>BMW(ビー・エム・ダブリュー)

BMW「新型M5の重量を発表時に公開したのは間違いでした。だれもパフォーマンスに注目せず重量しか語らなくなったからです」。今後重量は一呼吸置いて発表

BMW「新型M5の重量を発表時に公開したのは間違いでした。だれもパフォーマンスに注目せず重量しか語らなくなったからです」。今後重量は一呼吸置いて発表

Image:BMW

| 実際のところ、最近のBMW「M」、メルセデス「AMG」のニューモデルは信じがたいほど重量が増加している |

ただしこれは主に「環境規制」によるものであり自動車メーカーのせいではないだろう

さて、BMWは新型M5をちょっと前に発表したところですが、この重量は2,445kgもあって「先代M5よりも500kgも重い」重量です。

そしてこの重量が発表以来”集中砲火”を浴びており、まだ試乗車も出なかった時点で多くのメディアや消費者が「運転もせずに」鈍重であるという判断を下していたわけですね。

ここでBMWは数々の教訓を得ることになり、今後「少なくともドライバーが実際に車を運転するまでは、クルマの重量を公表しない」という決断を行うことに。

極上のエレガンスとパフォーマンスの融合、新型BMW M5発表。M5史上最強の727馬力、M5初のPHEV。まずはセダンから、のちにワゴンボディの追加も
極上のエレガンスとパフォーマンスの融合、新型BMW M5発表。M5史上最強の727馬力、M5初のPHEV。まずはセダンから、のちにワゴンボディの追加も

Image:BMW | 新型BMW M5は意外なことに「万人受けする」、しかし高度に洗練されたデザインにて登場 | V8エンジン搭載ということでメルセデスAMGに対しては高い競争力を発揮しそうだ さて ...

続きを見る

たしかに「重量」が選考してしまうと公平な判断はできない

BMWはこの「重量」ばかりが先行して話題となり、M5の本質であるプラグインハイブリッドパワートレーンやパフォーマンスが話題とならないこと、試乗車が出回ったりデリバリーが始まるまでに新型M5の評判が「重いクルマ」として定着してしまうことを懸念しており、そこで今回の結論に至ったわけですが、そういった「そのクルマがどんなクルマであるかが実車をもって判断されないうちに(評判が)下がってしまう」対策として「重量を公表しない」という思い切った方針を採用するわけですね。

我々が初めてM5を公開したのはサーキットでしたが、運転した際のレビューは公表しませんでした。そのため、M5についても話題は数字についてだけになったのです。実際に、私たちはいくつかの数字を公表しましたが、その中で重量だけが話題になってしまったのです。M5の発売から学んだことは、ソーシャルメディアがどのように機能するかということです。」

BMW M フランク・ヴァン・ミールCEO

BMW-M5 (4)

Image:BMW

G90世代の新型M5は”M5初のプラグインハイブリッド”パワートレーンを搭載し、4.4リットルのツインターボV8エンジンと電動アシストによって727馬力を発生させ、この出力は先代M5に比較すると約100馬力多い数字です。

一方で車体重量はというと標準の5シリーズより約590kg多く、先代M5より約475kg重くなっていて、どういうわけか完全電動モデルのi5よりも重いという事実も存在し、そして人々はこの「重量」にのみフォーカスした話題ばかりを展開してしまい、「0-100km/h加速3.5秒」というちょっと前のスーパーカーレベルの加速性能には誰も言及しなくなってしまったわけですね。※新型M5は「重くなってしまった」のではなく、「重くなることを前提に」設計がなされ、それでも優れたドライバビリティを発揮するように作られている

BMW M部門責任者「M5の重量に対する批判にはイライラします。我々は重量増加を承知でPHEVを選択し、重く感じないように作ったのですから」
BMW M部門責任者「M5の重量に対する批判にはイライラします。我々は重量増加を承知でPHEVを選択し、重く感じないように作ったのですから」

| BMWはV8エンジンを存続させるための最良の手段としてこのV8プラグインハイブリッドを選択している | 新型M5のハイブリッドシステムのみで重量は400kgを超える さて、新型BMW M5の車体重 ...

続きを見る

そういったこともあってフランク・ヴァン・ミールCEOは「他の競合他社について、ハイブリッド化されたスポーツカーを発表する場合、テストドライブまで重量を明かさないことが多々あります。そしてインターネットの世界では、この重量が大きな意味を持ちます。そして我々は今回のM5で多くの教訓を得ました」と語っており、よって今後のBMW、とくにMモデルでは「発表時には重量については伏せられる」ことになるのだと思われます。※メルセデスAMGは新型SL以降、多くの場合で新車発表時には重量を公表せず、メディアの試乗イベントにて重量を公開することが多くなっている

BMW-M5 (8)

Image:BMW

しかしながらBMW M5は大きな成功を収める

とはいえ、BMWは最終的に勝利を収めていて、フランク・ヴァン・ミールCEOによると、BMWはすでに「需要をまかなうため」M5の生産量を増加させており、それでも主要市場のいくつかではすでに今年前半の分が売り切れているのだそう。

そしてBMWはM5の(パワーだけではなく)運転体験にも自信を持っていて、新車発表時には「アドレナリン満載の運転ダイナミクスと洗練された日常使用の完璧な組み合わせです」と語ったことも。

参考までに、今回のM5がハイブリッドとなったのは「まだ完全電動モデルへの移行の準備が(さまざまな意味で)できていなかったからであり、ハイブリッドシステムを選択したことは「必然」だと語っていますが、より小型のM3とM4では「ガソリンオンリー」を採用し、新世代M3では「ピュアエレクトリック」を導入する計画であると伝えられているのは非常に興味深いところでもありますね。

BMWが「電動版M3」のサウンドを公開。直6っぽくもあり、ターボそしてジェットエンジンを連想させる”魂をゆさぶる”サウンドに
BMWが「電動版M3」のサウンドを公開。直6っぽくもあり、ターボそしてジェットエンジンを連想させる”魂をゆさぶる”サウンドに

| おそらくかなりの議論があったはずだと思われるが、結果的にBMWは「フェイクサウンド」を選んだようだ | 実際のところ、ガソリン世代のMモデルにも「フェイクサウンド」が搭載されている さて、BMWは ...

続きを見る

合わせて読みたい、BMW関連投稿

BMW「新型M5の2,245kgというとんでもない重量は必然でした。これが最善の手段で間違いありません」。ハイパフォーマンスセダンはなぜどれも超重量級になったのか
BMW「新型M5の2,245kgというとんでもない重量は必然でした。これが最善の手段で間違いありません」。ハイパフォーマンスセダンはなぜどれも超重量級になったのか

Image:BMW | ただしBMWはいかにクルマが重くとも「軽快に、楽しく」感じさせるすべを心得ている | 重量と環境性能、そしてパフォーマンスは「堂々巡り」の問題である さて、近年の厳しい環境規制 ...

続きを見る

BMWがM5ツーリング用の「Mパフォーマンスパーツ」発表。なぜか新型M5ではイエローやオレンジという明るいボディカラーが公式フォトに使用されることが少なくない
BMWがM5ツーリング用の「Mパフォーマンスパーツ」発表。なぜか新型M5ではイエローやオレンジという明るいボディカラーが公式フォトに使用されることが少なくない

Image:BMW | 当然ながらそのデザインは新型M5にベストマッチ、その魅力をさらに引き立てるかのようだ | Mパフォーマンスパーツはその性能を視覚化できるように作られている さて、BMWは先日「 ...

続きを見る

BMW「M5の主な客層は中年男性、とくに年を取るにつれてM を欲しがる上級管理職です。そしてサーキットをほとんど走りません」
BMW「M5の主な客層は中年男性、とくに年を取るにつれてMモデルを欲しがる上級管理職です。そしてサーキットをほとんど走りません」

| このBMWからのコメントは「まさにM5のこれまでのイメージそのもの」でもある | 一方、M5の顧客は「アジア市場の影響で」若返りつつある さて、BMWは史上最強スペックを誇る「M5セダン」「M5ツ ...

続きを見る

参照:Carsales

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->BMW(ビー・エム・ダブリュー)
-, ,