールス・ロイスのEV第二弾はどんなクルマになるのか不明」ではあるが
現時点でクリス・ブラウンリッジCEOはこの「新型ロールス・ロイス(EV)」について詳細を語っていないものの、まずはスペクターへの反応が好評であることに言及しています。
「私たちが見てきたのは、スペクターが静かな走行、滑らかな走行感、運転のしやすさにおいて、素晴らしいロールス・ロイス体験を提供しているということです。お客様からのフィードバックは圧倒的にポジティブであり、これが私たちに非常に明確に示しているのは、世界が電動化へと移行する中で、私たちが素晴らしいロールス・ロイスを作ることができるということです。」
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さらに同氏は代替電動パワートレイン技術について尋ねられた際、「ロールス・ロイスがハイブリッド車を導入する予定はない」と述べ、世界的にEVの需要が減少しているにもかかわらず、上述のとおり「2030年までに内燃機関モデルを段階的に廃止する計画を維持している」わけですね。
ちなみにですが、ロールス・ロイス創業者は創業当時、「充電間環境さえ整えば、電動車がロールス・ロイスにとって最適な解となりうる」という言を残しており、その意図は「エレクトリックモーターはガソリンエンジンと異なり振動や騒音がないから」。
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実際のところ、ロールス・ロイスがV12エンジンを採用し続けるのも「ノイズやバイブレーションが少ないから」で、ロールス・ロイスとしては、「静かな走行、滑らかな走行感、運転のしやすさ」をもっとも高いレベルで実現できるのであれば、そのパワートレーンは必ずしも内燃機関である必要はなく、エレクトリックパワートレーンが実用化レベルに至ったいま、「ガソリンエンジンは無用」ということなのだと思われます(そして顧客が求めるところも同様である)。
参考までに、ロールス・ロイスがEV第一弾のボディ形状として「クーペ」を選んだのは、クーペを自身のクルマとして選択する人々は「新しいものが好きで、それを受け入れる心を持つ」からだとコメントされており、そして「電動ロールス」が受け入れられたと証明された今、次なるロールス・ロイスはやはり同社のメインストリームである「4ドア」なのかもしれません。
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参照:Autocar