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ボルボは2024年に「2年連続で販売記録を更新」するも今年の先行きには懸念を表明。すでに「完全EV化」を諦め2025年にはPHEV含む5車種を投入

ボルボは2024年に「2年連続で販売記録を更新」するも今年の先行きには懸念を表明。すでに「完全EV化」を諦め2025年にはPHEV含む5車種を投入

Image:Volvo

| ボルボは「EVオンリー」へのラインアップ転換にもっともアグレッシブな自動車メーカーであったが |

それでも時代の波には逆らえない

さて、ボルボが2年連続で販売記録を更新し、前年度比で8%増加となる763,389台を納車したと発表。

数字のみを見ると堅調な結果であるようにも見えますが、ボルボは「2025年は厳しい市場状況のため、波乱の年になる」と予想しており、この環境下であっても競争力を維持するため、製品刷新とポートフォリオ拡充の最終調整を進めている、と言及することに。

2025年、ボルボは5つのニューモデルを投入

そしてボルボが語る2025年の戦略を見てみると、同社社長兼CEOジム・ローアン氏によれば、まずは2月10日には同社の最小型電動クロスオーバーであるEX30をベースにした「EX30クロスカントリー」が発表され、さらにはボルボ初の電動セダン「ES90」がこれに続くもよう。

また、中国市場向けではあるものの、長い電動航続距離を持つプラグインハイブリッド車も計画されており、2つの既存モデルにも刷新が施される予定だと説明されています(現在、中国市場ではPHEVが高い人気を誇り、しかも航続距離1,000km以上が要求される)。

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そのほか、ボルボにとって「ゲームチェンジャー」となるEX60のプロトタイプ製造が今年にも開始され、2026年にはなるもののSPA3プラットフォームを採用したボルボ初の電動モデルとして市場に登場し、「コストの大幅な削減」を実現する予定であるとも。※市販価格は未定なるも、ボルボはこのクルマをもって「顧客へのメリットと新技術の開発」を提供すると約束している

なお、この「SPA3」ベースのモデルについては別途2車種が開発中であるとされ、しかしボルボは電動車だけに注力するわけではなく、すでに2030年までに完全電動化を目指す計画について撤回ずみ。

その代わり、「プラグインハイブリッド車と電動車によって販売の90~100%を占める」という方針へと移行しており、この「残りの10%」はマイルドハイブリッド車となるようですね(状況に応じて0%〜10%という幅が持たされている)。

これに加え、「当面は」ガソリンエンジンを搭載するXC902関しては「需要がある限り販売され続ける」ともコメントしており、さしものボルボとて「ガソリンエンジンを切り捨てることは致命傷である」と認識しているのでしょうね。

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参考までに、このXC90は今年で10周年を迎えていますが、2024年には(おそらくは当初計画にはなかった)2回目のフェイスリフトが施され、今後も長期間販売されることとなり、ICE(内燃機関)車を放棄するわけではないものの、ボルボはEVの未来に明るい展望を持っており、2024年の好調な結果に励まされている、というのが現在の状況なのかもしれません。

もう一つ参考までに、ゼロエミッション車(EV)の販売は54%増の175,194台となり、これは総納車台数の23%。

この数値をもってボルボは「従来の高級車メーカーの中で最も高いEVシェアを誇る」ことを強調し、プラグインハイブリッド車を含めた、充電ポート付きの車(PHEV+EV)は、昨年の総出荷台数の46%を占めたことについても言及しています。

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