
Image:Morgan
| モーガンでは初めて「スマートフォン充電パッド」装備、「Bluetooth接続」が可能に |
さらには「モーガンの4輪ではじめて」トランクが備わる
さて、英国モーガンが先日よりティーザーキャンペーンを行っていたニューモデル、「スーパースポーツ(Supersport)」を正式発表。
モーガンはイギリスの片田舎にある工場にて、現在でもどこかのグループに属さず職人による手作業にて車両を製造していることでも知られますが、送り出す製品の外観がクラシカルなだけではなく、実際に「木製」フレームを使用したり、その調整にノミを使用するなど昔ながらの製造方法そしてクラフトマンシップにもこだわっています。
そしてもちろん、今回の「スーパースポーツ」のフレームにも木材が使用され、しかしこれまでの伝統にこだわる反面、いくつかの「新しい試み」が盛り込まれているわけですね。
Image:Morgan
モーガン スーパースポーツのプラットフォームは新開発
このモーガン スーパースポーツは新開発のオールアルミ製プラットフォームを採用していますが(木材の使用範囲が減少)、これにより車体剛性が向上し、さらなる軽量化を達成することに。
加えてトランクスペースも確保され、モーガンの4輪モデルでは初めて本格的なトランクを備えたクルマとなっています。
外観については従来のモーガンらしさを維持しつつ、アルミボディの採用によって”より流麗なスタイリング”を実現しており、独立したフロントフェンダー、ロングノーズ、そして象徴的な前方配置のヘッドライトといった特徴を備え、しかしルーフデザインは従来モデルよりも空力性能を意識した形状へ。
なお、カーボンファイバー製の脱着式ハードトップが標準装備され、このハードトップは非常に軽量であるだけでなく、装着時には車体剛性を向上させる役割も果たすとされますが、よりレトロなソフトトップ仕様としても使用でき、ドライブ当日の気分に合わせてルーフを選ぶことができるもよう。
Image:Morgan
長いボンネットの下にはBMW製の3.0リッター直列6気筒ターボエンジン(330馬力)が搭載され、これに組み合わせられるのはZF製8速オートマチックトランスミッション、そしてこのパワートレインはGRスープラと同様です。
参考までに、モーガンとBMWの関係性は浅くなく、モーガンは25年以上前のAero 8からBMW製エンジンを採用していて、そして今回のスーパースポーツもまた伝統と最新パワートレインとが融合したハイパフォーマンスカーとなっているようですね。
さらに、新しいアルミ製シャシーとともに、ステアリングシステムとサスペンションも完全に再設計されて「従来モデルと比べて最大100%剛性が向上」。
これによってダンパー(ショックアブソーバー)の性能を最大限に引き出すことが可能となった、と説明されています。
新型モーガン スーパースポーツはこんな内装を持っている
そしてモーガン スーパースポーツのインテリアもまたクラシカルな雰囲気を守り続け、しかしレトロな雰囲気を色濃く残しつつ、そこへ現代的なラグジュアリー要素も加えられることに。
最も象徴的なのはワイヤレススマホ充電パッドの追加であり、さらにはSennheiser(ゼンハイザー)製のオーディオシステムが標準装備され、Bluetoothハンズフリー通話にも対応していますが、モーガンの公式プレスリリースでは「ハンズフリー通話」が特筆すべき機能として紹介されているあたり、モーガンそして英国流のユーモアなのかもしれません。
Image:Morgan
ダッシュボードもまた「伝統と最新技術が融合した」つくりを持ち、メーター類や時計などの計器類はすべてイギリスの職人による手作りで”オーダーメイド感が”強く感じられるもの。
アナログメーターと中央の小型LCDディスプレイを組み合わせたデザインもまた「モーガンらしく」クラシック感とモダンテクノロジーが共存する部分でもありますね。
なお、モーガンの設計チームによれば、このスーパースポーツの開発目標は「最高速度」ではなく、「走る楽しさの追求」だったといい、そのため、サスペンションセッティングやステアリングフィールは、ドライバーとの一体感を最優先に設計されている、と説明されています。
Image:Morgan
参考までに、コロナ禍以降は自動車市場に置いていくつかの変更が生じていて、モーガンやケーターハム、ドンカーブートのようなシンプルで直接的なクルマが好まれるようになったのもひとつの傾向。
逆に「極端な出力を持ち、派手なエアロパーツが装着されたハイパーカーやエキゾチックカー」が敬遠される傾向も報じられており、これは人々が「実際に運転し楽しめるクルマ」を求めるようになり、ひいては「クルマとはなんぞや」を再考するようになったためなのかもしれません。
なお、このモーガン スーパースポーツの価格は(ほかのモーガン同様)安くはなく、英国では102,000ポンド(現在の為替レートだと1950万円くらい)に設定されており、それでも生産台数が「非常に限られている」ため、納車までには長い待ち時間が予想されています。
合わせて読みたい、モーガン関連投稿
-
-
モーガンが伝統の「木製フレーム(シャシー)」を用いる最後の世代、プラスシックスの生産終了を発表。最終限定モデルとして「ピナクル」を30台のみ限定生産
Image:Morgan | モーガンは長い間、伝統の手法によって「手作り」によるクルマの生産を続けてきた | スリーホイーラーに加え、ついに木製フレームも時代の波に飲まれる さて、現代では非常に珍し ...
続きを見る
-
-
モーガンが今後2年にわたってテストを行うためのテスト用EV「XP-01」を公開。車体重量680kg、航続距離240kmという「ガソリン車とほぼ同じ」スペックを保有
| 実際のところ、同類のガソリン仕様に比較すると60kgほど重いようだ | モーガンやケータハムなど軽量で知られるスポーツカーがEV時代にどのように存在感を発揮できるかは注目に値する さて、2019年 ...
続きを見る
-
-
「木製フレーム採用」で知られる英国モーガンが新型フラッグシップのティーザー画像を公開。変わらぬルックスにGRスープラと同じBMW製直6エンジンを積んでの登場か
Image:Morgan | 電動化が進みEVへの転換が進む今だからこそ、モーガンの存在意義は非常に大きい | 手作業で製作されるだけあって、その価格は「非常に高価」なクルマである さて、競争厳しい自 ...
続きを見る
参照:Morgan